キヤノンプリンター

先日、我が家にあるキヤノンのプリンターMG8230を使っていたら、
最初はいつも通り調子が良かったものの、途中から、
黒い部分だけがかすれるようになりました。
このときはほぼ黒一色の原稿をプリントしていましたので、
かすれはそのうちに印字面全域に及んでしまい、最終的には、
まったくなにもプリントされなくなってしまいました。

もともとこのプリンターは、私の父親が使っていたもので、
父親が亡くなった折、私が引き取ってきたものです。
ですでの、このプリンターがいつ購入されたのか、といったことが、
まったくわかっていません。
もっとも、それほど頻繁には使っていなかったように思います。
2019年の終わりに岐阜市の事務所に持ってきましたので、
私としては、かれこれ4年近く使っている計算になります。

そういえば、このプリンターを引き取ってくる以前に使っていたプリンターも、
キヤノン製で、そのときも、黒だけが印字されなくなるという、
今回と同じトラブルに見舞われ、結局、破棄となってしまいました。
(もっとも、まだ事務所の片隅に置きっ放しになっていますが)
どうやら黒の印字に不具合が出るのは、キヤノンプリンターの特性なのかもしれません。

そんなわけで、このプリンターも、もうダメかな、と思っていたのですが、
YouTubeなどを見ると、みなさん、同様のトラブルに見舞われているようで、
しかも、その回避法の説明などが、数多くアップされていました。
そんなわけで、私も、ネットの情報をたよりに、
プリンター復活大作戦を行ってみることにしました。
おそらく、同じ症状に見舞われている方が、多数いらっしゃるかと思いますので、
みなさまの参考になるよう、できるだけ細かくレポートしていきたいと思います。

やはり、キヤノン製プリンターで、黒だけが印字されなくなる、というのは、
よくある不具合のようです。
YouTubeでは、私とまったく同じトラブルの方が、何人もいらっしゃいました。
で、その方たちが行なっているのが、プリンタヘッドをお湯、または水で、
洗浄するというものでした。
このプリンタヘッドを水洗いするだけで、インクの目詰まりが解消し、
元どおり使えるようになるというのです。

その方法は、まず、すべてのインクカートリッジを外します。

インクは乾燥しないように

外したインクカートリッジは、インクの吐出部分が露出してしまいますので、
感想を防ぐために、カートリッジ全体をサランラップで包んでおくことを、
お勧めいたします。

インクを外して

カートリッジを外したら、グレーのプラスチックでできた、
コの字型のバーを引き上げます。
これで、プリンタヘッドが外せる状態となります。
プリンタヘッドを外すさいは、黒い突起部分を指でつまんで、
手前に回転させるようにして行うと、とても簡単に外れます。
このあたりは、文章では説明しづらいところですので、
みなさんがアップしているYouTube動画をご覧いただければと思います。
プリンターの機種が違っても、キヤノン製であれば、
構造はほぼ同じか、かなり似たものとなっているかと思います。

ヘッドが外れたら、お湯を出し、丸洗いします。
そのとき、ヘッドの後方にある基盤部、また、インクを受け止める丸い受給部を、
指で触らないよう注意しなければなりません。

水につけて洗浄

お湯は40度くらいにしてみました。
最初はどっとインクがでてきて、黒やら青やら赤やらの色水が、
シンクのうえを流れていきます。
こうしてある程度洗ったら、お湯を張った容器に、一時間ほどヘッドをつけておきます。
そしてまた、同じ作業を繰り返していきます。
そうすると、インクがしだいに出てこなくなります。

インクをセット

そして、一晩、ヘッドを乾燥させたら、プリンターに戻し、コの字型バーを倒して、
サランラップで巻いておいたインクカートリッジをセットします。
こうして一見すると、元に戻った感じに見えますが、
BKのインクだけ、点滅を繰り返してしまいます。
これはインクがなくなったというサインなのですが、BKのインクカートリッジは新品です。
ということは、洗浄がまだ足りないということなのでしょうか。

とりあえず、テストプリントして見ると、
シアンやマゼンタにいままでになかったかすれが現れていましたが、
黒だけはばっちり印字できるようになりました。
すごい!。ネット情報って役に立ちますね。

こうしてその日は支障なくプリントできたのですが、
翌日になると、また黒だけ印字されなくなってしまいました。
つまり、お湯洗浄だけでは、プリンタヘッドのインクの目詰まりは解消されなかった、
ということなのでしょう。

エタノールで洗浄

そんなわけで、作戦Bを始めます。
新たな作戦は、スポイトで、エタノールを、プリンタヘッドのインク受給部に垂らし、
固まって目詰まりをしているであろうインクを、溶かすというものです。
ちょうど我が家には、コロナ蔓延の時期に買った、無水エタノールがありましたので、
それを使ってみることにしました。

スポイトで垂らす

とりあえず、プリンタヘッドをまた外し、お湯で洗浄します。
面倒臭いですが、念のため、まずはお湯洗いから始めてみました。
その後、エタノールを、模型店で買ったクレオスのスポイトで吸い上げ、
プリンタヘッドのインク受給部に垂らしていきます。

垂らした状態

垂らすのは、シルバーに見える丸い部分です。
もし、インク詰まりが起きていなければ、
エタノールはすぐにこの丸い部分の内部にスッと吸い込まれていきます。
しかし受給部にエタノールがいつまでもとどまるようでしたら、
インク詰まりがおきているのかもしれません。
たしかに、BKのインク受給部は、エタノールの吸い込みが、とても悪かったです。

染み込みを確認

この作業を繰り返していると、しだいに吸い込みが良くなっていきます。
おそらく、詰まったインクが溶けているのではないかと思います。

というわけで、このヘッドをプリンタにセットし、
試験的にプリントアウトして見ると……。
結果はバッチリ。ネット情報って、すごいですね。
というわけ、無事、自力修理完了という感じで、一人悦にいっていたのですが。

翌日になると、またしても、黒だけかすれがでてきてしまいました。
本当に短い命で、もう、がっかりです。

シリンジ購入

そんなわけで、今後は作戦Cに移行することにしました。
新たな方法は、ホームセンターでシリンジを買い、圧力をかけて、
プリンタヘッド内の残るインクを、強制洗浄するというものです。

ところが、シリンジを探すのに思いのほか苦労してしまうことに。
なんといっても、ホームセンターの店員さんが、シリンジといっても、
よくわかってもらえないということが、多々ありました。

が、カーマホームセンターで、このシリンジをゲット。
お値段は二百円ちょっとくらいだったでしょうか。
きちんとチューブもついていますし、お財布にもやさしいです。

チューブの先端を加工

とはいっても、このチューブでは、プリンタヘッドのインク受給部の丸い部分に、
うまくはいりません。
というわけで、ガスの炎で少し炙って、チューブの先端を広げてやります。
あまり炙りすぎると今度はガバガバになってしまいますので、慎重に炙りながら、
穴を広げていくのがいいと思います。

お湯を注入

そしてプリンタヘッドのインク受給部のパッキンを外します。
このパッキンはとても大切な部品ですので、無くさないように大切に保管して起きましょう。
(すみません、作業に夢中で、パッキンの写真を撮り忘れてしまいました)
そして、お湯を張った容器のなかに、プリンタヘッドを浸し、
露出した受給部にシリンジのチューブを嵌め込み、ググッと圧力をかけて、
まず、お湯を吸い込みます。
そうすると、内部に残されていたインクとともに、お湯がシリンジ内に吸い上げられます。
今度はそのお湯を、圧力をかけて、押し出してやります。
(この場面も写真を撮り忘れてしまいました)

そうすると、シリンダヘッドの底部から、シャワーのようにお湯が出てきます。

このとき、あまり圧力をかけすぎると、部品が圧力で変形しそうなので、
少しずつゆっくり圧力を加えるなど、作業には注意が必要です。

インクをセットする

この作業が済んだら一晩、水に漬け置き、
さらにまた、エタノールを垂らして、様子を見てみます。
そしてまた一晩乾燥させ、プリンターに組み込みます。

そしてプリントしてみると、元どおり、黒が印字されるようになりました。

もっとも、いまのところは調子いいですが、今後もまた、不調になるかもしれません。
ですが、長年使ったプリンタを廃棄するまえに、
一度、これら洗浄法を試す価値はあるかもしれません。

もっとも、結果は保証できませんので、
作業は自己責任でやっていただくしかないと思いますが、
もし、プリンターを捨てるしかないと思っていらっしゃる方がいらっしゃいましたら、
ダメ元で、プリンターヘッドを洗浄してみることを、お勧めいたします。
YouTubeにさまざまな動画がアップされていますので、そちらも、
参考にしていただくと、よりよいかとも思います。


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レトロポップ下書き


前回の投稿記事で、今年秋開催予定の、ゆけ!! 俺のロボ展について、
ご紹介をさせていただきましたが、今回は、同じ会場で開催予定の、
レトロポップモンスター展2について、サワリの情報をアップしたいと思います。

このレトロポップモンスターの開催も、今年で2回目となります。
私も、前回に引き続き、主催者さまのご厚意で、参加をさせていただく予定となっています。
とはいっても、俺のロボ展とほぼ同時期で、
しかも、立て続けに二回もエキシビションに参加することになるので、
思うように作品制作ができるかどうか、いまから、すごく心配になっています。
といっても、悩んでばかりいても仕方ないので、とにかく、手を動かさなければなりません。
俺のロボ展の作品が3Dになる予定なので、とりあえずこちらは、手描き風のイラストで、
仕上げてみようかなと思っています。

そんなわけでスケッチ開始。
モンスターが生命維持スーツを着ているという想定です。
このあたりは、映画のビジュアルなどの参考画像を見て、仕上げていきます。
加藤直之さんのイラストなども、ちょっとイメージしてみました。
メカがゴチャッとなっている感じを出したいので、
そのあたりは細かく描き込んでいくことにしました。
このとき、これは○○装置、これはストラップ、などと、細かな設定まで考えていると、
もう、ぜんぜん先に進まなくなってしまいますので、とりあえず、見た目優先で、
気の向くまま、自由に、ガツガツと描き足していくことしました。

下書きアップ

そのうえで、ピシッとした線ではなく、どこかフリーハンド的な、
そんな雰囲気やテイストが、残るようにもしたつもりです。
また、メカが密集している部分と、そうでない部分の、
メリハリなんかも付けられればと思っていました。
なかなか難しいんですが……。

3Dのモデリングも楽しいですが、3Dはもう描くという作業ではないので、
こうして、シャープペンで直に描むアナログ作業というのは、忘れていた楽しさを、
思い出させてくれるようなところがあります。

ちなみに、使ったシャープペンはオレンズの0.2mmです。
0.2という極細ながら、うまく使えば芯が折れず、スラスラと書けます。
ただ、芯の減りはとても早いので、そのぶん、芯を出す回数は増え、しかも、
わずかでも出し過ぎれば、0.2というその極細芯のため、一瞬で折れてしまいます。

しかもこのシャープペン、ペン先の極細円筒が常に芯をガードしている形になっているので、
そのガードが紙にあたる感触があり、これがちょっと気になるかもしれません。
とはいえ、この細さの芯が使えるということはちょっと感動的でもあります。
とくに今回のような、メカがごちゃごちゃとあるようなテイストのものの場合には、
かなり力を発揮してくれます。

使ったのはオレンズの廉価版なので、軸先が少し細く持ちやすさは少し劣るかもしれません。
上位機種になると、ペン自体にも適度な重さがあり、また、芯は自動で出るようなので、
できれば、今後は、このプロフェッショナル版を使って見たいな、と思っています。

ちなみに、スケッチは、これが第一回目となるものなので、
このあと、さまざまに検討を加え、新たなスケッチを起こしていきたいと思っています。
ただ、最初からまたすべてを描き起こすのはたいへんですし、
それなりに時間もかかってしまいますので、部分的に書き直して、
最終的にはその書き直し画像をMacに取り込んで元のスケッチと合成するなど、
その都度、最善の方法を考えていきたいと思っています。
(なにしろ、ボヤボヤしていると、時間なんて、あっという間に過ぎてしまいますからね)

こうして、スケッチが完成したら、そのあとは、クリップスタジオペイントで、
着色できたらなと思っています。
ただ、その仕上げ方をどうするべきか……。
今回は、かけられる時間が限られているので、細部までこってり仕上げるのではなく、
まずはごく簡単に着色してみて、俺のロボ展の作品の進捗具合とも調整を図りつつ、
よりよいかたちを目指していきたいと思っています。
こってり細部まで塗りこむのが最善だともいえませんしネ。

バレルボット

ちなみにこちらは前回の作品です。
ちょっとテイスト的に今回のものに似ているんですが、
前回はスチームパンク風に、しかも3Dにて作ってしまいました。
3Dのいいところは、過去にモデリングしたパーツをいろいろと再利用できることです。
ただ、この作品こそ、手書きテイストの方が、おもしろかったのかもしれません。
それが反省点です。

俺のロボ展、レトロップモンスター、ともに、前回のブログに
スケジュールを記してありますので、関東圏にお住いの方、
ご興味をお持ちの方は、ぜひ、会場に足を運んでみてください。

また、同様の企画展に参加をさせていただくことになりましたら、
当ブログや自サイトで告知をさせていただきますので、
どうぞよろしく、お願いいたします。


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シークレット1

今月はお盆などがあったのですが、ブログに書くようなネタがなく、
更新もちょっと遅れ気味になってしまいました。すみません。
というわけで、今回は、今年の秋、東京上野のエキュートで開催予定の、
ゆけ!!俺のロボ展「変形合体編」について、
サワリだけですが、ほんのちょっとご紹介したいと思います。

私は、この企画展に、2019年から参加をさせていただいておりますが、
途中、コロナ禍による中止などもあったものの、
今回で、3回目の出展をさせていただくこととなりました。
前回までは渋谷東急ハンズでの開催となっていましたが、
今年から上野エキュートに場所が変わりましたので、見学をお考えのかたは、
この点に、ご注意をいただければと思っております。

また、今年は、このロボ展のまえに、
RETRO POP MONSTERS 第二回開催も行われる予定です。
スケジュールは以下のようになっていますので、まだけっこう先の話ですが、
お近くの方は、ぜひ、会場に足を運んでいただければと思っています。

ARTイベント RETRO POP MONSTERS (レトロポップモンスターズ) Vol.2
会場:東京 上野駅3階 エキュート上野 イベントC区画 & F区画
会期:2023年11月6日(月)~11月14日(火)

そして、ロボ展のほうは、以下のスケジュールになっています。

ゆけ!! 俺のロボ展 変形・合体編も、同会場で行います!
会場:東京 上野駅3階 エキュート上野 イベントC区画 & F区画
会期:2023年11月15日(水)~11月23日(木)

というわけで、今年はレトロポップモンスターと、ゆけ!! 俺のロボ展のふたつがあり、
作品の制作が間に合うのか、じつはいまから戦々恐々としています。

さて、前々回は3Dによるモデリングとレンダリングで作品を作り、
前回は、クリップスタジオペイントで描画をするかたちで作品作りをしましたが、
今回は、最初の時と同じように、3Dを使うことにしました。

センチネル 額装版

ちなみにこちらが、前々回の出展作品です。
このときのテーマは「レトロフューチャー」で、
テーマに沿った、レトロな、スチームパンク風なデザインを心がけました。
潜水服っぽい、頭でっかちの不気味カッコいい雰囲気を目指したつもりです。

赤影ロボ

そしてこちらが前回の出展作品です。
こちらは「ジパング」というテーマでしたので、
アニメなどでよく見る、ヒーローロボット系のデザインにし、
忍者を思わせる刀などを追加してみました。
こちらは、基本形は3Dを使って作りましたが、そのレンダリング画像をアタリにして、
先にも書きましたように、クリップスタジオペイントで仕上げました。
ただ、クリップスタジオペイントは、私にとって、あまり使い勝手のいいものではなく、
油彩など、重厚でおもしろい表現ができるものの、作業はほんとうに四苦八苦しました。
ですので、想定していた以上に、思いのほか時間がかかってしまい、
先の見通しが、立ちにくいものとなってしまいました。

ですので、今回、ふたたびクリップスタジオペイントを使おうかとも思ったのですが、
すでに八月の末となっており、時間的な余裕もなくなってきているので、
レトロフューチャーの時と同じように、3Dでの作品作りをすることにしました。
3Dで作られた作品は、どうしても評価が低くなってしまうかと思うのですが、
(筆のタッチが見られる作品のほうが、見る側に、作品に対する熱量が伝わるかと思います)
今回は、変形合体の途中経過などを、企画展とともに発行されるガイドブック等で、
紹介することになるかと思いますので、そうなると、3Dのほうが、
なにかとメリットが多いように思います。

ただ3Dのレンダリングだけでは、やはりあまりにも味気ないので、
なにか、画像処理を施して、なにかしらのタッチ的なものを、加えていけたらな、と、
いま、思っています。

シークレット2

ただ、変形合体というのは、私にとってはとてもハードルが高く、
なかなか、うまくはいきません。
きっとどれほど科学技術が進んだとしても、変形合体メカが作られるといことは、
ないんじゃないかと思います。
こういうものを実際に作ったら、
機構が複雑すぎて、メンテナンスがものすごくたいへんでしょうし、
故障も頻発するんじゃないかと思います。
(すぐにこういう夢のないことを考えちゃう私です)

シークレット3

当初は、レトロなスチームパンク系デザインにしようかとも思ったのですが、
レトロフューチャーは前々回のテーマでもあるので、今回は近未来メカとして、
作ることにしました。
小惑星帯を探査、資源開発している時代、
そこで活動する宇宙船や探査機器を、救助と修理を担うロボットという想定です。
(すみません、まだ開催前なので、ほんのちょっとしかご紹介できません)

ですが、会期が近づいてきましたら、
今後もまた、本ブログで、この企画展について、情報や作品について、
いろいろとご紹介していきたいと思います。
(……っていうより、まずは作品作りが間に合うかってところがいちばん問題かも!)



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ダム内通路

さて、少し間が空いてしまいましたが、前回の横山ダム見学の続きです。
発電所の見学を終えたあとは、いよいよ、ダム内部の自由見学をすることにしました。
ふたたび、ダムの内部に入り、ファンタジーホールの受付を通って、
進路の指示に従い、通路を進みます。
もっとも、広大で複雑なダムの内部には、トイレの設備はありませんので、
外に設置されたトイレで、用を足しておく必要があります。

ほどなくすると、ファンタジーホールと同様の、巨大な空洞に出ます。
内部に空洞を持つ「中空重力式コンクリートダム」は、全国でも珍しいと言います。
なぜ、このような形式になったかというと、かつてはコンクリートが高価で、
しかも、その輸送にもコストがかかるため、使用するコンクリートを少なくする意味で、
こうした中空方式がとられたそうです。

なにしろ空洞ですから、音がよく響きます。
そのため、ファンタジーホールや、各空洞の通路などに、
ハンドベルが置いてあったりします。
手にとって鳴らしてみると、たしかに、よく響きます。

ただ前回も書いたように、内部の湿気はかなりのものです。
ライトアップされている照明器具の周辺では、空中を舞う細かなミストの粒が見られます。

高い天井

天井もとても高く、何メートルあるのか見当もつきません。
とくにこうして写真になってしまうと、比べるものがなにもないため、
スケール感がよくわからなくなってしまうかもしれませんね。
なにしろ、窓も何もありませんから……。

上部の渡り廊下

ただ、ところどころ、こうして上部にある渡り廊下状の通路が見えますので、
それで、スケール感がわかっていただけるかもしれません。
実写版宇宙戦艦ヤマトの撮影では、
この空洞を、地下のヤマト建造工場にしました。
ただ、ヤマトが入るには、ちょっと狭いと思いますが……。
(たしか、映画では、CGも駆使して、もっと広大な空間にしていたように思います)

こうして、さらにトンネルに入り、次の空洞空間へと入るという感じになります。
これらトンネルの内側には、石灰質の白い結晶が浮き出ていました。

エレベーター部

そして、エレベーターが設置された場所に到着。
エレベーターはローテーションが決まっていますので、
自分の好きな階に行くことはできません。
次は地下の最下層に行きます。

空洞の底部分

最下層はもう、ぐっと気温が落ちます。
肌寒いくらいですが、なにしろ暑い日でしたので、このひんやり感は心地よかったです。
通路は途中で柵によって仕切られ、見学できる箇所はごく限られた箇所になっていますが、
それでも、充分、各所を見て回ることができます。
ただ、空洞そのものは、どこも似たようなもので、大きな変化はありませんでした。

グリフィスゲート

ふたたびエレベーターに戻り、その次は上部の地下二階へと向かいます。
ここからまた、一気に気温があがります。
この階からは、グリフィスゲートという水門の構造物を見ることができました。
ダム内のコンクリートは、かなり年月を経過したもののように見えますが、
このゲートは、錆や痛み、汚れなどもなく、かなり新しいように見受けられました。
ゲートの上部には、巨大な油圧シリンダー装置らしきものがありました。

ダム湖の光景

そして最後は、ダムの上部へと上がります。
ここからはダム湖が一望のもとに見えました。
といっても、ダム湖はさして大きいものではありません。
また、溜められている水の量も、けっこう少ないように見受けられましたが……。

発電施設を臨む

こちらは下流の発電所側です。
ついさきほど、内部を見学させてもらった、あの発電所ですね。
あたりが深い山の中だということが、よくわかっていただけるショットかと思います。
木々の緑が青々としていて、とても自然豊かなところです。

このあと、ふたたびファンタジーホールに戻り、
ヘルメットや番号札の返却を行い、アンケートに記入してきました。
帰りには、ダムのパンフレットや、ダムカードのおみやげなどもありました。

スタッフの方々もとても親切で、おかげでとても有意義な時間を過ごすことができました。

来月には上流の徳山ダムでも見学会が催されるとのことです。
もっとも、すでに見学の定員に達してしまっているとのことらしですが、
飛び込みで行っても、自由見学のエリアは見学できそうです。
こちらにも、もし時間があれば、足を運んでみたいと思っています。


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ダムを間近に見て

先週の土曜、揖斐川水系にある『横山ダム』というところで、
年に一度の見学会が開かれました。
このダムは中空重力式コンクリートダムといい、
内部に大きな空洞を持つ非常に珍しい構造をしており、
キムタク主演の宇宙戦艦ヤマト実写版のロケでも使用されたと言います。
今回の見学会では、予約制で発電所施設の見学会も行われるとのことでしたので、
さっそく事前予約し、当日、見学に行ってきました。

横山ダムは、岐阜県の西端、揖斐郡揖斐川町というところにあり、
私の故郷の飛騨ほどではないにしろ、けっこうな山の中です。
このダムの上流には、多目的ダムとしては日本一の規模を誇る「徳山ダム」もあり、
まさに、著名なダムが点在するダム銀座とでもいうべき状態になっています。

この日は絶好の好天となり、ダムの内部を見学するにはもったいないほどでしたが、
山道を走るのは、なかなかに気持ちよく、
さほどの遠距離ではないのですが、とてもいいドライブになったように思います。
(今回の出動者はヨメのプジョーです)

駐車場

現地横山ダムでは、この日、臨時の駐車場やトイレをしつらえ、
また、国道には案内の人員を配置しておくなど、
見学者の利便性にかなり配慮しているようでした。

しかも、予想通りというべきなのか、けっこうな人出です。
私がこの見学会を知ったのは、岐阜県図書館にあった告知用のプリントなのですが、
さほど大きな告知活動をしていたとは思えません。
それでも、これだけの集客があるということは、ダムに興味を持っていらっしゃる方が、
多いということかもしれません。

横山ダム外観

こちらが駐車場(下流側)から見た横山ダムの全景です。
上流の徳山ダムと比べれば、半分ほどの規模になってしまいますが、
それでも、巨大な建造物です。

横山ダム入り口

というわけで、まずはダムに入って受付を済ませることにします。
今回の見学会では、事前予約がなければ発電所の見学をすることはできませんが、
仮に予約をしていなくても、ダムの内部は自由に見学ができます。
ダムの内部はとても広大ですので、これだけでも、
充分すぎるほどの見学ができると思います。

ファンタジーホール

入り口の通路を抜けると、ファンタジーホールと称される第一の空洞に出ます。
横幅はさほどではありませんが、天井がとても高く、
なんとも不思議な、非現実的な空間です。
しかも、外は炎天下なのに、ここはひんやりとしています。
もっとも、かなり湿気が多く、空洞の壁面に結露がつくようで、
ときどき、水滴が落ちてきたりしました。
ここが受付のホールとなっていました。

パネル展示の数々

受付ホールにはさまざまなパネル展示も行われています。
ここで受付番号のカードと、ヘルメットを貸与されました。
以後、ダムの内部は常にこのヘルメットをつけて散策することとなります。

発電所の見学は、午後一時半からの予定となっていました。
ですが、このとき時刻は12時40分。
まだ時間があるので、とりあえず、ダムの内部をいろいろ散策して見ることにしました。
というわけで、奥に進んでみます。

通路を進む

コンクリートの通路に階段。
普段は見ることのない、特殊な施設にやってきたという気持ちが、
ふたたび心のうちに込み上げてきます。

恐怖の階段

が、行き着いた先は極端に急な階段。しかもかなり長そうです。
これを上るのか……、と思わず絶句してしまいます。
ヨメはこの階段を見てギブアップしてしまいました。

順路に沿って進む

というわけで、私一人だけで果敢に階段を登ります。
順路という矢印が出ていますし、入ってはいけないところはきちんと柵がしてあるので、
迷うことはありません。
それにしても、湿気が多く、床は濡れています。

そしてさらに進むとまたしても急な階段が……。
高所恐怖症の私にはダム見学はハードルが高いのかもしれません。
それでもなんとか階段を登りきると、なんだかごく普通の家庭にあるよう、
レバー状のドアノブがある扉に行き当たります。
が、ドアには鍵がかかっていて開きません。
すぐ横にスチール製のドアがあるのですが、こちらも、わずかに動くだけで、
開く気配がありません。
結局、ここで行き止まりのようです。

えっ、これって、どういうこと、と思いつつも、仕方なく引き返します。
途中、やってきた見学者の人とすれ違いましたが、その人も、
ドアが開かないことに気づいて、私と同様、引き返してきていました。
「ドア、閉まってましたよね」言葉を交わしつつ、互いに今来た道を戻ります。
すると、ギブアップしたはずのヨメが、階段を登ってきました。
この先は行き止まりだと告げて、嫁とふたり、階段を降りることに。
ですが、これがかなりの恐怖。
足を踏み外したら大怪我しそうですし、この場所では、
怪我人を運び出すのもたいへんそうです。

そんなわけで受付のあるホールまで戻ってきたのですが、
そこではじめて、別の進路があることに気づきました。
どうやら私は、進路を間違ったようです。

というわけで正規の進路に戻り、見学を続けようかと思いましたが、
ダム内の巡るエレベーターは、止まる階の順番などがあらかじめ決められており、
一度エレベーターに乗ってダム内の見学を始めてしまうと、
発電所見学の集合時間に間に合わなく恐れがあります。
というわけで、とりあえず、ダム内見学はあきらめ、
発電所見学を優先させることにしました。

発電所施設へ

そして定刻の1時半になると、職員の方が、20名の見学希望者を連れて、
発電所へと移動します。
ここで中部電力の職員の方にバトンタッチし、詳しい解説をしていただくこととなりました。

二機の発電機

この横山ダムには二機の発電機が設置されています。
発電機が据え付けられたのは、いまからおよそ60年前だそうです。
オーバーホールは何度かしているそうですが、
基本的に、発電機の交換自体はしていないそうです。
発電機というのは、とても長持ちするもののようですね。

扉の奥へ

発電機の最下層には小さな扉があるのですが、ここから、
タービンを見学させてもらえることになりました。
といっても、20人はとても入れませんので、交代で内部に入ります。

タービン装置

これがその内部の構造部です。
このしたに、タービンの本体があり、水流の力によって回転し、
上部にある発電機へと繋がる軸を回転させてます。
この発電機は縦置き構造となっています。
機械の構造としては、横置きにするより縦置きにしたほうが、はるかに都合が良さそうです。

軸部分

この軸の上が発電機になるそうです。
軸のフランジの下端には、とてつもない巨大ボルトが入っていました。
発電機やタービンのオーバーホールは、施設の上部にある、
150トンクレーンで釣り上げるのだそうです。
ちょうど案内の方の手が写っているので、この物体のスケール感がわかるかと思います。

こうして、およそ30分ほどをかけて、発電所内部を見学させていただきました。
中部電力のスタッフのみなさま、ありがとうございました。

このあとは、いよいよダム見学へと移りますが、
その時の模様は、また次回、ご紹介したいと思います。



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