湖北図書館全景

先月の末日の日曜のことになりますから、もういくらか時間が経っていますが、
滋賀県長浜市の木之本町というところに、ヨメさんのプジョーで行ってきました。
折しもこの日、彼の地では『湖北図書館』という施設図書館のイベントが行われており、
図らずも、イベントを見て回ることや、図書館の見学をさせていただくことができました。
今回は、この湖北図書館での催しのことを、少し取り上げてみたいと思います。

この日はあまり好天に恵まれたとはいえなかったのですが、
ヨメさんは朝から出かけたくてウズウズしており、とはいえ、
時間的な問題で、あまり遠くに出かけることもできず、
相談の末、ここ岐阜からさほど遠くない、木之本に行ってみるということになりました。
(なにしろ、関ヶ原を超えると、すぐ滋賀県ですから)

駅前の駐車場に車を駐めると、駅の東側にある広場のあたりには人垣ができており、
しかも、なんだか賑わった雰囲気があたりに漂っていました。
広場の北には、かなり老朽化した二階建ての建物と、そのすぐ手前には、
ちょっとしゃれた平家の建物が建っています。
平家の壁には、湖北図書館、という看板がでていました。

いただいたパンフ

イベントは、古本のバザーのようなもので、会場に足を踏み入れると、
このようなパンフレットをいただくことができました。

イベントの様子

前述したように、このイベントは図書館が主催したもののようで、
居並ぶ露店は、古本の本屋さんと、食べ物屋さんで占められていました。
古本の露店が一堂に会するというのはなかな珍しく、興味深いものです。
会場では、本にまつわるトークショーが行われ、
また、数々の古本を見て回るお客さんの数も意外に多く、イベントはとても盛況でした。

湖北図書館へ

じつはこのときはじめて、会場の北にある古い建物が、
湖北図書館だということに気づきました。

立て看板

案内看板を見ると、私設の図書館だそうです。
しかも滋賀県最古とも書かれていました。
木之本にこんな図書館があるなんて、私はまったく知りませんでした。
それだけでも大きな発見です。

入り口

私設の図書館などというと、もう村上春樹の世界という感じがします。
ここで子安さんに会えるかも、などと、妙な妄想をしてしまいます。
先の看板によると、この建物は昭和12年に完成したものらしいです。
(もっとも、子安さんのいる図書館はこんなに建物ではないのでしょうが)

昭和12年というと、盧溝橋事件のあった年でしょうか……。
そう思うと、とても古いものですし、また、当時としてはかなり
モダンな建築物であったのかもしれません。
もともとは伊香郡農会の庁舎であった、との説明もありました。

一階玄関

こちらがそのエントランスです。昭和初期の雰囲気が色濃く漂っています。
映画の撮影にも使えそうな気がします。
玄関奥の受付(貸し出しカウンター)には、若い女性の司書さんが詰めていました。

本棚の資料

そしてこちらが書庫の様子です。もう古い本が棚にいっぱい。
稀覯本マニアが見たら、狂喜するのではないでしょうか。
箱に入った原書太閤記なんて、ちょっと気になってしまいます。
ですがこの日は、イベントということもあってか、図書の閲覧は禁止されていました。
まあ、手に取るのもちょっと気後れするほどの古い本ですが、
中身を見てみたかったです。

古書の並ぶ書庫

本棚に並ぶのはこうした古書ばかりで、現代書はあまり見かけませんでした。
しかも建物の老朽化はかなり進行しているようです。
にもかかわらず、この図書館、二階にも行けるようになっているんです。

館長席

こちらが二階の様子ですが、館長のデスクのようなものがありました。
子安さんは、残念ながら座っていませんでした。
座っていたら、面接してもらいたかったんですけど。

二階の様子

二階にも古い本がいっぱいです。そのほかにも昭和の生活を示す展示品がありました。
ただ、二階の老朽化は一階よりも激しいようで、
見物客としてきている子供が走り回ると、床が抜けないかと心配になってしまいました。
実際、窓際の畳がない箇所は、かなり危なそうな気配も漂っていました。
ただ、入場規制がされていないところを見ると、意外と頑丈なのかもしれません。

またこの二階には、翻訳物の文学全集などがありました。
石橋湛山全集なんて古書もどーんと並んでいたりして、
ちょっとページをめくってみたかったですが……。
ただ、これはちょっと新しいのかも。昭和40年くらいの発行なのでしょうか。

エコバッグ

この本屋さんには、オリジナルグッズのエコバッグが販売されていました。
おそらくは図書館支援のためのもののようで、それゆえにちょっと高かったのですが、
かわいいイラストがついていますし、丈夫そうで、なかなかにいい感じです。
そんなわけで、ヨメさんが、大きいほうのバッグをゲットしてきました。

で、バッグを持ってカウンターに行くと、かなり高齢のおばあさんが、
なにかのプリント用紙を見ながら、首っ引きで司書さんと話しています。
話の内容と紙面に書かれた文字から察するに、
プリントは、どうやらハヤカワミステリの新刊リストのようです。
もしかすると、司書さんに、図書の購入希望を出しているのかもしれません。

地方の田舎にも、本好きな方はいらっしゃるんですね。
こうした地域の図書館が充実しているからこそ、
本を愛する方が、育まれるのかもしれません。

とにもかくにも、湖北図書館と、イベントを堪能してきました。
機会があれば、次回、蔵書をゆっくりと見て回りたいです。


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MINIのイメージ

さて、先月末のことになってしまいますが、いよいよ春本番が到来ということで、
MINIのオイル交換&グリスアップを行いました。
というわけで、今回はこのオイル交換の模様についてアップしたいと思います。
といっても、過去の同様の記事となんら変わるところがないかもしれません。
ですがメンテナンスの記録を残す意味で、こちらに投稿したいと思います。
もっとも、ここのところあまり乗る機会がないMINIですが、
だからといって、オイル交換しないわけにはいきません。
今回はオイルエレメントの交換なども、一気呵成に行ってしまいました。

オイルは、毎回使用している鉱物系オイルのバルボリンVR-1レーシング20w-50を、
今回も変わらず使ったのですが、昨今の原油高の影響を受けて、
とても高価になっていました。
もともとこのオイルは、比較的安価で供給されていたので、
お店の店頭で見て、もう、買いにいってびっくりしてしまいました。
本当に困った世の中になったものです。

そのほか、この機に、グリスガンに入れるカートリッジタイプのグリスも買っておきました。
以前は、グリスアップにモリブデングリスを使用していたのですが、
MINI専門店のかたにお話を伺ったところ、モリブデングリスは性能はいいが雨に弱い、
とのことでしたので、いまではもっぱらリチウムグリスを使っています。

マーレOC21

また今回はオイルエレメントの交換もするということで、
アマゾンに出店している業者さんから、マーレのOC21を購入しました。
マーレOC21は、パッケージや、商品の構造が微妙に変わるなどしていますが、
問い合わせたところ、メーカー名と品番が同じであれば、96年以前のマニュアルMINIには、
問題なく適用するそうです。
以前はMINI sparesなんかを使ったこともありましたが、
今後は、比較的安価で、しかも容易に入手できるこのマーレ製品に、
また戻ろうかなと思っています。

エンジン

そんなわけでオイル交換開始です。
先日、ガレージ内でゴキブリを見かけたので、あらかじめホウ酸団子を置くなど、
ゴキブリ対策もばっちりしての作業となりました。
ホウ酸団子の効果なのか、ガレージ内には、
ゴキブリどころか、ダンゴ虫などもいませんでした。
虫嫌いの私としては、ほっとするばかりです。

外したグリル

まず最初に始めるのは、ラジエーターグリルを外すことです。
私のMINIにはワンタッチグリルボタンがないので、このグリルを外すたびに、
いくつものネジをドライバーで外すことになります。
(もちろん左右のモールも外します)
モールのネジは木ネジのようなものなのですが、
あまり強く締め付けると、バカになってもう閉まらなくなりそうなので、
いつも緩め気味に締めています。
このあたりのアバウトさは、もう工業製品とは思えないくらいですね。

そして次に、グリスアップのためにタイヤを外すことを考え、
この段階で助手席側のタイヤのボルトを緩めておきます。
グリスアップはなにもタイヤを外さなくてもできるのですが、
グリスが入ったかどうかをしっかり確認するためには、
タイヤを外しておいたほうが、よくわかります。
ドライブシャフトブーツの状態などもこの機に確認しておきたいですしね。
というわけで、グリスアップをするときは、いつもタイヤを外すようにしています。

そして車体下部、オイルパンとアンダーガードの間の隙間に、
丸めた新聞紙を突っ込んでおきます。
私のMINIの場合、この作業がとても大切です。
この作業をしないままドレンボルトを抜くと、
排出されるオイルがアンダーガードのうえに落ち、
そこからまた下に漏れ出してくるので、ほんとうに難儀します。
以前乗っていたMINIはそんな状態にはならなかったので、
もしかすると、アンダーガードの位置が、ほんの少し右に寄っているのかもしれません。

そのあと、廃油パックをエンジンの下に配置し、ドレンボルトを取り外します。
ドレンボルトは意外に硬いので、この作業のとき、
勢い余ってナンバープレートを曲げてしまわないよう、注意しなくてはなりません。
そしてオイルを抜きます。

古いエレメント

またさらに、古いオイルエレメントをフィルターレンチを使って外します。
エレメントは手の力のみで締め付けて取り付けてありますが、
意外と外すときに意外と大きな力が入ります。
エレメントが外れるとオイルもデリバリーパイプを通してどっと落ちてきますので、
ビニール袋などを用意して、慎重に備えます。

オイルが抜けきるのに少し時間がかかるので、この間に、車体をジャッキアップし、
助手席側前輪のグリスアップを行ってしまいます。
グリスガンは比較的小型のものが扱いやすくて便利です。
アッパーアームとハブのボールジョイント部分などは、
グリスを入れると、古いグリスがボールジョイントの周辺から押し出されてきますので、
それを目視で確認しておきます。
また、はみ出した古いグリスは拭き取っておきます。

このときブレークリーンでローターの汚れなども落としておきました。

作業が完了したら、タイヤを取り付け、車体を下ろします。
タイヤのボルトを締め付け、さらにエレメントを取り付けます。

エレメント準備

このとき、新しいエンジンオイルを、エレメントのゴムパッキンに、
指を使って塗っておく必要があります。
そんなわけで、もう手がオイルでドロドロになっていますので、
100円ショップで売っている薄手のゴム手袋をはめて、エレメントを取り付けます。
この手袋をつけることで、エレメントが滑ることなく、手でしっかりと取り付けれます。

新品のドレンワッシャー

これら一連の作業が完了したところで、ドレンボルトを締め付けます。
前回、ドレンワッシャーは砥石で磨いて再利用しましたが、
今回は新品が見つかったので、これをドレンボルトに装着させて締め付けます。
あまり力を入れて締め付けるとアルミ製のオイルパンの基部を変形させますので、
慎重な力加減で締め付けます。

バルボリンオイル

そして規定量の新しいオイルを入れます。
バルボリンのオイルはリットルではなくクォートという単位で入っています。
これをほぼ5本入れることになります。

作業が終わったらいったんエンジンをかけて止め、
エンジンルーム内のオイルレベルゲージを引き抜いて、
慎重にオイル量の点検をしておきます。
また、助手席側後輪にあるラジアスアームにもグリスアップをしておきます。
さすがに後輪のタイヤは外しませんが、グリスを注入するさい、ジャッキアップは必須です。

ここでまたエンジンをかけ、いったん車を出して、位置を変えます。
というのも、ガレージの中が狭いので、今度は運転席側の作業スペースを確保しないと、
右前後輪のグリスアップができないからです。

そして左側に行った同じグリスアップ作業を、運転席側でも行います。

最後にラジエーターグリルをつけ、
タイヤの固定ボルトの締め付け、ドレンボルトの締め付け等を確認して作業完了です。

こう書くと簡単そうに思えるかもしれませんが、全作業の完了には4時間はかかります。
この30年、同じ作業を毎回行なっていますが、ほんとうにめっちゃ疲れます。ヘロヘロです。
年を取ってきたので、疲労もいや増しているかと思います。

でも、終えると達成感があるというか、妙な満足感があります。
こうなってしまうと、MINI乗りはやめられないのかもしれません。
(ただ、今回は作業中、指を切る怪我をしてしまいました。次回からは要注意です)

ちなみにいま、MINIの運転席側のサイドウインドウを巻き下ろすと、
大きくガラスが傾いてしまいます。
近いうちに、この修理を兼ねて、遠距離ドライブすることになるかもしれせん。


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だからダスティンは死んだ 再アップ

ブログネタがない今月は、前回に引き続き、ブックレビューをしてみたいと思います。
(たとえネタがなくとも、月に2回の更新を目標にしていますので……)
今回取り上げるのは、ピーター・スワンソンの『だからダスティンは死んだ』です。

……というわけで、さっそくレビューを書こうと思っていたら、
いきなりマックのキーボードが不調になってしまいました。
ローマ字入力の『G』と『T』がキーを押しても、まったく入力されないのです。
ダスティン、と入れても、アスティンになってしまって、
もう、まったく使い物になりません。
しかも、いきなり症状が出るのですからほんとうに困ったものです。

仕方なく、以前使っていたG5マックのキーボードを押入れから引っ張り出してきて、
使い始めたのですが、なにせ古いキーボードですので、タッチ感覚が大きく違っていて、
もう、使いにくいことこのうえない……。
しかもコマンドキーやオプションキーの位置が微妙に違うので、
さきほどから、ミスタッチを連続しています。

そんなストレスフルな状況ですが、一応、
これでなんとか正常な日本語は打てるので、とりあえず、このまま
書き進めていきたいと思います。
(話が脱線してしまって、すみません)

○ 東京創元社『ピーター・スワンソン / だからダスティンは死んだ』の情報はコチラ

スワンソンは比較的新しい作家で、作品数もまだそれほどは多くはないのですが、
そのほとんどが翻訳されているため、
ここ日本でも、かなり名が知られたミステリ作家だといえるかもしれません。
(つい最近も、8つの完璧な殺人という作品が創元推理文庫から出ましたね)
しかも、いまのところはまだ未訳ですが「そしてミランダを殺す」の続編も、
本国アメリカでは出版されているようなので、今後の日本語版の発売がとても楽しみです。

私が思うに、スワンソン作品の魅力は、
なんといっても登場する女性キャラクターの造形です。
しかも、これら女性キャラクターは、どの作品でも、みな、
なんらかのかたちで、精神を病んでます。
本作で登場する「ヘンリエッタ・メイザー(通称ヘン)」という女性も、御多分に洩れず、
精神的な疾患を抱えています。
そしてこの障害が、ストーリー上、大きな役割を担っていきます。

というわけで、まずはそのストーリーから、大まかに紹介していきたいと思います。

中面 再アップ

物語の主人公は、今紹介した、ヘンリエッタ・メイザーという若い女性です。
版画家である彼女は、広告マンである夫ロイドともに、夏の真っ盛り、
ボストン近郊のウエスト・ダートフィードという街に引っ越しをしてきます。

その年の秋、ヘンは、街の親交を目的としたブロックパーティーで、
すぐ隣に住むドラモア夫妻と知り合います。
ドラモア家の妻、マイラは、年齢も近く、
しかも互いに子供がいない夫婦ということもあって、隣家のヘンに好意を抱きます。
そしてヘンとロイドの夫婦を、自宅で開くパーティーに招待します。

こうしてヘンは、ドラモア家で、マイラと、マイラの夫であるマシュー・ドラモアと、
夕食を楽しむのですが、そのさいマイラは、ヘンに自宅の各部屋を案内します。
そこでヘンは、マシューの書斎にあったフェンシングのトロフィーを見て、
卒倒しそうなほどに驚きます。

引っ越してくる前、ヘンとロイドのふたりは、
ここウエスト・ダートフィードからほど近い、ケンブリッジに住んでいました。
そのケンブリッジでは「ダスティン・ミラー」という青年が、
殺害される事件が起きていたのです。
事件当時、躁状態にあったヘンは、近所で起きたこの事件に異様に執着しました。
そして、警察発表をくまなく調べるうちに、
ダスティンが殺された現場から、
フェンシングのトロフィーが持ち去られている事実を知ったのです。
警察が発表したトロフィーの特徴は、マシュー・ドラモアの書斎にあったものと、
あまりに酷似していました。

隣の家のご主人マシューは、殺人犯ではないのか……。
そう睨んだヘンは、密かにマシューの尾行を始めます。
そして、マシュードラモアの奇怪な行動を知っていくのですが……。

背表紙 再アップ

まさに、スワンソン節炸裂という感じですね。
今回もまた、視点人物が入れ替わる形で、物語が進行していきます。
海外の小説では、この視点人物の入れ替わりが多用されていたり、
しかもチャプターの変更なく視点人物が変わったりすることがあるなど、
(僕が死んだあの森でもそういうことがありました)
ちょっと読みにくいところがあったりするのですが、
スワンソンは、きちんと視点人物の入れ替わりを明確にチャプターで分けており、
しかも、視点人物を絞り込んでいるので、とてもわかりやすくなっています。

今回の作品では、ヘンを視点人物とする部分と、犯人であるマシューの視点部分とが、
交錯するようなかたちで登場します。

また、本作では、犯人であるマシューに、ヘンが妙なシンパシーを抱いてしまったり、
かと思うと、信頼している夫ロイドの秘密が暴かれたりと、
信頼と不信とが、交錯するような展開にもなっています。
シーン描写もとても秀逸で、情景が目に浮かびます。
物語の舞台は、スワンソンお得意のニューイングランド地方です。

ミステリとしては少しストーリーが弱い気もしますが、
スワンソンらしさに溢れた作品ではないかと思います。

背表紙 再アップ

創元推理文庫は、スワンソン作品の題名に一定の統一性を持たせようと思っているらしく、
今回の作品の邦題は「だからダスティンは死んだ」と名付けられていますが、
原題は、Before She Knew Himだそうです。
直訳すると、彼女が彼を知る前に、になるのですが、
題名としては、こちらのほうが、しっくりくるかなあ、という気がします。

書店にはすでにスワンソンの新作「8つの完璧な殺人』が並んでいます。
でも、この作品って、もとになっている8つのミステリー作品を読んでいないと、
楽しめないのかもしれませんね。
だとすると、予習が必要な作品ということになるのかもしれません。

いずれにしても、今後も、スワンソン作品、チェックしていきたいと思っています。


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僕が死んだあの森 カバー

さて、寒暖の差が激しいこの3月、またしても更新が滞り気味になってしまっています。
それだけ、ブログにするネタがないということにもなるわけですが、
なにも書かないわけにもいきませんので、今回は、
ここのところまた多くなってきた、本の紹介と感想を、アップしてみたいと思います。
取り上げるのはフランス人作家ピエール・ルメートルの『僕が死んだあの森』です。
この作品は、すでにハードカバー版が発売されていましたが、
昨年、念願の文庫化がなされたので、さっそく本屋さんに行って買ってきました。
(といっても、いつものことですが、買ってきたまま「積ん読」になっていて、
読み始めるまでにけっこう時間がかかってしまいました……)

ちなみに、ルメートルは、もうミステリは書かないといっているそうなので、
もしかすると、この『僕が死んだあの森』が、現時点で読める、
最後のルメール・ミステリーになるのかもしれません。
私としては、またヴェルーヴェン警部シリーズを再開してくれたらいいのにな、
なんて、思ってしまうのですが……。

というわけで、本作のストーリですが……。

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時は1999年、物語の舞台はフランスにあるボーヴァルという小さな森の中の村です。
主人公は、この村に住むアントワーヌ・クルタンという12歳の少年です。

アントワーヌは母のブランシェと二人暮らしをしています。
夫と離婚し、女手一つで息子を育てるブランシェは、なにかと息子の生活に干渉し、
事細かな決まりごとを押し付けます。
彼女はアントワーヌにペットの飼育を禁じ、さらには友達とゲームをすることも禁止します。
そのせいでアントワーヌは仲間から孤立し、
ひとり森の中で秘密基地を作るなどの遊びに没頭します。
また、孤独を紛らわすために、
隣家であるデスメット家の飼い犬、オデッセウスを溺愛します。

が、ある日、このオデッセウスが交通事故で瀕死の重傷を負ってしまいます。
もはやこの犬は助からないと思った飼い主のデスメット氏は、
無残にもオデッセウスを射殺してしまいます。
デスメット氏の行いの一部始終を見ていたアントワーヌは、
激しく号泣し、丹精を込めて作った秘密基地も、悲しみのあまり破壊してしまうのです。
が、この光景を、デスメット氏の息子であるレミが見ていました。
まだ6歳のレミは、アントワーヌを兄のように慕っていたのです。
が、アントワーヌは、オデッセウスを殺したレミの父親が許せず、まだ年端もいかぬレミに、
暴力を振るってしまいます。
その結果、レミは死んでしまいました。

倒れたレミの姿を見て我に返ったアントワーヌは、必死にレミを揺り起こそうとしますが、
レミはもう息を吹き返すことはありませんでした。
自分の行いに驚愕したアントワーヌは、レミの遺体を隠そうと画策します。
そして森のはずれにある穴に、冷たくなったレミを運び、放り込んだのです。
が、このとき、アントワーヌは、どこかでダイバーズウォッチを失くしてしまいます。

村に帰るとレミがいなくなったことで、デスメット家では大騒ぎになっていました。
その後、村をあげての捜索が開始され、
アントワーヌは、なんとか自分の罪から逃れようとするのですが……。
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表紙の帯には「12歳の少年の地獄めぐり」と書かれていますが、
そのキャッチコピーの通り、図らずもレミを殺してしまったアントワーヌの、
心の葛藤を中心に物語が進んでいきます。

さらに、アントワーヌの友人でありガキ大将でもあるテオ、
デスメット家とは反対側の隣家の娘エミリー、
母ブランシュの雇用主であるコワルスキー氏など、
さまざまなキャラクターが加わり、物語が重層的になっていきます。

僕が死んだあの森 裏表紙

とはいっても、その女アレックスのような緊迫感、スリル感まではないかもしれません。
物語は意外と淡々としていて、アントワーヌの苦悩を追うかたちで進んでいきます。

さらに物語は、2011年のパートに入り、最終的には2015年へと移ります。
青年に成長したアントワーヌに、少年期に犯した犯罪の影が忍び寄る、という感じです。
ですが、物語そのものに、大きなどんでん返しがあったりだとか、
予想外の結末に至る、というようなことはありません。
そのあたりを期待していると、ちょっと肩透かしを食うかもしれません。
最後に意外な人物が登場し、いままでのいきさつを語るのですが、
ミステリーとしては、いくらかストーリが弱いといえるかもしれませんね。

僕が死んだ〜背表紙

ちなみに、本作の設定というのは、読んでいて、
ピーター・スワンソンの「そしてミランダを殺す」を思い出させました。
ルメートルがスワンソンのアイデアを拝借したということはないと思いますが、
こういう類似って、どうしても出てくるものかなと思います。

○ ピエール・ルメートル 『僕が死んだあの森』の情報はコチラへ ~

いずれにしても、ルメートルが好きな私としては、
今後もまた、ミステリーを描いてほしいところです。


……と、いろいろと書きましたが、ルメートル好きには、楽しめる一冊かと思います。
長編といえどもさほど長くはないので、気楽に読めると思います。
ご興味をお持ちの方は、ぜひご一読いただければと思っています。


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ロトロポップ_2024

今年2024年の4月に開催予定だった『RETRO POP MONSTER』展Vol.2と、
続けて開催予定だった『行け!!、俺のロボ展 変形合体編』の開催時期が、
ふたたび延期、変更となってしまいました。
しかも、開催場所も変更となりましたので、
今回、当ブログでも、お知らせをしたいと思います。

すでに年賀状にて告知をさせていただいており、
楽しみにされていた方もいらっしゃるかと思いますが、
このような結果となり、私も驚くとともに、
みなさまにはたいへん申し訳なく思っております。

新しい開催日時は、以下のようになっておりますので、
見学を予定しておられた方は、恐れ入りますが、
新しく発表されたこの日時で、ご予定を組んでいただけましたら、
さいわいに存じます。

今回も、前回の渋谷東急ハンズ店での開催と同様、
多数のクリエイターさんが参加される予定です。
どうぞよろしくお願いいたします。

ARTイベント RETRO POP MONSTERS (レトロポップモンスターズ) Vol.2
会場:HOW HOUSE 東京都台東区谷中3丁目4-7
会期:2024年8月8日(木)~8月18日(日)11:00~17:00 ※月火水はお休み

ゆけ!! 俺のロボ展 変形・合体編
会場:HOW HOUSE 東京都台東区谷中3丁目4-7
会期:2024年8月20日(火)~9月1日(日)

今回は、日程だけでなく、
開催場所も、谷中のHOW HOUSEさまに変更となっておりますので、
ご見学を予定の方には、たいへん恐縮ですが、
開催場所をお間違えにならないよう、お願い申し上げます。

○ HOW HOUSEさまの情報はコチラです。公式サイト ~

今度こそ開催されると、私も期待をしておりますので、
みなさま、どうぞよろしくお願いいたします。
(作品自体はすでに出来上がっています)

本ブログに掲載のイラストには著作権があります。
無断使用等はご遠慮ください。


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