合成イラスト

池田書店さまより、今年6月に発売された、
『新しい腸の教科書 健康なカラダは、すべて腸から始まる』の、
表紙装丁イラスト、および中面のメディカルイラストレーション全10点を、
担当させていただきました。
この書籍の著者は、カリスマ胃腸専門医として知られる、江田証先生という方で、
昨日、TBS系列で放送された『この差って何ですか?』にも、出演されていました。
(番組内でも、先生のお書きになった他の書籍も含め、本書も映っていました)

また、本書籍『新しい腸の教科書』も、売り上げがたいへん好調で、
発売から4カ月余りにもかかわらず、すでに7刷、50,000部に達したとのことです。
(好評を博している書籍として、業界紙文化通信にも掲載されました)
短期間のうちに50,000部も売り上げるというのは、まさに大ヒットで、
イラストを担当させていただいた私としても、たいへんうれしく、
また、光栄に思う次第です。

○ 池田書店さま 新しい腸の教科書 健康なカラダは、すべて腸からはじまる ~

今回、江田先生が番組に出演され、書影が放送されたことで、
さらに飛躍的に、本書の売り上げが、伸びるのではと思っています。
腸の状態を気にかけていらっしゃる方、また、腸に限らず、日々の健康に、
関心をお持ちの方には、ぜひ、手に取っていただきたいと思っています。

小腸の図

さて、本書では、まずはじめに、
中面に掲載のメディカルイラストレーションから製作をはじめました。
今回は、腸の教科書、と銘打たれた書物ですので、いうまでもなく、
腸をはじめとした、各臓器のイラストレーションを描くこととなりました。
が、私個人としては、腸のイラストというのは、さまざまなメディカルイラストレーションのなかでも、
ちょっと苦手な部類に入るかもしれません。
というのも、腸は、いうまでもなく、グネグネと複雑にのたくっていますし、
また、色的にも単調で、美しく仕上げるのが、なかなか難しい部位でもあります。

また、製作に関しても、表紙想定イラストを含め、
腸を斜めから見た状態のものがあり、非常に難儀しました。
というのも、医学書などの書籍には、腸を正面から見た図しかなく、
斜めアングルの資料というのは、極めて乏しいのです。
仕方なく、海外のサイトなどを参考に、また、腸の側面図などを見て、
状態を想像しつつ、作画しました。

腸側面図

もちろん、正確を期す意味で、下書きの鉛筆スケッチを起こし、
監修を受けつつの作業となりました。
(下書きを作らず、いきなり作画ししまうことも多々あります)

腸管カットモデル図

また、腸内を切断してみせる構造図や、
絨毛の構造図などは、Shade3Dを使って、基本の立体物を作り、
その後、ペイントソフトで仕上げるという方法をとりました。
うえのイラストでは、基本的な構造部分はShade3Dを使って製作されています。
細部の表現やハイライト表現などは、ペンタブレットで描かれています。
Shade3Dのマルチパスレンダリングを使うと、各部の選択範囲をとることが容易で、
重宝します。

腸の内壁拡大図

絨毛構造図

こちらのふたつも、Shade3Dによるモデリング、レンダリング、
その後の加筆、という方法で作画しています。
この方法を用いることで、正確なパースと、陰影を正確に知ることができ、
後の仕上がりにおいても、差が出るかと思います。
(ただ、後に加筆にすることを前提にしていますので、
モデリング自体は、かなり粗い状態で作っています)

新しい腸の教科書表紙

表紙のイラストは、モデルさんの写真との合成というかたちになりました。
モデルさんの写真はあらかじめ用意されていましたので、そのアングルに合うよう、
イラストを合わせるというかたちになります。
というのも、同じアングルの資料などなく、こちらも、最初の鉛筆スケッチの段階で、
いろいろと苦労しました。

また、このイラストは、中面仕様の各メディカルイラストレーションよりも、
もう少し明るく、さわやかに仕上げたいという意向もいただきました。
ですので、かなりトーンを上げ、グロテスクな印象を持たれないよう配慮しました。
(実物らしい色にこだわるよりも、イメージ優先という感じです)
かといって、リアル感も失われないようにしたつもりです。

モデルさんに薄く輪郭線を入れることで、写真とイラストとのあいだに、
一種の統一性のようのものが生まれ、違和感がなくなったと思っています。

胃の内面

今回は、ちょっとひさしぶりのメディカルイラストレーション製作となり、
ちょっと感覚が鈍ったかも、と思う場面も多々ありましたが、こうして無事書籍となり、
また、好評を博していることに、気持ちも高ぶっています。

腸の全景図

今後もまた、同様のお仕事をする機会も、多数あるかと思いますので、
ひきつづき、精進を続けていきたいと思っています。


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ポスター用イラスト

さて、気がつけば三月も半ばを過ぎてしまいました。
すでに2019年が始まって、3ヶ月近くも経過したことになるんですね。
ついこのまえ、年が明けたと思ったのに、いやはや、
なんとも月日の経つのは早いものです。
ちなみに私は、ここのところは、仕事ではない諸事情でちょっとバタバタしており、
そのせいで、いよいよ春になってきたというのに、お出かけすることもなく、
休日もずっと、ほぼ家に引きこもっています。
ですが、暖かくて過ごしやすい時期になってきたので、近いうちに、
MINIで出掛けられたらいいな、なんて、思っています。

もっとも、そのまえに、MINIはオイル交換しないといけませんし、
今年は、昨年の猛暑の影響なのか、花粉の飛散がすごいそうで、
そのあたりも、ちょっと注意しないと、いけないのかもしれません。
(ちなみに私は、花粉症ではありません)

というわけで、今回は、ひさしぶりにイラストネタをアップしたいと思います。
なにしろ、掲載のご許可をいただけたということで、今回は、
デンソーさんのポスターについて、少しご紹介したいと思います。
(もっと早い時期にご紹介をしたかったのですが、バタバタしているうちに、
いまになってしまいました。すみません)

こちらはデンソーさんで行われている社内コンテストの募集告知のポスターになります。
卵をイメージしたメカを、ということで、このようなかたちになりました。

当初は、クールな未来系メカでいくのか、歯車やパイプが密集するレトロなメカでいくのか、
そのあたりについては、定まっていませんでした。
ですので、双方のイメージをまずは鉛筆スケッチで起こして、
確認をとりつつ、作業をすすめるかたちにしました。

ラフ案01

こちらが初期の鉛筆スケッチ案です。
3DCGといえども、最初の鉛筆スケッチは避けて通れないという感じです。
自分でオリジナル作品を作るときであっても、鉛筆のスケッチは、
やはり必要なんですよね。
制作環境がデジタル化されても、直接、手からダイレクトに描く、
ということは、必要なのだと思います。

ラフ案02

それにしても、こういうレトロ系メカも、機構が剥き出しで、
ビジュアル的に面白みがありますよね。
今度、もし時間があったら、オリジナル作品として、作ってみたいものです。

ラフ案03

レトロメカの一方で、近未来的な卵型のメカという案も、描いてみました。
今回のコンテストは、夢卵(ムーラン)というタイトルがついていますので、
卵型というのは、どうしても入れておきたい案とのことで、こうしたものも、
作画することとなりました。
さらにもう一案、卵型のメカがあったのですが、こちらの案に決定しました。
ですが、さらに、みなさまのご意見やご要望を聞き、再度、この案を発展させる形で、
ラフを起こしてみました。

最終ラフ案

というわけで、基本のデザインが決定したところで、
それをベースに、さらに先方さまのご要望を聞き、新たなラフを起こしました。
このラフが、最終的な決定稿となりました。

その後は、モデリングがスタートするわけですが、
今回も、Shade3Dにて、制作していきます。
いつものように、ポリゴンモデルを使って作っていくわけですが……。

以前は、一定程度、自由曲面で形状を作って、それをポリゴンに変換して、
形状を固めていくという感じだったんですが、ここのところは、
いきなりポリゴンでモデリングしていくというやり方になっています。
ただ、その方法だと、なにもShadeを使う理由ってないんですよね。
とはいえ、ここのところ、ほんとうに、自由曲面を使うということが、
なくなってしまいました。

メカ単体

というわけで、モデリングが完了し、いざレンダリングをと思ったのですが。
IBLレンダリングにすると、面のエッジ部分に、不正な影が出てしまいました。
通常のレイトレ、パストレなら、そんな影は出ないんですが。
かといって、IBLのレンダリング品質は欲しいですし、この問題は、
ほんとうに悩ましいものでした。
(というより、私が、Shadeの特性を知らなさすぎるのかもしれませんが)

仕方がないので、とりあえず、後の画像処理でなんとかしようと思ったのですが、
なんと、この直後、Macが不調に陥り、なんともならない状態に。
( Macの予期せぬ不調は、ほんとうに恐ろしいです)
デジタル環境での制作って、こういうことがあるので、いろいろと気を揉みます。
(アナログ手法だと、そんなことはないんですが)

そんな、なんだかんだと問題があったのですが、なんとか無事に、
納品を果たすことができました。
ほんとうに、ほっとしました。
ですが、制作中に予期せぬことが連発したため、各所で、
ああしたかったとか、こうしたかったとか、そのような、心残りが、
できてしまったことも否めません。

印刷物

B全ポスターの他にも、さまざまな媒体で使っていただきました。
活用していただけることは、うれしいことです。

いずれにしても、このような、架空メカのイラストを仕上げるのは、
最初のスケッチの段階から、とても楽しいものでした。
また、こうしたお仕事をいただけたらと、思ってしまいます。



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チンニング

昨年の年末に、成美堂出版さまから発売された、
『筋トレのための人体解剖図』のイラストを担当させていただきました。
じつは、この書籍のためのイラストを手掛け始めたのは、2013年の2月からです。
そんなわけで、出版まで、いわばほぼ5年に近い時間がかかったわけで、
その間には、長い中断があったりと、さまざまなことがありました。
一時期は、もう出版されないのではないか、と心配することもありましたが、
いまようやく、ひとつのかたちになり、とてもほっとしています。

とはいえ、制作が長期に渡ったがゆえ、
イラストを描き始めた当初のものと、最後に納品したものとでは、
技術的な面や、制作上の手順などが、否応なく大きく変わってきたりしており、
そのため、初期の作品については、いま見ると、いっそのこと、
すべて描き直してしまいたいと思うものも、少なからずあります。

加えて、私は、筋トレについては、まったく知識がなく、
また、こうした動的表現のあるイラストについても、経験がありませんでした。
もちろん、いままで多数のメディカルイラストレーションを手掛けてきましたが、
それらのポーズは、おしなべて直立状態で、また、アングルについても、
正面図、背面図、側面図などと、あらかじめほぼ決まっているため、
今回のイラストは、未経験の部分がとても多かったです。

デッドリフト

筋の表現については、体表が透けて、内部が見えているような、
それでいて、強調する筋は濃く、関連しつつも無関係な筋は薄く、と、
描き分けています。

また、いつものことですが、グロテスクな印象や、気持ち悪いといった、
不快な状態に見えないように、色などについても気配りをしたつもりです。

作画にさいしての資料は、豊富とはいえず、特定のポーズをとったさいに、
各部の筋肉が、どのように、動作、連動するのかについても、まるでわかりませんでした。
というわけで、多くの部分が、手探りでの作業となったわけですが、
先にも述べたように、長期の中断を余儀なくされたり、と、
とにかく、制作についても、また、それ以外の面でも、難儀した案件でした。

筋肉の資料として、ご用意をいただいたものが、
フレデリック・ドラヴィエ、というイラストレーターが、
解説用の挿絵を描いている、二冊の書籍のPDF資料です。
ですが、ドラヴィエのイラストは、とても巧みに描かれているものの、
男性は極めてマッチョな体型となっており、
また、この方独特の『濃い目のタッチ』もあって、
そのまま資料とするには、少し不安も感じることもありました。
(しかも、今回のイラストは、マッチョにはせず、比較的細身の雰囲気で、
作画するよう、ご指示をいただいておりました)

そんななか、筋の動きとポーズについて、とてもよい資料を発見しました。

スカルプターのための美術解剖学

それがこちらです。
以前、当ブログでも紹介をさせていただいた、
『スカルプターノための美術解剖学』という書籍です。

腕を上げた時の脇の下の筋肉の状態など、どうなっているのか、
さっぱりわからなかったのですが、この本のおかげで、
なんとか、知ることができました。
amazonでも極めて高い評価を得ているようですが、まさに、
そのとおりの本だと私も思います。
決して安価な書籍ではないのですが、私にとっては、
それでも、安い買い物だったと思います。

内腹斜筋

ちなみに、今回の『筋トレのための人体解剖図』では、
筋トレ状態の図のほか、筋肉の解説図も、
部位によって多数描かせていただきました。
こうしたイラストは、以前から幾度となく手掛けており、
なれているといえるかもしれませんが…。

挙上下制

こうした、線画についても、今回は手掛けさせていただきました。
ですので、総イラスト点数は、かなり膨大なものとなります。
もちろん今回も、複数のイラストレーターで、点数を分担していますが、
私のイラストが、大部分を占めているかと思います。

本書の現物が、まだ手元に届いていないため、断言はできませんが、
(じつは私も、本書を書店の店頭で立ち読みしているだけなのです)
本書籍には、写真の掲載はなく、すべてイラストで解説されています。
筋トレに関する書籍では、多くのものが、
トレーニング中の写真などを掲載しているかと思いますので、
こうした、イラストのみの筋トレ書籍というのは、かなり珍しいかもしれません。

バレーボール状態

このような、スポーツ状態図も複数点、手掛けました。
当初は、簡素な線画になる予定でしたが、トレーニング図とタッチやテイストを
合わせるということになりました。
このほかに、野球、サッカー、ゴルフなどの図を制作しましたが、
筋の状態を推察しつつ描くのは、とても難しいことでした。

筋トレのための人体解剖図

それにしても、今回は、案件の完遂までに、途中の中断などで、
とても時間がかかってしまったことや、また、私自身の技術不足、力不足もあって、
いろいろと課題も感じるものとなりました。
まだまだ、発展途上かと思いますし、知識も技術も、足りないと痛感しています。

○ 筋トレのための人体解剖図 / amazon はコチラへ

これを糧に、もういちど、自らの技術を見直し、もっとよりわかりやすく、
品質の良いものが描けるようにならないとと、思うばかりです。



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掲載ページ1

先月、朝日新聞出版さまより発売された、
『さする&伸ばすで痛みを解消! 筋膜ストレッチ』という書籍の、
イラスト (全12点) を担当させていただきました。
この書籍は、いわゆる筋トレを指南するといったものではなく、
肩こり、腰痛、また、ひざや腕の痛みなどを、
それぞれに対応した簡単な体操 (筋膜リリースメソッド) を行うことにより、
解消させることを目的としたものとなっています。

本書は、それら体操の方法などを、モデルさんを使った写真によって、
詳しく、しかも、やさしく解説しており、老若男女を問わず、
どなたでもご利用いただけるものとなっています。

今回、私が担当させていただいたのは、
写真では解説ができない、全身の筋の詳細図です。
このような筋肉の解説図については、各種の医学書、
筋肉トレーニング解説書において、すでに何度も描いているので、
とりたてて悩むこともなく、スムーズに作業できました。
また、手元には資料もほぼそろっており、
こうした点に置いても、迅速に対応ができました。

正面人体

ただ、同様のイラストを、各所で多数描いており、
それらはどれも似たり寄ったりになってしまい、
できれば、少しタッチを変えて描きたいところなのですが、
そのあたりは、なかなか難しいところです。
(同じ人間が、同じアングルの同一画を描くわけですから、
 似るのはあたりまえといえば、当たり前なのですが…)

背面人体

かといって、自分らしい色の使い方や、グロテスクにならない表現方法などは、
積極的に出したい部分でもありますし、なにかと悩ましい部分です。

また今回は、あらかじめ輪郭線をひいておく、
という描き方で、作画しました。
本来であれば、輪郭線は引かず、
筋そのものの陰影を描くことによって、立体感を表現したいところなのですが、
その方法は、リアル感は出せるものの、作画には時間がかかってしまい、
今回は納期や予算の都合で、輪郭線方式をとることになりました。

頭部の筋肉

筋表面に走る微妙なライン状の凹凸は、いつも表現に苦労する部分でもあります。
今回は、ここ最近多用している、いったん引いたラインを指先ツールでぼかす、
という方法で、描画しています。
このあたりの作画方法は、まだまだ試行錯誤が続いており、
今後も変わっていくかと思います。

本書はすでに本屋さんの店頭に並んでいますので、
ぜひ、お手に取っていただいて、中身を確かめていただければ、と思っています。

筋膜ストレッチ

詳しい情報は、コチラでもご覧いただけます。
肩こりや腰痛に悩む方にとっては、お役たてていただけると思います。

筋膜ストレッチ中面

○ 朝日新聞出版 / さする&伸ばすで痛みを解消 筋膜ストレッチ

もちろん、amazonなどのネット書店でも発売されていますので、
そちらもご覧いただければ、うれしいです。
また、本ブログに掲載の各イラストには著作権があります。
無断使用はご遠慮くださいますよう、お願い申し上げます。

最後になりましたが、今回、出版社、編集制作会社のみなさまには、
たいへんお世話になりました。
この場を借りて、厚く御礼申し上げます。



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掲載ページ

年が明けてから、ちょっとバタバタしていて、
ブログへの記事アップもままならないまま、
気がつけば、早いもので1月も半分以上が過ぎ去ってしまいました。
そんなわけで、なにをいまさら、という感じですが、
本年も、当ブログ『K's BAR』をどうぞよろしくお願いいたします。

いつもなら、新年の最初の話題は、
初詣の様子などを書いていたかと思いますが、
もはやすでにそんな時期でもありませんし、そもそも今年の年末年始は、
例年にない暖かい日が続き、お正月の気分にさえもなれませんでした。
大晦日の日には高山に帰りましたが、道中、どこにも雪の姿はなく、
今年は、ちょっと異常といえるほどの暖冬のようです。
そんな状態のうえに、昨年夏より、
南の岐阜市に仕事と生活の拠点を移しているので、
これまで感じていた冬の厳しさなどまったくなく、
なんとも調子が狂う、といった感じです。

いずれにしろ、雪国にいた私にとって、雪がない、というのは、
なによりありがたいことですが、やはり、季節感が感じられないのは、
少しさみしいのかもしれません。

などと思っていたら、いきなり、それまでの暖冬がウソのように、
冬らしい寒い日が続くようになり、ここ岐阜でも、
つい先日は、まとまった積雪を見ることになりました。
とはいっても、冬の厳しさは、ここ岐阜では、やはりさほどではなく、
積もった雪も、そのほとんどが一日のうちに溶けてしまいました。

トップページ

…と、前置きがずいぶん長くなってしまいましたが、
今回は、名古屋のデザイン事務所『オフサイド』さんのサイトが、
今年の1月1日にリニューアルされ、それにともない、
私に関する記事を、連載で掲載していただくこととなりましたので、
今回は、そのご紹介を、こちらで、少しさせていただきたいと思います。

○ オフサイドさんのサイトはコチラへ

かつて、このオフサイドさんには、
イマージュさんという、レンタルストックフォト部門があり、
そこでは、D-GALLERY (ディー ギャラリー) という、
デジタルイラストに特化したカタログ本を、シリーズ化して発刊していました。

レンタルストックフォトというと、一般の方には、
まったく馴染みがないと思いますが、簡単にいうと、
写真やイラストの『使用権』を販売するというビジネスです。

広告には、かならずといっていいほど、
写真やイラストといった、ビジュアル要素が使われますが、
これら写真やイラストを、新規に、カメラマンやイラストレーターにお願いすると、
どうしても、撮影料や制作料が高くなってしいまいます。
ですが、すでにある既存の写真やイラストを使うことができれば、
コストを低くしたまま、広告を制作することができるわけです。

たとえば、家族のイメージ写真がほしいとき、
モデルを複数雇い、さらにカメラマンに撮影をお願いしていたら、
とても高いコストとなってしまいます。
ですが、既存の家族写真を、その使用権利料だけを支払って、
広告に使うとすれば、グッと制作コストを下げられます。

そのため、ストックフォトを扱う会社は、自社の扱っている写真やイラストを、
カタログとして製本し、各地の広告代理店、デザイン事務所、
印刷会社に配布していました。
そのカタログを見たデザイナーが、
掲載の写真やイラストを広告に使用したいとなったときは、
まずストックフォト会社に連絡を取り、規定の使用料を支払って、
写真やイラストのポジフィルムを借りる、というかたちになっていました。

ですので、このビジネス自体を『レンタルポジ』あるいは『レンポジ』などと、
呼ぶことも多かったと思います。

D-ギャラリー全册

イマージュさんのD-GALLERYというカタログは、
1997年ころより出されたものですが、発刊にあたっては、
作品の募集があり、私もそれに応じるかたちで、
ある程度まとまった数の作品を、納めさせていただくこととなりました。

こうして、さまざまな作家さんの作品が、イマージュさんに寄せられ、
イマージュさんは、それら作品をひとつにまとめてカタログ化し、
それを、各地の広告代理店、デザイン事務所、印刷会社などに配布しました。

Dギャラリー作品3

作品を納めた当初は、どれほどレンタルされるのかは未知数で、
それほど大きな期待はしていなかったのですが、実際には、
たいへんよく売れ、私としても、
それまで趣味的な要素のほうが強かった3DCGで、
はじめてまとまった金額の報酬をいただくこととなりました。

Dギャラリー作品01

とくにこの飛行船の作品は最大のヒットで、
極めて長い期間に渡って、かなりの貸し出し数となりました。

Dギャラリー作品2

このD-GALLERYの成功がなかったら、
私は、3Dをここまでやってこられなかったと思います。

歳時記-ギャラリー全册

その後、D-GALLERYは一年に一回発行されるようになり、
また、それと平行して、歳時記シリーズや、
人物(ヒトモノ)シリーズなども発行され、それぞれに、
作品を納めさせていただきました。

これらの詳しい経緯については、オフサイドさんのサイトの、
『実験室』というコーナーで、連載記事として、
私のインタビューとともに、詳しく取り上げられていますので、
もしよろしかったら、一度、目を通していただけると、うれしいです。

○ オフサイドさんの『実験室』トップページ

私のインタビュー記事は、Dギャラリ−アーカイブの01から04ですが、
記事自体は、00から始まっていますので、もしよろしければ、
この00からお読みいただいたほうが、
より、内容を詳しくおわかりいただけるかと思います。

インタビューを受けたのは、昨年の11月だったと思いますが、
このとき、私の頭はボサボサ状態で
(ボサボサがデフォルト状態になっていますが…)
もうちょっとなんとかしたほうがいいんじゃないかという状態だったんですが、
とても上手に、写真を撮っていただけて、ホッとしました。

当初、D-ギャラリーのイラストはポジフィルムで貸し出されていましたが、
その後、データでの貸し出しとなるなど、その形体を変えていきました。

そんな時代の変化の中で、ストックフォトはダウンロードへの時代へと移行し、
カタログを使ってのレンタル事業というのは、やがて下火となっていきました。
そしてやがては、Dギャラリーシリーズも含め、
オフサイドさんのレンタルストックフォト部門であったイマージュさんも、
また、多くのレンタルストックフォトエージェンシーも、
その役割を終えることとなりました。

いずれにしましても、今回、インタビュー記事を制作してくださった、
Mさま、写真を撮影してくださったMさま、
また、社長に就任したKクン(専門学校時代のクラスメートです)、
みなさまに、たいへんお世話になりました。

この場を借りて、厚く御礼申し上げます。



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