組み付け状態

一年ほど前でしょうか、テレビのニュースなどで、
3Dプリンターの将来性や問題点を、よく取り上げていたように思いますが、
ここ最近は、そのような話題に接することも、あまりなくなったように思います。
つまりそれだけ、3Dプリンターが社会に浸透した、ということかもしれません。
とはいえ、私にとっては、Shade 3Dで3DCGの製作などをしつつも、
3Dプリンターについて、身近には感じられることは、まったくありませんでした。

というのも、私自身は、3Dでの製作物というのは、
レンダリングして「絵」にするものであり、それを実際に形状化させる、
ということについては、あまり大きな関心がなかったのです。
加えて、雑誌などで、実際に3Dプリントされた物体を見ると、
積層跡がくっきりとついた、とても美しいといえるようなものではなく、
それでいて、3Dプリンター自体も、プリントサービスも、ともに高価なイメージがあり、
こうした、決して品質の高くないものに、お金を出すのは,
あまり適切ではないと考えてもいました。

ですが、先日、DMM.makeさんのサイトで、
3Dデータをアップロードするだけで、比較的安価で、3Dプリントして宅配してくれる、
というサービスがあることを知り、俄然、3Dプリント、3Dプリンター、に、
興味を覚えるようになりました。

○ DMM.make 3Dプリントサービスはコチラ ~

しかも、DMM.makeさんのサイトでは、詳細な3D造形の解説ページがあり、
そのなかには、Shade3Dを使ってのデータの作り方、エクスポートの仕方が、
動画で紹介されています。
(もちろん、Shadeの以外の3Dソフトの使い方も紹介されています)
これらの動画を参考にすれば、だれでも3Dデータが作れることになります。

折しも、私がただいま製作しているプラモデルで、
一部のパーツに、ちょっとした不満があり、
もし可能であればオリジナルのパーツを作りたいな、と、
まさに思っているところでした。
DMMの3Dプリントは、もしかすると、
そんな要求に応えてくれるかもしれない、と、いやがうえにも期待は高まりました。

エレールのファーガソン

こちらがその件のプラモデルです。
フランスのエレールというメーカーが、今年になって発売した、
『ファーガソン TE-20』という、農耕用トラクターの1/24スケールのキットです。
農耕用トラクターというのは、クルマや、戦車、飛行機のように、
人気が見込めないためか、いままで、あまりプラキット化されることがなかったのですが、
こうしたマイナーなモノが好きな私には、まさに、待ちに待った商品でもありました。

なにしろ、トラクターはエンジンが剥き出し!。
メカニカルな面白さにあふれています。
しかも、このファーガソンTE-20は、ビンテージな農耕用トラクターだけに、
レトロなデザインも魅力です。

というわけで、発売されるや否や、
すぐに模型ショップ『タムタム』に行って買ってきたのですが、
キットに付属していたタイヤは、当然のことなのでしょうが、
軟質樹脂 (可塑剤を加えてやわらかくしたプラスチック) 製となっていました。

海外製のプラモデルに使われている軟質樹脂には、苦い思い出があります。
イタリアのプラモデルメーカーである『イタレリ』社が発売していた、
ドイツ軍の軍用トラック『オペル・ブリッツ』も、
今回と同様の軟質樹脂製タイヤがセットされていましたが
この軟質樹脂は、長い時間が経過すると、プラスチックを溶かしてしまう、
まさに『くせ者』でした。
そんなわけで、私が作ったオペル・ブリッツは、
製作数年後には、タイヤがプラスチック製のホイールを溶かしてしまい、
見るも無惨な状態になってしまったのです。

もちろん、すべての軟質樹脂がプラを溶かすわけではないですし、
いまでは、メーカー側もトラブル回避の配慮しているはずです。
なので、それほど神経質になることはないのかもしれませんが、それでもやはり、
キット付属の軟質樹脂製タイヤを使うことには、気が引けてしまいます。

しかも、エレール製のファーガソンのタイヤは、形状自体もいまひとつよくありません。
ですので、このタイヤを、Shade3Dでモデリングし、
3Dプリントしたらどうか、と、思うようになりました。

Shade画面

というわけで、さっそくモデリングしてみます。
モデリングの方法は、もちろん、ポリゴンモデリングで、
サブディブジョンサーフェイスを使って形状作成していきました。
が、ここで、3Dプリント用に作るモデリングデータというのは、
いままで作っていたデータと製作上、いろいろと留意点が違うことに気がつきます。

まず、サイズや寸法に気をつけること。
なにしろ既存のプラモデルのパーツに組み付けるのですから、
きちんと寸法に気を配っておかなくてはなりません。

また、四つのタイヤを、
ひとつのモデリングデータ (ポリゴンメッシュ) にしてしまうことも必要です。
すなわち、ランナーでひとつに結んでしまうのです。
これで、たとえ複数パーツからなるモデリングデータでも、1パーツ、ということになります。

このとき、ランナーに、ヘッドライトのパーツも付け加えてみました。
(キット付属のライトは、開口されていないため、モデリングして付け加えました)

当初は、タイヤも含め、ホイルも一体でモデリングしていたのですが、
3Dプリント料金が高くなるため、この方法はやめました。

こうして、モデリングが完了すると、それをより細かなポリゴンに分割し、
3Dプリンタ用に適した保存形式であるSTL形式にして、エクスポートします。

それをDMM.makeのサイトにアップロードします。
そうすると、実際にプリント可能かどうか、エラーがないかどうか、等を、
チェックしてくれます。
もし問題がなければ、その旨のメールが届きます。

DMMサイト

というわけで、見事問題ナシ。
3Dプリントに移るわけですが、そのさいに、プリントされる材質を、
選ぶことができます。

そこで愕然。プリントされる材質によって、ものすごく値段が違います。
金属材質でのプリントは高くてもある程度理解できますが、
当初予定していたアクリルでのプリントも、7,000円を超えるものとなっており、
(これでは、ファーガソンのキットよりも高くついてしまいます)
結局、最も安いナイロンで出力してもらうことにしました。

ただ、ナイロンは、表面がざらざらになるとのことなので、
ナイロン(磨き)を選択し、プリント注文をしたのですが…。

ここでトラブル。ナイロン(磨き)を選択すると、パーツの厚みが足りない、
ということで、DMMからプリントを強制キャンセルされました。

というわけで、少しばかりデータを修正し、
材質を、磨きのないただのナイロンに選び直しました。
そうすると、DMMから、無事、プリントOKのお知らせが届きました。
はじめての3Dプリント、やっぱりすんなりとはいきませんね。
そして待つことおよそ5日。宅急便で3Dプリントされた現物が届きました。
はたして、うまくプリントされたのか、もう、ドキドキです。

届いたパーツ

これがその3Dプリントされた、1/20ファーガソンTE-20の前後輪タイヤセットです。
Shade3Dというアプリケーションのなかでしか存在しなかったものが…、
モニター画面のなかでしか見られなかったものが、
実際に手に取れる状態になったことは、驚きであり、感動でもあります。
すごい!、すごいぞ3Dプリンターって感じです。

パターンもしっかりと

ナイロンで3Dプリントされたものは、
陶器のようにカッチカチに硬いと聞いていたのですが、
実際にプリントされたものを手に取ると、
陶器のような雰囲気は感じられず、また軽いものでした。
ただ、たしかに、柔らかさや軟質感はまったくありません。

3Dプリンターでの再現度の問題もあったので、
タイヤ自体の細かなディティール (メーカーロゴ刻印) などは、
すべてオミットしています。

キットのホイルに嵌めてみる

後輪の内径は、少し寸法を小さめにしたため、
(キット付属のプラ製ホイルと、タイヤとのあいだに、
 不自然な隙間を出したくなかったためです)
嵌め合わせは、とてもタイトになってしまいました。

というわけで、タイヤの内径を少し削ったのですが、
このナイロンという材質というのは、
サンドペーパーによる研磨が極めてしづらく、けっこう苦労しました。
そんなわけで、ホイルのほうも少しペーパーでならしつつ、何度も借り組みを繰り返し、
ようやく、うまく収まるように調整しました。

3Dプリントのタイヤ

これが、3Dプリントタイヤと、キット付属のホイルと組んだ状態です。
キット付属の軟質樹脂製後輪タイヤより、新造した3Dプリンタ品のほうが、
断然かっこいい、と、自分としては思っています。

ただ、当初懸念した、表面のざらざら感や、
3Dプリンターならではの積層跡は、どうしても入ってしまいます。

今後は、このうえにサーフェイサーを吹き付けてペーパーがけするなどして、
この積層跡を消さなくてはなりません。
もっとも、表面のざらざら感については、タイヤという質感を再現するのであれば、
それほど悪い影響を与えていないようです。

それにしても、このナイロン (ポリアミド) という素材に、
サーフェイサーを吹き付けても、だいじょうぶなのでしょうか…。
ちょっと心配なところです。

ナイロンで出力

前輪については、
過度のタイトさはなく、それでいて、ぴったりとホイルに嵌まりました。

申し遅れましたが、このエレールのファーガソンのキット、
タイヤの材質や形状に不安や不満はあるものの、キットそのものの出来は、
とてもいいものです。

まあ、組み立て説明書に間違いがあったり、
前輪が最大車幅状態でしか組めなかったりと、ときどき、
おやっ?、と思うこともありますが、パーツの合いもカチッと決まりますし、
ペダル類まで細かく細かくしてありますし、
多少の欠点はあっても、途中で気にならなくなるほど、すばらしいものです。

ディティールアップ

しかも、手を加えるところも満載。
とくにエンジンのプラグコードなどは、ぜひともディテールアップしたいところですし、
こういうユーザー側で自由にいじれる部分が残っていることも、
このキットのよいところという感じがします。

フロントビュー

それにしても、トラクターってかっこいいですネ。
今後は、少し古びたようにウェザリングして、
ゆくゆくは農場ジオラマにしたいと思っています。
こうした農機や重機が、今後もキット化されることを、切に望みます。

ちなみに、今回3Dプリントしたパーツは、
DMM.makeのクリエイターズマーケットで、販売することにしました。

マイショップ画面

こちらが、私の販売サイトです。
なにしろ3Dプリントを始めたばかりなので、商品が、
このタイヤセットのみなのですが、
今後もできれば、こうした、プラモデル製作のアシストパーツを、
3Dプリント用データとして作っていき、販売していければ、と思っています。

○ DMM.make 『noba-ken Model』サイトページ ~

まだ商品が、このタイヤセットひとつしかないため、なんとも、
寂しい限りなのですが、今後は、できれば、
もっと商品を増やしていきたいな、などと、夢見ています。

今回はトラクターのタイヤでしたが、1/35ドラゴンワゴンのタイヤとか、
はたまた、M4シャーマンのライトガードセットなんて、できたらいいな、
と、思っています。



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F1-2000俯瞰図

私が使っている3DCGのソフトは、
Shade 3Dというものなのですが、このShadeは、基本的に、
adobeイラストレーターと同じような、ベジェ曲線によってラインを調整して、
意図した形状を作成するものとなっています。

こうした、ベジェ曲線によって構築された面や立方体を、
Shadeでは『自由曲面』と呼び、その名が示すように、
自由度の高い形状作成を成し遂げるものとして、長いあいだ、
Shadeの基本となるモデリング機能を担ってきました。

○ 3DCGソフトウェア Shade 3D

ベジェ曲線は他のグラフィック系ソフトでも広く使用されており、
それらの操作に慣れた人にとっては、このShadeも、
いかにも扱いやすそうな印象を持ってしまいます。

ですが、自由曲面を使ってのモデリングは、
私が考えるところ、ベジェ曲線に慣れ親しんでいたとしても、
かなり制約があり、また、扱いにはクセがあると感じています。

なにしろ、自由曲面で作る立体は、
始点や末端で、線形状を収束させて閉じなければならないこともあり、
また、ベジェによる微妙な立体のコントロールは、
予期せぬシワを生むことになることも多いです。
こうしたシワは、いったん発生してしまうと消すのが難しく、そのために、
延々とベジェ曲線のコントロールポイントを調整しなければならない、
ということもあります。
また、穴開けのような作業も不得意で、
疑似ブーリアン演算 (実際に穴が空いていなくとも、レンダリング時に
穴が空いているように見せる方法) に頼ることも、多々あります。

もっとも、自由曲面を駆使して、
すばらしい作品やモデリングを行うかたは、数多くいらっしゃいます。
こうした方々は、まさに自由曲面マスターであり、おそらくは、
独自のノウハウやテクニックを持っていらっしゃるのだと思います。
ですが、私は、なかなかそのワザを極めることができませんでした。

いずれにしても、Shadeを開発している側でも、
自由曲面の弱点はある程度認めているようで、
そのため、近年のShadeでは、ポリゴンによるモデリング機能の強化も、
順次、計られてきました。
とくに、Shade ver12からは、インターフェイスも一新され、
ポリゴンモデリング機能も、自由曲面と同等のウエイトが置かれているかのような、
そんな印象があります。

マニュアル画面

ですが、Shade付属のマニュアルを見ても、別売の指南本などを見ても、
(Shadeの指南本は最近少なくなっていますが…)
ポリゴンモデリングの解説はあまりにも簡単で、素っ気ないものです。
少なくとも私には、まったくのチンプンカンプンです。
やはり、Shadeは自由曲面でモノを作るソフトだから、自由曲面をメインに使え、
ということなのでしょうか…。

Shade指南本でポリゴンモデリングの解説をしたら、
それこそ、Shadeというソフトの特性を否定してしまうことになるかもしれませんし、
そういうことは、ポリゴンについて解説した他の指南本を見ろ、
ということなのかもしれません。

ですが、Shadeにおけるポリゴンモデリング機能の、
実際の作例などを交えつつの詳しい解説が欲しい、と持っていらっしゃる方は、
私のほかにも、いらっしゃるんじゃないかと思います。

そんなわけで、Shadeのポリゴンモデリングの取っ掛かりとして、
私が選んだのは、Ustreamで公開されていた、ふじいたいよう先生の、
Shade講座です。
この講座は、実際にポリゴンを使って、
戦闘機を作りながら解説するという、極めて貴重で希なものです。
(私が知らないだけで、もっと有用な講座や書籍があるのかもしれませんが)

この講座は、現在では、Ustream上では閲覧できなくなっているようですが、
Shade3Dの公式サイトのなかの、Shade教室アーカイブスのなかに、
他のものも含むすべてが収録されているようです。

○ Shade教室 アーカイブス 過去の番組

ふじいたいよう先生のポリゴンモデリング講座は、過去番組3の、
テンプレートを使ったモデリング(前後編)です。

もっとも、この講座を何度も見返すのは面倒なので、
私は、好きな時に好きな箇所を見られるよう、要点をノートに書き写しました。

F1-2000(2)

こうして、最初にポリゴンを使ったモデリングをしたのが、このF1-2000です。
(今回の投稿記事のトップ画像も、このF1-2000を使っています)
いままで、自由曲面では難しかった面の再現が、ようやくできるようになりました。

MGA

そして、次に行ってみたポリゴンモデリングが、このMGAです。
もっとも、ボディの基本となるおおよその形状は、自由曲面で作っています。
線形状をコピーして別の自由曲面を作っていくという、Shadeならでは方法が、
取られています。
ですが、タイヤを収めるフェンダーアーチなど、シワのできそうなところは、
自由曲面ではあえて作り込まず、
ポリゴンに変換してから、形状を詰めていくことにしました。

ポリゴンへの変換は「粗い」を使い、サブディビジョンサーフェイスで、
なめらかにします。
おおよその形状ができたら、さらにポリゴンを細かくし、穴の空いた箇所などを、
作っていきます。

いったん形状を作っておいてから、ボンネット、ドアパネル、トランクパネル、を、
分割してしまえるところも、ポリゴンのありがたいところです。

250GTO

こちらも、同様の方法で作られた、フェラーリ250GTOです。
もっとも、こちらは、ヘッドライトにテクスチャが入っていないなど、
まだ未完成状態になっていますが…。

自由曲面によるモデリングだと、ボンネット前方に空いた三つの開口部など、
穴を開けるのに苦労しそうですが、ポリゴンだと、うまく開けられました。

ただ、この250GTOは、フジミのプラモデルのインストにある図面を、
ネットで捜してきて作った作ったのですが、図面の解像度がかなり悪く、
そのため、モデリングにも、少し曖昧なところも出てしまいました。
また、全体の形状も、よくも悪くも、プラモデルを踏襲してしまったようです。

F1-2000のときは、手もとに、
タミヤのプラモデルを資料として置いて作業でしたので、
形状を作るにあたって、不明な点などは発生しなかったのですが、
250GTOを作る時は、ネットで捜してきた図面や写真のみだったので、
形状の把握がいまひとつだったかもしれません。

もし、特定の物体を作りたいと思うなら、
プラモデルのような立体資料は、とても役にたつと思います。

10式

そしてこちらは、現在、時間をみつけては練習を兼ねて制作している、
陸上自衛隊の10式戦車です。
クルマのモデリングでは、自由曲面で基本形状を作って、途中からポリゴンに変換して、
細部を作り込む、という方法をとってきましたが、
この10式は、新たな試みとして、最初からポリゴン機能のみを使って、
モデリングしています。

こちらも、250GTOと同様、まだ制作途中なのですが、
(というより、まだ半分ほどしかできていない状態ですが)
この10式も、ネット上で見つけてきたタミヤのプラモデルの図面をもとに制作したため、
事前に、形状の把握がうまくできていない箇所が多数あり、
そのたびに、あちこちを修正しつつの作業となっています。

この修正に、多大の時間を浪費しており、
教訓として、なにかをモデリングする時は、充分な資料を揃えておくべきだと、
あらためて感じました。

戦車は平面構成なので比較的ラクにモデリングできる、などと思っていたのですが、
面構成は極めて複雑で、しかも、さまざまなパーツがあり、
実際の工業製品をキチンとモデリングするのは、とてもたいへんだと、
しみじみと感じました。
(車載機銃を作るだけでも、たいへんです)

シャックル

こちらは、10式戦車の前部に取り付けれた、牽引フックですが、
こうした形状を作るのは、ポリゴンだとたいへん手軽に作れます。
自由曲面でこの同じかたちを作ろうと思うと、たいへんだと思うのですが、
ポリゴンであれば、比較的簡単にモデリングできます。
そのさい、威力を発揮するのは、稜線ループスライス機能です。

もっとも、総じて、ポリゴンだから早くモデリングできるということはなく、
自由曲面によるモデリングよりも、結果的には時間がかかっているのかもしれません。
ただ、シワ取りのために延々と時間を費やすことはなく、
それだけでも、かなり気持ち的には負担がなくなります。

ただ、他ソフトのほうが、ポリゴンの扱いやすさは格段にうえになるとのことで、
Shadeでいちからポリゴンで作るのは、あまりよい方法とはいえないとも思います。

MGA俯瞰図

というわけで、いろいろと勝手な思いを書いてきましたが、
自由曲面にも、ポリゴンにはないすぐれたところもあります。
モノによっては、自由曲面のほうがスピーディーに、また、
図面にぴったりと合わせた曲面モデリングが可能です。

ただ、Shadeの自由曲面は、これ以上新たな機能がつくことはなさそうですし、
いずれにしても、ポリゴンモデリングの習得は不可欠かもしれません。

もっとも、私はイラストレーターですので、モデリングすることが最終目的ではなく、
そこからさらに、さまざまに画像に手を加えて、2D作品にすることを、
目指す到達点にしています。

モデリングもさることながら、自分の求めるイメージを生み出すための、
よりよい画像処理の技術も必要となってきます。

学ばなければならないことは、今後も、たくさんありそうです。
(掲載のイラスト画像はすべて著作権があります。無断使用はご遠慮ください)




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flying steam ship

私が使用している3DCGソフト「Shade」のホームページでは、
Shadeユーザーのための、ギャラリーコーナー「画像投稿機」があります。

Shade on line

画像投稿機には、毎日、力作が寄せられていて、
そのなかから、週ごとに、
投票によって「今週の一枚」という作品を選ぶことになっています。

先週集まった投稿作品のなかから、私の作品が、
今回、「今週の一枚」に選ばれました。

私が、画像投稿機に作品を送ったのはこれで3回目。

1回目は次点となり、2回目は完全に落選。
そして挑んだ3回目、ようやく、念願を達成しました。

画像投稿機で発表される数々の作品は、ほんとうに力作ぞろいで、
みなさんの、非常に高いモデリング技術に、いつも、
感心させられるばかりです。

というわけで、私は、モデリングのテクニックよりも、
絵作り、に、主眼を置いて、作品を作りました。

ドラマチックな雰囲気の曇天の空、金属の質感、カラーバランス、
メカニックのディティールのメリハリ、幾何学図形のコラージュ、
といった点に、力点を置きました。

今回、こうした試みが評価され、たいへんうれしく思っております。

また、このメカニックは、
私のもうひとつのブログ「K‘s Hangar - 夢想機械格納庫」に、
詳しく掲載しています。

K's Hangar 夢想機械格納庫

今回、私の作品に一票を投じてくださった方々に、
この場を借りて、お礼申し上げます。





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※画像には著作権があります。無断使用はご遠慮ください。
コンピューター関係の書籍が置いてある書店の棚には、
いまでも、国産3DCGソフト「Shade」を扱うためのHow to本が、
多数、並んでいます。

私が以前使っていたSTRATAの解説本などは、
その姿を見かけることは、すっかりなくなったのですが、
Shade本に関しては、途絶えることなく新刊がでているようです。

ですが、それらの本の多くは、
Shadeの基礎的な知識から、モデリングの方法、ライティングのやりかた、
そして、アニメーション制作までを、
総合的に解説したものであるように思います。
また、ここ最近では、建築パースを制作することに特化したものも、
あるようです。

とはいえ、私は、
「高度なモデリングの方法だけを詳細に解説したものがほしい…」
「クルマなどの複雑な工業製品の作り方が知りたい…」
と、かねてから願っているのです。
現在、店頭にならぶShade解説本のなかに、
そうした希望を、かなえてくれそうなものは、見当たらない気がします。

ですが、かつて発売されていた、
Shade Car Modeling for Biginnersなら、
その願いをかなえてくれる書籍のように思われます。

shade本の表紙

この本は、実在するクルマのモデリングを、
事細かに解説してあると言います。

とはいえ、本書はすでに絶版。
もう、店頭では手に入りそうにありません。
amazonで見ても、その他の有名書店のサイトで見ても、
新品の入手は不可能に思えます。

もっとも、amazonのユーズド商品のなかに、
この本はあるのですが、値段は定価の倍。
しかも、クレジットカードを持っていないと、購入できません。

というわけで、いろいろな書籍注文サイトをみていたら、
こちらで、注文可能でした。
日本書店商業組合連合会「本屋さんへ行こう」

しかも、受け取りは最寄りの本屋さんでできるというのです。

というわけで、さっそく注文したのですが、
どこの書店でも品切れのこの本が、
そんなに簡単に手に入るとは思えませんでした。
サイトの断り書きにも、「入手できない可能性もあります」、と、
明記されているし…。

ところが、なんと、短期間のうちに、
件の本が、入荷したというのです。
もちろん、新品が定価です。

もう、信じられませんでした。

というわけで、さっそく本屋さんに。
手にしたときはカンドーでした。

shade本の中身

さっそく内容を見てみましたが、
まさに、期待通りです。
フェアレディ300ZXの作り方を、詳細に、
200ページに渡って解説しています。

これからは、この本片手に、もう一度、
遅まきながら、Shadeを再勉強します。