
さて、昨日の続きです。
井波をあとにして、ほどなく、高岡市に到着。
このあたりから、びっしりと雲が垂れ込めていた空が、快晴となってきました。
その後、国道160号線に乗り、いよいよ能登半島へと乗り入れます。
途中、国道415号線に乗り換え、
今度は、能登半島を東から西へ横断するかたちとなりました。
こうして、目指す羽咋(はくい)に到着したのですが、
なんと、またしても雲行きがあやしくなってきました。
この日は、晴れたり曇ったりと、なかなか、天候が安定しない日でもあったようです。
羽咋での目的地はふたつ…。
そのひとつは、コスモアイル羽咋という博物館。
残るもうひとつは、なぎさドライブウェイという、
海岸の砂浜が、そのまま一般の自動車道になっている場所です。
ですが、時刻はすでに四時に近く、ふたつの目標をそれぞれ満喫するのは、
時間的にかなりキツそうです。
というわけで、営業時間に限りがある、コスモアイル羽咋に行ってみることにしました。

こちらが、そのコスモアイル羽咋です。
なんでも、羽咋市はUFO伝説のある町だそうで、
それにちなんで、このような、UFOの博物館を作ったようです。
まあ、なんにせよ、UFO博物館なんて、あやしくいかがわしい感じですが…。
(SF好きの私ですが、基本的に、UFO話は信じていません)
でも、話のネタに、今回、入ってみることにしました。
ちなみに、私は、以前にも、ここを訪れたことがあるのですが、
そのときは、すでに五時を過ぎており、なかに入ることは出来ませんでした。
今回は、やっと、内部を見学できました。
入場料は350円。かなりリーズナブルですネ。
展示会場は二階となっていて、
エレベーターは、ブラックライトで星が浮かぶ演出がされていました。
(この演出のため、エレベーター内は一時、消灯されます)
さて、会場に入ってみると…。
予想はいい意味で裏切られました!!。
私は、当初、UFO写真のパネル展示でもされているんだろう、
と、思っていたのですが、実際には、極めて真面目で、
科学的な展示がなされていました。

こちらは、マーキュリー計画で使われた宇宙船の実物大模型です。
レプリカといえばそれまでですが、ハリボテのような雰囲気はなく、
見応えのある作りとなっています。
展示台の説明によると、実物と同じ素材で作られているとのことです。

宇宙船内も極めてリアルに再現されています。
各メーターに配されたケーブルやコードなども、手抜かりなく作られています。
ただ、船内はかなりせまいですね。
閉所恐怖症の人が搭乗したら、息が詰まってしまうでしょう。
それにしても、この宇宙船を見ていると、
映画「ライトスタッフ」を思い出しますネ。ああ懐かしい…。

そしてこちらは、ガガーリンが乗っていた、
ボストーク宇宙船の大気圏突入用カプセルだそうです。
これは、な…、なんと、本物だそうです!。
「地球は青かった」といったあのガガーリンが乗っていた宇宙船が…、
人類初の有人宇宙飛行に成功した宇宙船が…、
能登半島の、さして大きくもない地方都市(すみません)に、鎮座しているのです。

これは、大きな感動です。
かつて、明治村で、ポーツマス講和会議に使われたテーブルを見た時にも、
感動しましたが、コレも、それに匹敵する衝撃です。
この宇宙船を貸与したロシア政府の書類も、併せて展示されていました。

そして、こちらは、アポロ宇宙船の司令船です。
レプリカだそうですが、ハッチの裏側の複雑なヒンジや、ロック機構、
そして船内を埋め尽くしている装置群は、どれも極めて重厚感があり、
レプリカというよりも、訓練用の実物のようにも見えます。
このリアリティには、思わず目をみはります。

そしてこちらは、月着陸船です。
やはり大きいですね。迫力があります。
この月着陸船を、小学校のとき、図鑑などで何度も繰り返し見たものです。
おそらく、私たちの世代は、このゴツゴツとした不格好な宇宙船に、
一種のノスタルジーを感じてしまうのではないでしょうか…。
(その昔、プラモデルなども出ていましたよね)

さらにこちらは、木星探査機ボイジャーのレプリカです。
こちらも、おもいのほか巨大です。
宇宙を飛行するストラクチャーのため、
地球上では、支えなしに展示することの出来ない構造となっています。
探査装置を設えたトラスフレームもなんだか弱々しい。
ですが、無重力下では、これでも強度的に何も問題はないのでしょう。

そして、見上げるボイジャーの中央部分には、
太陽系の位置を示した、金色に輝く丸い金属板が…。
この金属板は、遥かな未来、
ボイジャーを回収するかもしれない地球外生命体に向けた、人類のメッセージです。
それにしても、こんなに目立つところに、取り付けられているんですね。
円盤のなかには、レコードが収められていて、地球上のさまざまな言語による、
挨拶の言葉が収録されているといいます。
いま、こうしているときも、ボイジャーは、
太陽系から遠ざかる孤独な旅を続けていますが、
そのボイジャーが、旅路の末に、何者かによって回収される、などということは、
ほとんど、万にひとつもないでしょう。
それでも、この円盤を眺めていると、さまざまな思いが、胸をよぎります。

さて、こちらは、旧ソ連の月面探査機ルナです。
アメリカの同一のメカニックと比べると、そのデザインラインの違いに驚愕します。
もう、このデザインは、レトロフューチャーと呼んでもいいくらいです。
(こちらは、バックアップ用に作られた本物だそうです)
日本海側の町は、地域的に、ロシアと関係が深いことが多いのですが、
ここ羽咋市も、旧ソ連の宇宙船が多数展示されていることから察するに、
ロシアとなんらかのパイプを持っているのかもしれません。

そしてこちらは、アメリカの火星探査機バイキングです。
レプリカだそうですが、模型には見えません。
それにしても、米ソ双方が宇宙開発に血道を上げた時代があったのだと、
いまさらながら、思い知らされました。
21世紀になったいま、人類は、宇宙開発という夢を、失ってしまったようにも思います。

そしてこちらは、ロズウェル事件のさい、米軍に捕獲されたとされる、宇宙人の模型です。
なんだか笑ってしまいますが、こうした、UFOにまつわる、
あやしげなモノの展示はわずかで、大半は、人類の宇宙開発を支えた、
とても貴重なガジェットの展示となっており、
ここコスモアイル羽咋は、ほんとうに、予想以上のすばらしい博物館です。
すごいです。ブラボーです。ハラショーです。
(350円という入場料も、グッドです)
とにかく、期待がほとんどなかっただけ(すみません)に、
大満足できた博物館でした。
というわけで、閉店時間まで館内に留まり続けたため、
なぎさドライブウェイに行くのは、すでに時間的に無理で、結局、
そのまま、帰路に着くこととなりました。
途中、氷見という町のあたりで、海辺に面した公園を発見。
MINIを止めて海を見に生きました。

またまた天候は回復。
この日は、天気がいいのか悪いのか、よくわからない日でした。
それにしても、やっぱり海はいいですネ。
とにかく、この日は、瑞泉寺を見て回り、
宇宙船を見て回りと、とても充実感がありました。

梅雨があけたら、また、ドライブに行きたいです。
コチラをクリックしてくださるとうれしく思います。
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