
事務所移転に向けて、荷造り作業中ですが、
新事務所に荷物の搬入ができるのは、9月1日から…。
というわけで、いま、我が家は、ダンボール箱でいっぱいになっています。
荷物が運べない以上、こうして、床の上はダンボールだらけになるだけで、
足の踏み場をなくしていく室内にいても、なんだか、気がめいるばかり。
というわけで、先週末の日曜は、思い切って、出掛けてしまいました。
今回の行く先は、春に目指したものの到達することができなかった、
能登半島のヤセの断崖です。
今回の出動車は、私のMINIになりました。
8月下旬とはいえ、まだまだ例年にない猛暑が続いており、
MINIでのオデカケなど無謀だったのですが、
私も、ここのところ運転しておらず、また、ヨメも
MINIでの遠出がしたいとのことだったので、
思い切って(というか覚悟を決めて)出発しました。
とりあえず北に進路を取り、まずは富山市を目指します。
そこから進路を西に取り、能登半島の根元へと…。富山県氷見市へと向かいます。
そこで、かねてから気になっていた万葉ラインという道を、
通ってみることにしました。
万葉ラインは、ところどころ、かなり道が細くなり、
しかもカーブも急で、海のそばにあるというのに、思いのほか厳しい山道です。

しかしその景色はすばらしいです。
山頂(峠)付近では、片側に海を臨むことができ、
しばらく行くと、街を臨むことができるのです。
この日も絶好の好天で、その景色の素晴らしさは、
一見の価値ありです。

富山には昔から何度となく来ているのに、
こんな格好のドライブウエイがあることを、いままで、
ぜんぜん知りませんでした。

それにしも、この日もものすごい暑さです。
窓を開けていても、MINIの中は蒸し風呂状態。
坂道が続くこの万葉ラインを走るには、
ヒーターをかけっぱなしにしなければならず、
車内はいつものようにたいへんなことになってしまいます。
こうして万葉ラインを抜け、国道160号線に入り、
能登半島を北上。
その後進路をまた西に取り、羽咋市へ…。
つまり、能登半島を横切るコースをとります。
猛暑にもめげず、MINIは、けなげに走り抜け、難無く羽咋へ。
そこからまた進路を北に取り、能登半島の西の海岸を走り抜けます。

その途中、気多神社(けたじんじゃ)という神社を発見。
ちょっと寄り道してみることにしました。
この神社は縁結びの神様としてしられているようで、
また、北陸屈指のパワースポットとしても、名を馳せているらしいです。
神社の社殿はもちろん立派なのですが、その脇にある、
「入らずの森」と呼ばれる森が、とても印象的でした。
入らずの森は、その名の通り、立ち入りは禁じられているのですが、
森の前に立つだけで、凛とした、すがすがしい空気を感じます。
恐れ多くてこの森にカメラを向けることなどできませんでしたので、
画像はありませんが、この空気のすがすがしさは、
私たちの心に、言葉では言い難い、特別な感情を抱かせました。
(伊勢神宮や戸隠神社に行っても、こうした独特の空気を感じますネ)
その後もドライブに復帰し、今年の春に訪れた、能登金剛の巌門に到着。
ここで、暑さがピークに。
もう、うだるような、煮えるような暑さです。死にそうです。
そんなわけで、巌門周辺を散策したかったのですが、ヨメはダウン。
あたりをほんのちょっと歩いただけで、もう、退散です。
(その後、スポーツドリンクをこれでもか、というほど飲むことに)

ただ、景色はすばらしかったです。
海の色なんて、まさにエメラルドグリーン。
松本清張は「ゼロの焦点」で、北陸を暗く暗鬱に描写しましたが、
そんな暗さは、微塵もないです。
そしてさらに北へ。
ヤセの断崖へと走ります。

こちらは、その途中にあった集落の様子です。
能登の無料ガイドマップによると、ここは「赤崎の町並み」というそうで、
板を組んだ家々が織り成す独特の景観が楽しめる場所です。
新しい家も、古い家も、すべて同じ工法で作られており、
それ以外の家は、あたりには見当たりません。
この地域が、街の景観を維持するために、
ひとかたならぬ力を注いでいることが分かります。
この集落は観光地化されておらず、
あたりには地元の地元の人しかいませんでしたが、
まさにここは、奥能登らしさを感じさせる、
一見の価値のある町並みだと言えると思います。

しかも、集落のすぐ先には、そこかしこに棚田が広がっていて、
それらの近くには、展望台なども設えられています。
稲刈りを間近に控えた今が、
この棚田がいちばん美しく見える頃ではないでしょうか。
この場所で深呼吸すると、心身ともに、リフレッシュできる気がします。
そして、とうとうというべきか、ついにというべきか、
ヤセの断崖に到着。
時刻はすでに五時…。
ほんとうに、ヤセの断崖はものすごく遠かったです。

が、ヤセの断崖に実際に行ってみると、さほどの断崖ではない気が…。
これなら、巌門のほうが、はるかにすばらしい景観を誇っています。
というわけで、看板を見てみると、どうやら、能登地震で、
断崖の突端部分が崩落したとのことです。
地震という自然の成せる技とはいえ、断崖の崩落は、残念な限りです。

ちなみにこちらは、ヤセの断崖のすぐ南にある、義経の舟隠しという場所です。
源平合戦で手柄を収めた義経でしたが、
その後、兄である頼朝から追われる身となり、
奥州にのがれるさい、この場に船を隠したと言います。
この断崖を見つめながら、最後には非業の死を遂げることになる義経に、
ふと、思いを馳せたりしました。
その後は、和倉温泉を目指してふたたび能登半島を横断。
途中、地元のお祭りに出くわし、
行くべき道が神輿行列のため通行止めになっていたりなど、
思わぬ事態にも遭遇しましたが、なんとか無事、
目指すルートを辿ることができました。

こちらがその道。
小説「ゼロの焦点」で、板根禎子が、物語の最後で、
和倉温泉から雪の山道をタクシーで抜け、福浦をめざすシーンがありますが、
それはまさに、この道ではないでしょうか。
こうして、和倉温泉を横目に見ながら、七尾に至り、
今度は能登半島の東側を通って、氷見、富山を経由して、
飛騨高山に帰ってきました。
このドライブの間、気多神社や巌門などに寄ったりはしたものの、
車外に出た時間はわずかで、
(食事も極めて短時間ですませました)
朝10時過ぎに出発し、夜11時すぎに家に帰ってくるまで、
ほとんど走り詰めの状態でした。
走行距離もほとんど500キロに届くほどとなっており、
いくらドライブ好きとはいえ、猛暑の中、ヒーターをかけながら、
MINIで500キロ弱も走るなんて、
もはや、正気の沙汰ではないかもしれません。
(こんなドライブに付き合うヨメもすごいですが…)
それでも、MINIは難無く走ってしまうのですから、
いちばんすごいのは、このMINIかもしれません。
さて、来月から、引っ越しもあり、
そのうえ、仕事の予定もぎっちり詰まっているため、
来月はもうお休みはとれないかもしれません。
でも、それが過ぎたら、また、遠いところにいってみたいです。
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