スコット・ロバートソンの本

さて、今回は、久しぶりのブログ投稿となります。
というのも、前回の記事をアップした11日から、
今年三度目となる、忙しさの「波」がきてしまい、その後は、お休みもなく、
終日、家に缶詰状態となってしまいました。
これらのお仕事については、ネットでの公表はできないものもあるのですが、
私にとっては身に余る大きなもので、日々、試行錯誤しつつ、制作に励んでいます。
それも、ここにきていよいよ大詰めとなり、いま、チェックバックを待ちつつ、
このブログを書いています。
(なにしろ、月に最低2回は更新するのが、当ブログの目標ですから…)

というわけで、今回は、かねてから当ブログでご紹介しようと思っていた、
本 (美術系書籍) を取り上げてみたいと思います。
書名は、ちょっと長くて恐縮なのですが、
スコット・ロバートソンのHow to Draw
オブジェクトに構造を与え、実現可能なモデルとして描く方法、といいます。
名前の通り、洋書の翻訳本で、技術指南本です。
というと、デジタル系のマニュアル本のように思えるかもしれませんが、
この本は、あくまで手描きのスケッチを基本にした指南本です。

私は、洋書の美術書 (主にプロダクトデザインやイラストの書籍) が大好きで、
いままでにも、amazonを通じて、よく買っています。
ですが、田舎暮らしの私には、それらの書籍について、
事前に本屋さんで立ち読みすることもできず、内容については、
ほとんどなにもしらないままの購入となっています。

これがけっこう冒険で、届いた本を見て「買わなきゃよかったと」思うことも、
実際、少なからずありました。
ですが、ダニエル・サイモンのCOSMIC MOTORSや、
design studioのDRIVEなど、すばらしい本もたくさんありました。
とくに、以前にも当ブログでとりあげたDRIVEは秀逸で、
一気に見るのがなんだかもったいなくて、毎日、数ページだけを見る、
ということをしていたほどです。

ドライブ表紙

ただ、これらの書籍は、作品を鑑賞すること、
また、イラストのビジュアル資料として活用することが目的ですので、
原語版 (英語版) をそのまま購入していました。
なにしろ、そのほうが安いからです。

ですが、今回の本は、指南本ですから、文章を読むことができなければ、
購入しても意味がありません。
というわけで、4000円プラス税で、日本語翻訳版を購入したのですが、
その内容は、価格を大きく上回る、すばらしいものです。

スコットロバートソンは、DRIVEの執筆者にも名を連ねている、
コンセプトアートのイラストレーターで、その圧倒的なデザインセンスと、
デッサン力は見ていて惚れ惚れとします。
その彼が、いかにして正しいスケッチを描くか、を、綿密に、
ステップを通して解説しています。

内容1

まだ、ほんの最初の項目しか読んでないのですが、
それでも、実際に読んでみると、目からウロコ的な箇所も多く、
自分はいままで、透視図法についてきちんとした教育を受けていなかったと、
痛感しました。

裏表紙

しかもこの本は、スマホやタブレットを使って、
スケッチの制作動画を見ることもできるようになっていて、
(ただ、動画については英語となるようですが)
描き方の過程をより詳しく知ることができるようになっています。
スマホやタブレットがなくとも、PCさえあれば、
動画の再生は可能となっているとのことです。
まさに、いたれりつくせりです。

作品も鑑賞できる

さらには、作品集としての意味もあり、
スコット・ロバートソンの斬新なメカニックスケッチの数々を、
鑑賞することもできます。

まさに、買ってよかったと思わせる逸品で、
まだ、ほんの最初しか読んでいないにもかかわらず、
私にとっては、バイブル的な存在となる書籍かと思っています。

内容2

ただ、いまの私には、この本に書いてあることを、実践する時間がなく、
いまのところ、本書をまったく生かすことができていません。
ですが、今後、時間ができたら、これら内容の習得に努めたいと思っています。

ボーンデジタル / スコット・ロバートソンのHOW TO DRAW

この本については、販売元から上記リンクのような情報も公開されており、
購入にさいして、参考にすることができますが、
概して、美術系洋書は、事前に内容を知ることが難しく、
また、価格もそれなりにします。

こうした書籍について、興味はありつつも、
購入を躊躇される方も多いかと思いますので、今後も、
このブログで、こうした書籍のレビューを行い、
私なりの感想を書いていきたいと思っています。




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駄知旧車館展示風景

5月の終わりから6月初旬にかけて、夏を先取りしたかのような、
うだるような暑さが続いていましたが、
梅雨入りをしてからは、少しばかり、過ごしやすく感じる日が多くなりました。
ただ、これから先は、じめじめとしたうっとうしい日が続くことになりそうです。
しかも今年の梅雨は、いつもの年よりも、
長くなるとの長期予報が出ているとのことで、いささか気の滅入る思いです。

私の住む地域では、いまのところ雨の量はさほどではないのですが、
大雨の被害が出ている場所もあるとのことで、
一刻も早い復旧をお祈りするとともに、
今後は、このような災害がないことを祈るばかりです。

さて、そんな梅雨の時期には、屋内施設に出かけるほうが得策、ということで、
先週の日曜、岐阜県土岐市駄知町にある「駄知旧車館」に行ってきました。
この日は、朝には晴れ間が覗く空模様でしたが、予報は雨。
というわけで、MINIを出すのは気後れを感じ、
(先日、雨漏りを修理したばかりなので、雨でも乗れるのですが)
ヨメのプジョーで出かけることにしました。

私の住む飛騨高山から駄知町までは、
同じ県内とはいえ、クルマで二時間強かかります。
ちょっとしたドライブになりますが、それでも、道中、雨に降られることはなく、
難無く、駄知旧車館へと辿り着くことができました。

駄知旧車館外観

駄知旧車館は、ここ駄知町に本社を構える「中根モータース」さんという、
自動車整備、板金、販売を行う企業が運営しているそうです。
当初は、コンパクトな施設を想像していたのですが、
思いのほか大きく、とても立派で新しい建物でした。

屋外のメルセデス

入口に置かれているのは、ボロボロの状態のメルセデスとミゼット。
これらは、レストアされる前の車輛のようです。

ケンメリ

そして、館内に入って最初にお客さんを出迎えてくれるのは、こちらのクルマ。
スカイラインの、いわゆるケンメリですね。
幼い頃、このクルマが、新車として発売された時、たしか、
親に連れられて、販売店まで見に行った覚えがあります。

クラウン

そしてこちらはクラウン。
案内してくださった館長の奥さんによると、
グリルが比較的よい保存状態であったため、復元ができたといいます。
ですが、ボディはボロボロで、ボンネットには穴が空いていたとのことです。
とはいえ、ボンネットは裏側を見ても補修のあとがわからないほど、
キッチリと仕上げられています。

エンジンも美しいまでに整備され、
外装とともに内装もしっかりとレストアされています。
これらはすべて、中根モータースさんで手掛けられたとのことです。

つまり、この駄知旧車館は、単に旧車を集めて展示している施設ではなく、
自社で徹底したレストアがなされた、可動状態にあるクルマを展示しており、
しかも、こうして、解説をもお聞きすることができるという、
他の自動車博物館にはない、魅力にあふれています。

ボルボアマゾン

こちらは、ボルボ・アマゾンです。
とにかく、感動的なほど、ものすごくきれいです。
これほど美しくレストアされたアマゾンを、私は見たことがありません。
ボディの仕上がりはすばらしく、しかも、エンジン、内装、なども、
しっかりと整備、再現され、新車といっても過言ではないほどです。

エンジンもピカピカ

重箱の隅をつつくように、タイヤハウスのなかを覗き込んでも、
エンジンルームのなかを覗き込んでも、どこもキッチリと手が入っていて、
第一級の仕事がなされていることがわかります。

こうして、さまざまに館内を見学させていただいているところに、
ちょうど、館長さん (中根モータースの会長さん) がおみえになり、
そこにまた、レストアをお願いしていお客さんもいらっしゃるなどして、
みなさんで、ひとしきり、お話をさせていただくこととなりました。

その後、館内のクルマの解説を、会長さんが自ら行ってくれました。

メルセデス

こちらは、メルセデスTYPE220というクルマです。
フェンダーのなかにライトを入れ込んだ、古めかしいなかにも、
モダンさを感じさせるデザインとなっています。

外の玄関にもボロボロのメルセデスが置いてありましたが、
こちらのメルセデスは、それよりも状態が悪かったといいます。
ですが、もう、まさにピカピカ状態で、エンジンも見せていただいたのですが、
こちらも、素晴らしい状態です。
もちろん、可動状態にあるそうです。
(値段は高額になるといいますが、いまでも、部品は調達できるといいます)

中根モータースさんでは、技術向上のための研修という意味もこめて、
こうしたレストアを手掛けていらっしゃるとのことでしたが、
板金においても整備においても、高い技術力をもっていることが、
見る側に、熱気とともに伝わってきます。

復元技術は回を重ねるごとに向上していき、
各展示車輛に、その足跡や歴史をも見ることができます。

ミゼット

そしてこちらは、ミゼット。
これも、新車状態とっていいほど美しくレストアされています。
(もしかすると、新車よりも美しいのではないかと思います)
しかも、オリジナルに忠実なレストアがなされており、
荷台床の鉄板に設けられている補強用の凹凸は、
凸部の後部末端の微妙な形状を再現するため、
あえてプレスは使わず、叩き出しで作ったといいます。
オリジナルの状態を再現するためには、安易な妥協はいっさいしない、という、
職人の意地とプライドを感じる逸品です。

ブルーバード

こちらは、ブルーバード。
いまみても、このデザインはすごくいいと思います。
サイドのラインはアルファロメオにも通じるものがあります。
聞けば、イタリアンデザインということで、納得もしたのですが、
デザインだけでなく、手の込んだ、品質の高いクルマに仕上がっています。
ですが、当時は、ライバルであるトヨタコロナに販売では大きく水を空けられ、
不遇のクルマとなったようです。

コロナ

こちらがそのコロナですが、
私としては、やはりブルーパードに軍配をあげたいところです。
ですが、このコロナのほうが、デザインが斬新ということで、
当時の大衆には、広く受け入れられたそうです。
会長さんの話によると、仕入れればすぐに全部完売した、とのことでした。

こうして、さまざまな車種について、説明やレストアの苦労話などをお伺いし、
時間の経つのを忘れるほど、楽しく有意義な時間を過ごすことができました。

この施設は、開館日は限られますが、無料で一般に解放されており、
今後は、さらに施設を拡充させ、展示車輛も増やしたいとのことでした。
クルマ好きなら、ぜひ、一度、行ってみる価値のある場所です。

将来は、さらなる施設の拡充と、
展示車輛の増加を計画しているとのことで、
今後の発展も、クルマ好きとしては、楽しみなところです。
そうなれば、この施設は、いま以上に、駄知町の観光名所にもなると思います。

● 駄知旧車館のサイトはこちらです

最後になりましたが、会長さんと奥さんには、たいへんお世話になりました。
ありがとうございました。
また、機会があれば、寄ってみたいと思っておりますし、
私のMINIも、いつかは、板金、整備をしていただきたいなと思うばかりです。




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