
今回はお仕事の話題を、ご紹介したいと思いますが、
じつは、制作をさせていただいのは、昨年のことになります。
ですが、先日、掲載の許可をいただくことができましたので、
遅ればせながら、こちらのブログでも、ご紹介をさせていただきたいと思います。
映画『三丁目の夕日』や『永遠のゼロ』の映像制作を行った、
イマジカ・ロボット・ホールディングスさんが、昨年、東証一部に上場しました。
そのさいの企業広告用の3Dイラストを、こちらで担当させていただきました。
イラストは、レトロな街といった雰囲気のもので、Shade 3Dにてモデリングし、
その後、さまざまな画像処理を加えて、完成させています。
このお仕事の場合は、発注をいただいてから納品までの時間は多くはなく、
連日、深夜に及ぶ作業となりました。
とはいえ、先方さまとのコミュニケーションは、
とてもスムーズにとることができ、限られた時間のなかではあっても、
効率よく作業は進められたのではないかと思っています。
また、建物の配置や形状については、詳細なラフスケッチをいただき、
そちらに従うかたちで、モデリングを進めることもできました。
今回も、先に申し上げたよう、Shade 3D ver14を使ってモデリングしています。
この作業の最中、当時のShade3D ver14の最新バージョンである、
14.1.1にアップデートしたのですが、その後、
ポリゴン編集のコントロールポイントの追加ができなくなってしまい、そのうえ、
画面の全体表示 (図面操作 → 図面に合わせる) という機能も、
使えなくなってしまいました。
(そのまえの14.1のときは、問題なく使えていたのに…)
最新状態にアップデートしたら、
より不便な状態に陥ってしまうというのは、なんとも困ったものです。
お仕事の最中であれば、事態は深刻です。
とくに、ポリゴン編集において、コントロールポイントの追加ができないのは致命的で、
結局、この部分については、Shade12で作業するということで、
不具合を回避しました。

もっとも、自由曲面のコントロールポイント追加については、問題なく可能でした。
このことからも、やはりShadeというのは、自由曲面が主体のソフトで、
ポリゴン機能は、付随的なものでしかないのかな、と、あらためて思いました。
Shadeマニュアルにも、ポリゴン編集の解説は、重きが置かれていないと感じます。
ですが、せっかくポリゴン機能もつけたのですから、こちらについても、
作例などを交えた、わかりやすい解説をしてもらえたらと思っています。
現在の最新パージョンである14.1.3であれば、
こうした問題はすでに完全に解消済みかと思いますが、
この一件が災いして、その後のバージョンアップをためらったまま、
現在に至っています。
いずれしろ、そんなこともあったので、このときは、ポリゴン機能はあまり使わず、
自由曲面での作業をメインとしました。
作業は難しいものではありませんでし、
建物などは、自由曲面で作っても、なんの問題もないものでした。
ただ、細かく作り込む必要があったので、そのために、
多くの時間が費やされることになりました。
(もっと細部の作り込みはしたかったのですが、
納期との兼ね合いでできなかったところもあります)
モデリングの後は、夕日に見立てたスポットライト光源をいくつか配置し、
レンダリングして状態を見てみます。
リアルタイムレンダリング機能があるので、このような作業のときは便利ですが、
短時間とはいえ、リドローにはそれなりの時間がかかるので、
いままでどおり、レンダリングしてライトの状態を見ることにします。
Shade 3D 14には、レイトレーシングで影がぼかせるようになりました。
(Shade13でもできたのかもしれません)
この機能はとてもありがたいものです。しかも、パストレーシングよりも、
影のグラデーションはきれいにぼけました。
レンダリング速度も速いです。
ですので、IBLレンダリングをしてみようと考えました。
が、この方法でレンダリングすると、かなりの時間がかかるようで、結局、
納期の問題から、途中断念することとなってしまいました。
(このレンダリングがうまく行えたら、
作品の雰囲気ももう少し違ったものになったかもしれません)

レンダリングが終わったあとは、画像処理にて、
経年劣化を感じさせるような、さまざまなニュアンスをつけていくこととなりました。
その方法は、AFV(装甲戦闘車輛)のプラモデルで行われているものを、
デジタル環境に置き換えて行うといったかたちになりました。
このニュアンス付けについては、本来であれば、マッピングによって、
行うべきなのかもしれません。
ですが、この方法では、マップ制作に手間がかかりますし、
レンダリングしなければ効果確認がしづらいなど、制作時間が少ないなかでは、
リスクが大きいように思いました。
Photoshop作業のほうが、精神的にも負担が少ないかもしれません。

そのなかで、最も多く行ったのが、
雨垂れによるしみ『レインマーカー』です。
ただ、やりすぎていしまうと、わざとらしいので、適度にとどめなくてはなりません。
いずれにしても、今回は、与えられた時間のなかで、可能限り努力はしたものの、
ここをこうすれば、もっとよかったかも、といった思いや、
この部分をこうしたかった、などという気持ちも、同時にあります。
そのうえ、こんなときに限って、
地元飛騨高山の祭り行列に参加しなくてはならないなど、
制作時間をさらに逼迫させる事情も発生しました。
振り返ると、苦しいことや反省点も多々あるお仕事でしたが、
このときも、楽しく、やりがいを感じつつ、作業させていただくことができました。
また、このお仕事のさいには、関係者のみなさまに、たいへんお世話になりました。
私が遠隔地に住んでいるがゆえに、みなさまには、
ご不便やご心配をおかけしたと思いますが、
さまざまなご配慮をいただき、スムーズな作業ができました。
この場を借りて、厚く御礼申し上げます。
コチラをクリックしてくださるとうれしく思います。
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