ステンレス製赤とんぼ

気がつけばもう5月…。
世はすでにGWということで、本来であれば、
連休の出来事などを、いろいろと書いてみたいところですが、
今回は、それよりも少し前のことを、まずはご紹介したいと思います。

先日、岐阜県笠松町にある「笠松町歴史未来館」という施設で開かれていた、
『ステンレス模型 〜 飛べ!なつかしのプロペラ機 〜 』という企画展に、
行ってきました。

この催しは、題名の示す通り、
ステンレスを加工して作られた模型飛行機を、一同に展示する、
というもので、
それら飛行機は、地元笠松町でステンレスの加工業を営んでいるご兄弟が、
長い年月をかけて製作されたとのことです。

笠松町という街は、笠松競馬で有名なところなのですが、
ここ岐阜市からもほど近く、かくいう私自身が模型に興味津々ですので、
この機に見学に行ってみることにしました。
とはいえ、近くではあるものの、笠松町という地域にはまったく馴染みはなく、
笠松町歴史未来館を捜すのに、ちょっと苦労してしまいました。

この施設がある周辺は、道幅も狭く、建物がかなり入り組んで建っており、
外部の人間には、場所がけっこうわかりづらいかと思います。
今回、ヨメの運転するプジョーで出掛けたのですが、
うまく歴史未来館に辿り着きながらも、それとわからず、
一度は通り過ぎてしまいました。

クルマをUターンさせ、あたりを慎重に見回しながら走っていると、
館内にいた方が、私たちのクルマを見て、
手招きで案内をしてくださり、なんとか到着できました。

笠松町歴史未来館

こちらが館の正面玄関です。
手前が駐車場になっていて、建物は少し奥まった位置にあります。
間口はそれほど大きくありません。
博物館というより、銀行のようなたたずまいです。
(実際、もともとは銀行だったとのことです)

○笠松町歴史未来館のサイトはコチラへ

館内に入ると、ピカピカに輝く飛行機の模型がずらりと並んでいました。
案内をしてくださった方は、これら飛行機の制作者の方で、
聞けば、すべて1/30スケールで統一して作られているとのことでした。
もともと、ステンレス加工のお仕事をされているとのことでしたので、
こうした工作はお手の物なのかもしれません。

二式大艇

そのなかでもとくに目を引くのは、この二式大艇です。
この機は、周囲の展示物を圧倒する巨大さで、
他のものと比較することで、
それぞれの大きさの差やスケール感を体感することができました。

二式大艇について、私は詳しくは知らないのですが、
この機を見ていると、昔読んだ、
松本零士の戦場漫画シリーズ、ザ・コクピットの「大艇ふたたび帰らず」を、
思い出します。

一式陸攻

こちらは一式陸攻です。
すぐ隣には、人間爆弾である桜花も陳列されています。
これらの機も、ザ・コクピットの「スタンレーの魔女」や、
「音速雷撃隊」を思い出させます。

それにしても、ステンレスの模型は、見た目にも重量感があり、
鏡面のような光沢は、独特の存在感があります。

会場内

これらの作品のほかにも、震電、飛燕、五式戦、百式司偵など、
大戦中の日本の陸海軍機が展示されていました。
(ドイツ機、アメリカ機などはありません)

制作をされた方は、いまでこそ
ステンレス加工のお仕事をされているとのことですが、
もともとは、ここ笠松町で、船大工をされていたといいます。

木造船の模型

こちらが、かつて作っていた船の模型だそうです。
ステンレス模型もすばらしいのですが、
この船の模型も、とても緻密にできています。
笠松町は大きな川 (木曽川) に面しており、
かつては船を使った物流の中心だったそうで、
街には多くの船大工がいたそうです。

この船は『焼き玉エンジン』という駆動装置を持ち、
昭和30年代くらいまで、使われていたといいます。
物流の中心がトラックに取って代われるようになると、
こうした船も姿を消していったようです。

新型の航空機模型

館の二階には、常設の展示があり、
三菱リージョナルジェットやH-IIロケットの模型などを筆頭に、
この地域が貢献している産業や生産物などが紹介されています。

笠松の歴史

また、地域の歴史を紹介する展示物も多々揃えられています。
こちらは、当時の笠松の様子を再現したジオラマと古地図です。
飛行機模型を制作された方がもともと営んでいた船大工のお家も、
この地図の中に記されているそうです。

週末のひととき、こうした展示物をじっくりと堪能してきました。
また、模型の制作をされた方には、飛行機のお話だけでなく、
笠松の歴史などについても、幅広く解説をしていただきました。

この『ステンレス模型 〜 飛べ!なつかしのプロペラ機 〜 』展は、
5月の15日まで開かれているとのことですので、
お近くの方、興味をお持ちの方は、ぜひ、一度、ご覧いただければと思います。
入館は無料です。

○ ステンレス模型 〜 飛べ!なつかしのプロペラ機 〜

また、笠松町歴史未来館では、今後も、
さまざまなイベントや催しがあるようですので、
機会があれば、私も、またこちらに行ってみたいと思っています。





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