
さて、急なお仕事が入ってしまったりしましたので、
少し間が空いてしまいましたが、前回に引き続き、
1/24のシトロエンHバンの製作を、今回も、ご紹介していきたいと思います。
今回は、1/24スケールの小物の製作などについて、触れてみたいと思います。
なにしろ、エレールのキットを、移動販売者に改造するということで、
しかも、ゆくゆくはジオラマにしたいので、小物の製作は、いやがうえにも多くなります。
というわけで、ただでさえ製作が極端に遅い私が、さらに面倒を抱え込むことになるわけですが、
身近で生活感のある小物類は、ミニチュアになったとき、
見ていて楽しさがあり、そうした『楽しさが味わえる模型』をカタチにするためには、
やはりコツコツ作っていくしかなさそうです。
もっとも、模型は趣味なので、納期があるわけではなく、
気が向いた時に、やればいいだけなのですが…。

で、まず手をつけた小物は、簡単なところからということで、木箱です。
プラ板を適当な大きさに切り、取っ手の部分をピンバイスとカッターで開け、
あとは箱型に貼り付けて組み立てます。
板と板の継ぎ目は、Pカッターでけがいて溝をつけ、表現しておきます。
大きさについては、もう少し小さめでもよかったのかもしれませんが、
少しオーバースケール気味でも、だいじょうぶかなと思いましたので、
(なにしろ木箱なんて、厳密に大きさが決まっているわけではないのですから)
そのまま、作業続行です。
その後、ラッカー系塗料のタンをエアブラシで塗装し、
充分乾燥させてから、色鉛筆で木目を書き入れていきます。
書き入れた木目は、綿棒でこすったりしてぼかしたり、また、
あえてぼかさず輪郭を強調したりと、緩急をつけていきます。

その作業が終わったら、今度は、市販のデカールシートを使って、
デカールを自作し、木箱表面に書かれた文字を入れていきます。

使ったのはこの商品。
市販のインクジェットプリンターできれいに印刷できますが、
一般的なデカールのように仕上げることは困難です。
シートに厚みがあり、また、接着面にエンボスのような細かな凹凸感も出てしまうなど、
扱いには少し苦労します。
ただ、今回のように、木箱のような平面的なものであれば、
かつまた、そのあとにウェザリングを施すようなものであれば、
このデカールシールも、一定の役には立つかと思います。
貼り終えた後は、しっかりと密着、乾燥させ、最後に、フラットクリアーを塗っておきます。
後の紫外線によるデカール劣化も考え、
クレオスから発売されているUVカットのフラットクリアーを、吹き付けておきました。
デカールの厚みがちょっと厚いのですが、フラットクリアーを吹き重ねることで、
ほとんど気にならなくなります。

次の小物はテーブルと椅子です。
本来であれば、コバーニ工房の製品を使いたいところですが、小物ばかりに、
そんなにお金をかけてもいられないので、今回は、自作することにしました。
ネットなどで、似たような形のテーブルと椅子の写真や図面をあたり、
また、それらを、作りやすい形状にアレンジしつつ、
アドビイラストレーターで図面を描き、プリンターで打ち出させます。
それを、プラ板に貼り付けて、エッジごとに針で穴を空けて、
パーツの形状をプラ板に写し取り、カッターで切り出していきました。
細い棒状のパーツ部分は、エバーグリーンのプラ材を用い、
図面の上に仮止めして組み上げていきます。
こうして、椅子とテーブルを完成させたのですが、なんと、
1/24スケールでは微妙に大きいことが判明し、結局、もう一度、
作り直すハメになりました。
木箱はオーバースケールでもかまいませんが、椅子のオーバースケールは、
あきらかに座るのに適さないものになってしまうため、
一定の正確な寸法出しは必要なようです。
ただ、日本の椅子と、欧米の椅子は大きさも少し違っているようで、
そのあたりも考えつつ、製作しなければならないようです。

完成したプラ製の椅子とテーブルに、クレオスの黄土色を吹き付け、
木箱のときと同じように、色鉛筆で木目を描いていきます。
さらに、板目ごとにマスキングして、クレオスのレッドブラウンを軽く吹き、
板目ごとに色を帰ると、雰囲気が出ます。
板の継ぎ目には、ウェザリングカラーのグランドブラウンで墨入れし、
立体感を強調。
最後にフラットクリアーを吹いて、フィニッシュとします。
こうした、家具などの生活用品の模型製作は、
ドールハウス的な楽しみもありますよね。

ミニチュアのテーブルと椅子はプラ板を木のように塗装したもので、
その下にある台は、実際の木ですから、質感を比べてみるのに好都合です。
どうでしょうか。
板の質感がでているでしょうか。

シトロエンHバンの車内には調理用のテーブルと、
そのしたのデッドスペースを埋めるための棚を設置しました。
この棚は、ネットで見つけた実車の写真をモデルに製作しています。

棚の横(奥側)には、簡易冷蔵庫も入っています。
それがこちらなのですが、この冷蔵庫は、完成後にはほとんど見えなくなるので、
細部にはまったくこだわらず、簡素な作りにしています。
ここであんまり凝ったりしていると、またまた完成が遠のきますから…。
ちなみに、このような小型冷蔵庫が実際にあるのかどうか、
そのあたりは、雰囲気優先で作ってしまっています。

こちらは、車外に置くことを想定した、鉢などを置く棚です。
エバーグリーンのプラ材から作っていますが、このようなものの製作においては、
プラ材が大活躍してくれます。

ついで、メニューを描いた看板を作っていきます。
こちらも、ネットで写真を探し、それをプリンターで印刷し、
プラ板に貼り付け、切り出します。

プリンターの紙は、通常のものなので、そのうえに、フラットクリアーを塗布しておきます。
紙のうえにじかにクリアーを塗るので、何も考えず塗ってしまうと、
プリントしたインクが滲んで流れてしまいます。
ですので、パラ吹きをくりかえし、徐々に濃く、厚く、クリアーを塗ってみました。
もちろん、ここでもUVカットのクリアーを使っています。
そして、エバーグリーンのプラ材で周囲を囲み、
レッドブラウンで塗装して完成です。
けっこう雰囲気が出たかなと思っています。
ただ、まだマスキングテープで仮止めしているだけですので、
今後、きちんと接着したいと思います。

サビについても、さらにチマチマと作業を進めています。
前回も書きましたが、色鉛筆やパステルを使って、浮きサビを描いていきます。
こうした作業は、とどのつまり、リアルイラストレーションを仕上げることと、
ほとんど同じです。
どうすればリアルに見えるのか、そのあたりを常に考えつつ、
また、実際に錆びた鉄板などを観察しつつ、作業を進めますが、
ただ見たままを再現するのではなく、模型ということも考慮し、
サビのデフォルメもしていかなくてはなりません。
ほんとうは、もっと大きな画像で見ていただきたいのですが、
この記事だけ、写真の大きさを変えるのも、なんだかみっともないし、
結局、いつもの写真サイズにしましたが、いずれは私のサイトなどで、
大きな画像を紹介できればと思っています。

シトロエンHバンの車体は、プレス加工により、
強度保持のためのライン状の凹凸が設けられていますが、
この凹凸にスミ入れしてしまうと、ちょっと重くなるような気がしたので、
そのあたりは、何もしていません。
汚れて錆びてはいても、今回はクルマが対象であり、戦車のような仕上げ方は、
やはりできないのかなと思います。

まだまだ、今後の作業がありますので、
ウインドウグラスに貼ったマスキングシートは、剥がすことができません。
いったん剥がしちゃうと、また貼り付けるのはたいへんですしネ。
というわけで、ほんとうに牛歩のあゆみといった感じの進み具合ですが、
なんとかここまでこぎつけました。
でも、まだ、車体のメイン看板をつけたり、食器や瓶などの小物を付け加えたり、
車体にも埃汚れをつけたり、はたまたジオラマベースをつけたりと、
まだまだ先は長そうです。
でも、このチョーゆっくりペースのまま、作業を進めていきたいなと思っています。
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