美濃金山城

前回、岐阜県東濃地方にある山城『苗木城』に行ったことを紹介しましたが、
今回も、同じ岐阜県東濃地方にある山城について、少し書いてみたいと思います。
2回目の今回、行ってみた城は、美濃金山城という山城です。
この城は、信長に仕えた『森長可』の居城で、現在の岐阜県可児市に、
その跡が残っているといいます。
おりしもいま、これら山城で、スタンプラリーをやっており、先日行った苗木城で、
スタンプラリー用の用紙をもらってきたので、今回、
新たなスタンプを入手するためにも、この美濃金山城に行ってみることにしました。

もっとも、とてもアップが遅い当ブログですので、じつは、
美濃金山城に行ったのは、一週間以上前の、今月17日のことになります。
(なかなか迅速なアップができず、反省しています。すみません)
この日は、天候もよく、前回の苗木城同様、最高のお出かけ日和となりました。
目指す美濃金山城は、ここ岐阜市からは、方向としては、
苗木城とほぼ同じ、東になります。

ただ、距離としては、苗木城よりもずっと近く、
まさに、ちょっとお出かけ……、近場へのドライブという感じでした。
もっとも、出発が昼過ぎと遅かったので、
このあたりが、ちょうどよかった、といえるかもしれません。

ところが、道がよくわからず、結局、いくらか大回りをすることとなってしまい、
予定していた時間よりも、少し多めにかかってしまいました。
同じ岐阜県といえども、美濃金山城がある可児市のあたりは、地理がよくわからず、
なんだか無駄に走ってしまったようです。

交流館

と、いろいろありましたが、無事、美濃金山城の周辺地域へと到着。
まず最初に行ってみたのは、可児市観光交流館です。
こちらには、無料で入ることができます。

具足がいっぱい

室内には、具足を身につけた武将の姿が……。
大きな施設ではないですが、なかには、お客さんも多数いました。

この施設の隣には、可児市戦国山城ミュージアムという施設があります。
こちらは、入場料が必要となります。
というわけで、こちらにもさっそく入ってみることにしました。

たいへんお恥ずかしい話で恐縮ですが、美濃金山城というのは、
信長に仕えた、あの森長可の居城だったんですね。ぜんぜん知りませんでした。
森長可といえばビッグネームですよね。
信長に仕えた、というだけでなく、小牧長久手の戦いでは、
秀吉に与し、最後には、討ち取られたのではなかったかと思います。
たしか、大河ドラマ『真田丸』でも、本能寺の変のあと、
滝川一益などと同様、信濃で足止めされてしまう、森長可の姿が、
描かれていたように思います。

美濃金山城ジオラマ

ちなみにこちらが、館内にある美濃金山城のジオラマ模型です。
苗木城の資料館にも同様のものがありましたが、やっぱり、ジオラマは、
みていて楽しいですね。
というか、ジオラマ、作りたい……。

森蘭丸具足

そして、こちらが、信長に近習として仕えた美少年、森蘭丸の具足です。
この兜とか、みたことがあるんですが、森蘭丸のものだとは、
いままで、知りませんでした。ああ、不勉強。

そのほかにも、この施設には、鉄道にまつわる展示などもされていました。
歴史マニアだけでなく、鉄道マニアも楽しめる施設かと思います。

というわけで、ひととおり施設を見学したあと、いよいよ、
美濃金山城に登城してみることにしました。

絶好の好天

まず、金山城登山客のための駐車場に、プジョーを移動させ、そこから、
歩いて向かうことにしましたが、このとき、どうせ、道を歩けば、
案内看板などがあって、城の場所はわかるだろう、
と、たかをくくり、ガイドマップをクルマのなかに置いて行くことにしました。
そしてまずは、案内板にしたがって、米蔵跡へと進みます。

年貢米を収めた蔵跡

こちらがその米蔵跡です。
城があった当時、ここには、年貢米が保管されていたといいます。
残る石垣はかなり立派で、米蔵はとても規模の大きなものだったと推察できます。
また、この場所は、明治から戦後の時期まで、製氷池として使われていたそうです。
そのことからも、この場所は、意外と低温だったようです。

さみしい看板

そして、米蔵を過ぎると、このうらじろの径という看板が現れるのですが……。
あるのはこの看板のみで、どこにも、天守跡、とか、
美濃金山城、といった表記がありません。
しかも、なんだかさみしい雰囲気ですし、さっきまで戦国山城ミュージアムにいた、
ほかのお客さんの姿も見えず、あたりには、だれもいません。

この道でほんとうにあっているのか、不安になりましたが、
ガイドマップはクルマのなかに置いてきてしまいましたし、とりあえず、
このうらじろの径を、登ってみることにしました。

山道へ

まあ、道自体は、適度な幅もあり、それほど通行に支障のあるものではありません。
ただ、あたりは鬱蒼とした森の中で、なんとなく薄暗く、しかも、
看板はなく、登るにつれ、不安感が増してきました。
でも、気を取り直して進みます。
ところが、歩けども歩けども、なかなか着きません。
これならば、もっと山城然としていた、苗木城のほうが、はるかに登城が楽です。

やっとで看板が

そうこうするうちに、やっと、森の中の広場のような場所に行き当たりました。
ここで道が分かれており、ようやくにして、金山城跡という表記に行き当たりました。

階段状の道

その矢印看板の先は、延々と伸びる階段状の道のようです。
でも、間違いない道だと思うと、士気も上がり、木材を組んだ道を登り始めたのですが……。

これが、行けども行けども着きません。
もう、どこまで登るんだろう、という感じです。
ヨメは無口になり、どんどん遅れ気味になっていきます。
それでも、ひたすらに登り続けました。
ちなみにこの道は、途中あった看板によると、杉ヶ洞搦手道というそうです。

やっと到着

こうして、ようやくにして、金山城跡に着きました。
ほんとうにここまで長かった。
石垣は、苗木城にあった美しい石組みではありませんが、このほうが、
戦国の山城の気分がでますよね。

抜群の眺め

しかも、この場所からの眺めは最高です。
こうした、下界の景色を楽しむことができるのも、山城の醍醐味です。

美濃金山城は、天文六年に、斎藤道三の猶子であった、
斎藤正義という人物の名で、築城されたといいます。
(もっと古いものでは、と思っていました)

ちなみに、この場所には、見物客の姿がちらほらとあります。
とはいえ、うらじろの径から、杉ヶ洞搦手道では、人影は全くありませんでした。
いったいどういうことだろう、と思ったら……。

なんと、杉ヶ洞搦手道のちょうど反対側にも登山道があり、
そのすぐしたには、なんと、駐車場があるではないですか!。
ということは、こちらが、美濃金山城の、正式な登山ルートだったようです。

うらじろの径は、その名の通り、うらの道だったんですね。
それにしても、長くて苦しい道でした。
(でも、関ヶ原の松尾山登山道よりはマシですよ)

日露戦争戦没者の碑

ちなみに、駐車場に降りる道は、日露戦争の戦没者を祀る碑があったりしました。
なぜ、この場所に建てたんでしょうか。
いずれにしても、城とは別に、これも興味深いです。

破城の痕跡

また、こちらは、破城の痕跡と呼ばれる部分だということです。
一度築いた城を、故意に破壊して、新しい城が築かれることを防ぐことを、
破城というそうですが、こちらが、その破城のあった石垣のようです。

石垣自体は、野面積みのもので、こちらも、戦国時代のものではないかと、
思います。

こうして、いろいろありましたが、美濃金山城を満喫してきました。
山城は、ハイキング気分も味わえ、なかなかに楽しいものですね。



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苗木城

すでにもう、十日もまえのことになってしまいますが、
三連休の真ん中の日曜となった今月の10日、
岐阜県東濃地方にある『苗木城』へと行ってきました。
この城は、ネットなどの情報によると、
日本の山城ランキングで、1位になった、とのことで、
それならば、というわけで、今回、ちょっと足を運んでみることにしました。

もっとも、ここ岐阜市に拠点を移す前から、苗木城のあるあたりには、
過去に何度も行っており、苗木城への案内看板も、幾度となく見ているのですが、
そのときは、別の目的地があったということもあってか、
足を運んでみようと思うことがなく、今回、ついに決行と相成りました。

ここ岐阜市から、苗木城に向かうには、まず、国道21号をひたすら東に走り、
土岐市に入ったところで、今度は国道19号線に乗り換えて、さらに東へと向かいます。
中津川市に入ったところで、今度は、国道257号線に入り、北へと進路をとります。
木曽川を越えてしばらく走ると、道路の端に、苗木城への案内看板がでてきます。

今回の出動車は、ヨメのプジョーですが、
同じ岐阜県内ですので、距離もさほどではなく、
しかも、空は快晴で、気持ちのいいスムーズなドライブでした。

ただ、苗木城の駐車場に向かう道が、途中ちょっと狭く、
また駐車場手前の勾配もなかなかにきつく、けっこう難儀しました。
もし、MINIで来ていたら、車体下部を擦ったかも、と、怖気付きもしました。

プジョーでおでかけ

というわけで、なんとか無事に現地到着。
駐車場は、すでに満杯に近い状態でした。
おりしもこのとき、城へと向かう具足を身につけた人たちを発見!!。
どうやら今日は、なにかお祭りのような、イベントがあるのかしれません。

というわけで、さっそく、苗木城を目指して歩いてみることにしました。
私は、苗木城については、恥ずかしながら、まったく知識がないのですが、
このあたりは、天正の初期のころは、
織田と武田との最前線という状態ではなかったのでしょうか……。

山城の勇姿

というわけで、最初のビュースポットから、苗木城を見てみます。
もう、鉄壁の城塞という感じですね。しかも、石垣の保存状態もすばらしい。
山城ランキング1位というのも、大いにうなずける気がします。

苗木城への道

山城というからには、行くのもたいへんかと思われますが、
駐車場からは、さほど歩かずとも行くことができます。
難攻不落の城のわりには、楽に行くことができる、というのも、
なんともお手軽でいいですね。
実際、多くの見物客の方で、賑わってもいました。

○ ぎふの旅ガイド / 観光スポット 苗木城跡

実際に城のふもとに立つと、山城の雰囲気もありつつ、
なんだか、マチュピチュのような気配もあって、
ワクワク感が、さらに高まってきます。

天守への道

そして、いよいよ天守があったという山の頂へと登ります。
こちらがその道ですが、十分な道幅もあり、登城の難易度は高くありません。
ただ、なにぶんにも、山城ですから、場所によっては、
滑落、落下の危険性のあるところも、散見されます。
手すりなどの無粋なものは、極力排してあるようですので、
お出かけの際には、足元にくれぐれもご注意ください。

曲輪

道の途中からは、下方にある曲輪を見ることができます。
こうした曲輪はそこかしこにあり、礎石を見ることもできます。
土木機械のない時代、こうした山の上に、建築物を作ることは、
極めて大変な作業だったと思われます。

もう少しで天守

道はつづら折れになっており、登るにつれ、
なんだか、天へと向かっているような気持ちになります。
この城は、もともとあった巨石など、自然の地形を巧みに取り入れて、
作られたもののようです。
巨石は、いまもこうして残っており、おそらくは、
元亀天正の昔も、このままの姿だったのではと思われます。

すばらしい眺め

というわけで、頂上につくと、それはもう、胸のすくような眺めです。
天気もいいので、ほんとうに、すばらしい景観でした。
もう、最高です!。

最初に駐車場で見かけた、具足に身を固めた武将の方たちも、
ちょうどこの場所に集結していました。

天守部分にある櫓状構造物

天守のあった場所には、櫓のような格子状の木造建造物が設置されていました。
墨俣一夜城のような、ありもしないお城を復元するより、
このほうが、はるかに好感が持てますね。

ここで、観光ボランティアと思われる人に訊いてみたのですが、
武将の人たちは、趣味で武具を作って着用して楽しんでいる方たちとのことで、
とりたてて、この場でお祭りをやっているとか、そういうわけではなさそうでした。

というわけで、折を見て、武将の方のひとりに、声をかけてみました。
その方も、同じ岐阜県の方で、身につけている冑などは、
すべて手作りをしているということでした。
(清洲城にある信長の冑をもとに、自ら手作りしたといいます)

材料はアルミなどを用い、また、鎖帷子なども、すべて、手作りしたとのことで、
そのクオリティの高さに、たいへん驚いてしまいました。
近くでまじまじと見ても、破綻がありません。
こういう出で立ちで城にくると、また、気持ちも盛り上がるでしょうね。

記念撮影

というわけで、お話をうかがったあとに、記念撮影もしてもらいました。
(ほかにも、いろいろと撮影させていただきました。ありがとうございました)

マチュピチュのよう

こちらは、大矢倉という、三階建の矢倉のあとだそうです。
石垣の積み方がとても美しい。
戦国時代の石垣の積み方は、野面積みが一般的かと思いますので、
このような、精緻できれいな積み方ではなかったのではないかと思います。
もっと後の時代の、江戸時代に入ってから積まれたものかもしれません。
江戸時代、この地には、一万石ほどの苗木藩という小藩があったといいます。

というわけで、苗木城をさんざん歩いて散策し、満喫した後は、
ふもとにある、苗木遠山資料館に行ってみました。
JAF会員証を見せると、入館料を割引してもらえます。

資料館にある模型

こちらには、苗木城のかつての姿を偲ぶ、ジオラマが展示されています。
いま、歩いてきた城を、ジオラマで見るのは、とても興味深いです。
ああ、あのあたりは、昔、こうなっていたのか、と、身をもって知ることができます。
それにしても、山城って、楽しいですね。

というわけで、丸一日、苗木城を堪能してきました。
おりしもいま、山城スタンプラリーが行われているとのことで、
この翌週、今度は、美濃金山城に行ってきたのですが、その時の模様は、
また、次回、当ブログで、ご紹介したいと思います。
(ですので、今月は、山城特集みたいな感じになるかと思います)



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