コクピット

4月も終盤となり、いよいよ今月末からは、大型連休が始まります。
今年は10連休になるとのことで、いまから、
旅行の予定などを立てていらっしゃる方も、多いのではないかと思います。

我が家では、とりあえず、実家のある飛騨高山に行く予定をしていますが、
そのほかの予定は、いまのところ、とくにありません。
もっとも、この長い休みを利用して、できれば、
MINIか、もしくはヨメのプジョーで、普段はできないような、
遠出をしたいなと思っています。
(能登あたりか、長野のあたりへ行きたいな、なんて思っています)

そんな連休をまえにしたいま、
ブログに書くような出来事も、ほとんどないままに過ごしていますが、
さすがに、なにもアップしないというわけにもいきませんので、昨年購入して、
チマチマと製作を進めている模型のことでも、ちょっとご紹介したいと思います。

以前にも少し書いたことがありますが、私の趣味のひとつに、模型製作があります。
が、ここ数年は……。というよりも、ここ数十年は、わずかに手を動かすことがあるものの、
まったくといっていいほど完成したものがなく、万年作りかけ状態です。
以前に紹介したシトロエンHトラックも、その後、製作がストップしています。
なにしろ、1日はあっという間ですし、まとまった製作時間がとれないということが、
その大きな原因ですが、いま住んでいる賃貸マンションが手狭で、製作場所を、
なかなか確保できないということも、万年作りかけ病の原因かもしれません。
(なにしろ、Macのキーボードを避けて、製作することになるわけですから……)

もう少し広い部屋ならばいいんですが、そうもいっていられないのが現実です。
ところが、そうはいいつつも、新製品が出るとウキウキしてしまい、
ホビーショップに足を運んでは、製品の箱をたがつすがめつして、楽しんだりしています。
(押入れの肥やしになるばかりなので、めったなことでは買いませんが……)
そうはいいつつも、興味のあるものはどうしても食指が動いてしまいます。
この春にも、タミヤの新製品である1/35シェリダン、買ってしまいました。

タミヤのシェリダン

シェリダンといえば、1970年代、タミヤからキットが発売されましたが、
金型の抜きの関係で、車体の側面にあるリベットが無視されてしまったりと、
ディテールにおいて、今日の水準からは程遠いものでした。
高校生の頃だったでしょうか、私は、リベットを再現しようと、
シェリダンのキットの車体側面に、エポキシ接着剤を爪楊枝につけて押し付け、
リベットを再現したことがありました。
もちろん、今回発売された新製品のシェリダンには、抜かりなく、
車体側面のリベットが再現され、そのほかにも、旧製品とはくらべものにならないほどの、
素晴らしいモールドがなされています。

もっとも、箱を一度開けてみただけで、そのあとは、机のしたで、
ずっと眠っている状態です。
時間があったら……。いや、時間をみつけて、作りたいものです。

○ タミヤ - ミリターミニチュア1/35 M551 シェリダンの情報はコチラ

そのシェリダンの購入よりも前に、すでに昨年のことになりますが、
思わず衝動買いしてしまったのが、こちらのバルクアームαです。

バルクアームのボックス

私は、戦車マニアなので、このようなロボットものは買わないのですが、
(ロボットもののイラストはよく製作していますが)
このバルクアームは、デザインが現実的で、しかも、可動パーツもよく考えられているため、
とりあえず、ロボットなどのイラストの資料として、購入してみました。
3DCGの制作においては、図面と、模型が最大の資料になりますし……。

○ ヘキサギア - バルクアームα コトブキヤの情報はコチラ

こちらのメカは、特定のアニメなどに登場するものではなく、
模型メーカーであるコトブキヤのオリジナルの製品のようです。
ディスプレイモデルというより、動かして楽しむ、
いわゆる『アクショントイ』的な要素を持つ製品のようですが、
なかなかに精密感のある出来となっています。
なにより、無骨なデザインが素晴らしいですし、
架空のものとはいえ、近未来の兵器を思わせる現実感のあるフォルムが、
魅力的です。

製品は、一般的なプラスチックモデルに使われるスチロール樹脂と、
高い強度や耐摩耗性を持つABS樹脂から成っています。
ABS樹脂とスチロール樹脂は、見た目にも、手触りにも、まったく違いがないですが、
やっかいなことに、ABS樹脂は塗装に弱いという欠点があります。
最近は、プラモデルを塗装しない人も多いようですが、しっかりと塗装をする人にとっては、
ABS樹脂は、好ましからざる存在です。

ABSパーツ

なにしろABS樹脂は、シンナーなどの溶剤が浸透すると、途端に強度が落ち、
すぐに割れてしまったりするというのです。
ABSは関節などの可動部に使われており、テンションがかかるがゆえの配慮なのですが、
逆にいえば、割れてしまうと元も子もないということにもなるかと思います。
これはやっかいですね。

ならば塗装しなきゃいいだろうとも思うのですが、パーツが左右に分割された箇所があり、
分割のための隙間を埋めてキレイに整形したい箇所もあるため、
塗装は避けては通れません。
ところが、そのためのプライマーなるものが発売されており、
今回は、そのプライマーを使ってABSを保護しつつ塗装することにしました。

使用したのは、タミヤのナイロン・PP用プライマーというスプレーです。
ABSにも使用可能ということですし、
なによりも、タミヤの製品ということで、安心感もあります。

ただ、このスプレー、通常の塗料よりも粘性が高いように思います。
ある程度使用してガスが少なくなってくると、吹きつけたパーツの表面に、
凹凸やざらつきを生じることもあるように思いますので、
使用の際には、気をつけたほうがいいかもしれません。

ですが、このスプレーをABSに吹き付ければ、たしかに、
ラッカー系塗料で塗装しても、パーツの割れは起きません。

ただ、他パーツとの接合部 (可動部) にも、プライマーのスプレーがかかってしまうと、
可動する部分の動きが、固く、渋くなってしまうので、
スプレーする際は、可動箇所をしっかりとマスキングする必要があるようです。

いずれにしても、面倒で扱いにくいなものですね。ABSというのは……。
しかも、接着剤も、専用のものを用いないとダメだそうです。

きれいに処理

というわけで、左右に分割されているパーツは、双方の接着面に、
ABS専用接着剤をたっぷり塗り、わずかな時間を置いて、貼り合わせます。
隙間から接着剤が溢れるほどに力強く貼り合わせ、乾燥後、はみ出した接着剤を、
ペーパーをかけて落とします。
これで、パーツの貼り合わせによる隙間をきれいに埋めてしまうことができます。

ペーパーをかけたあとは、サーフェイサーを吹き、
仕上げにクレオスの黒鉄色を吹き付けましたが、
パーツを貼り合わせたことで生じる隙間は、完全に消すことができました。
ここは目立つ箇所なので、慣れない素材のため整形には神経を使いましたが、
なんとかうまくいって、ホッとしています。

パーティングライン処理

またこちらは、ロールバー状のパーツが一発モールドされているところに、
パーティングラインが走っているため、
きれいにパーティングラインを削り取ってペーパーでならす作業がやりづらく、
しかも、若干の段差があるために、ロールバーを避けて平滑に整形するために、
結局、溶きパテを盛らざるを得なくなりました。

ABSのパーツに溶きパテなんか塗りつけてはたして大丈夫か、と思ったのですが、
プライマーが吹きつけてあれば、溶きパテを筆で塗っても、だいじょうぶでした。
(ちなみにこの溶きパテは、タミヤパテをラッカーシンナーで溶いたものです)
また、プライマーさえ下地にあるのなら、タミヤの瞬間接着剤イージーサンディングを盛っても、
差し支えないようです。

ただ、推奨はされていない方法かと思いますので、いずれにしても、
大きな面積はやらないに越したことはないかと思います。

バー部分をパテ埋め

というわけで、無事、きれいに整形でき、その後、バー部分を黄色に塗ろうと思い、
まずはベースホワイトを吹きつけ、そのあと、グンゼのイエローを吹いてみたのですが、
このときになって、バー部分にパーティングラインが残っているのを発見し、
またしても、溶きパテを塗りつけることになってしまいました。
(バーのグレーの部分が溶きパテを塗った箇所です)

が、最終的には、うまく整形することができました。
プライマーさえ吹いてしまえば、あとは、通常のスチロール樹脂のように、
扱えるようです。

コーションデカール

せっかくだから、注意書きのデカールも貼りたい、と思い、
テキトーなデカールを探して買ってきました。
ガンダムようなので、文字が小さすぎるようにも思いますが、
なんとか、許容範囲かなと思っています。

といっても、半年以上の月日をかけても、製作はまだここまで。
ここから先はまだまだ長いのに、これではまた、完成は遠い未来のようですネ。

バルクアーム完成写真

完成すると、このようになるらしいです。
テイストしては、ボトムズに近い雰囲気で、足の長いスマートなメカと違い、
無骨で、いかにも兵器然としていて、私としては、好ましいスタイルです。

なんとか、この姿が拝めるようになるまで、到達できればいいなと、
思っています。


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ソッカの美術解剖学ノート

昨年末、名古屋で行われた忘年会のさいに、ゲートモールタワーの本屋さんで、
『ソッカの美術解剖学ノート』という本を見つけました。
この本については、昨年末よりも以前の段階で、
すでに、Amazonなどの書籍販売サイトで見かけていたのですが、
ここ岐阜市では、現物を目にする機会がまったくなく、
この年末のときになって、はじめて、店頭で目にすることができました。

で、まず驚くのが、その厚みです。
こうした大判の書籍では、過去にあまり例がないほど、厚みがあつく、
まるで箱のような感じです。
実際にページをめくると、その厚みと同様、ボリュームたるや、
すごいものなのですが、イラストのクオリティもとにかくすごい。

イラストは、解剖学的な図版をはじめ、コミカルタッチなものや、
また、リアルな描画など、多岐にわたっているのですが、
そのすべてに、しっかりと手が入れられており、ほんとうに、驚くぱかりです。
著者は、韓国の方がだといいますが、とにかく、掲載の作品群も、
また、解剖学の解説についても、これまで、見たことがないほどにくわしく、
わかりやすいものとなっていました。
(もちろんそのぶん、お値段もかなり張る書籍になっています)

というわけで、さっそくこれは買わなければ、と思ったのですが、
おりしも、忘年会に行く直前でしたので、このような大ボリュームの本を買うことができず、
今年に入ってから、amazonで購入することにしました。
(本屋さん、すみません……)

もっとも、購入したのは先月のことで、宅急便で受け取ったあとも、
忙しさにかまけて、amazonの段ボール箱を開けることもなく、
今日まで、塩漬け状態になっていました。
こんなことなら、今月、いろんなものをまとめて買えばよかったな、なんて、
思っています。

解剖学図もあり

解剖学図というと、医学書においては、ほぼすべて、正面図か、
もしくは、側面図となっています。
ですので、解剖学図は、実際の形状を立体的に把握することが、少し困難なときがあります。
しかし、この書籍においては、斜め横からの解剖図があり、
これだけでも、たいへん重宝します。
こうした図が書ける著者は、解剖学の知識と、たしかなデッサン力とを、
しっかりと併せ持っているということだと思います。

コミカルな表現もあり

こちらは、コミカルなイラストを用いた解説ページになります。
コミカルなイラストといえども、しっかりしたデッサン力に裏打ちされたもので、
極めてレベルの高いものです。
しかも、いままでの解剖学書にはない、とても親切でわかりやすい解説となっています。

描き方の指南もあり

同様の資料書籍に、アーティストのための美術解剖学、や、
スカルプターノための美術解剖学というものがあり、どちらも、
とてもよい資料で、私も、筋肉などの解剖図を描くとき、大いに参考にしたものですが、
本書ソッカの美術解剖学ノートは、コミカルタッチのイラストで、
骨や筋の役割や仕組みを解説しつつ、なおかつ、描き方まで指導してあり、
前出の二冊よりも、さらに詳しい内容となっています。
ここまで詳しい書籍は、なかなかお目にかかれるものではありません。

○ ソッカの美術解剖学ノート - オーム社~

しかも、著者のオリジナルイラスト作品も、随所で紹介されています。
そのクオリティもすごいのですが、しっかりと時間をかけて描かれた、すばらしいものです。
背景の細かなディテールまで精緻に描いてあり、注がれた情熱を、
ひしひしと感じることができます。

イラスト作品

7,000円を超えるという、お財布に厳しい高額な書籍ですが、
その価値は、充分にあると感じられます。
こうした本を手に取ることができるというだけで、なんだか、
特をしたような気持ちになってしまいます。

とはいえ、いま、私は、筋肉系のイラストを手がけておらず、
内臓系のものばかりとなっていますが、またいずれ、
この書籍が、大いに役立ってくれる日がくるかと思います。

また、訳文も、平易で読みやすい日本語となっており、
読み物としても、楽しめる内容となっています。

著者は、韓国の有名な漫画家であるとのことですが、
この方には、良書を世に送り出してくれたと、感謝するばかりです。



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