1/12機動歩兵

全国に緊急事態宣言が出されたまま、いよいよGWに突入となりました。
そんなわけで、今年の大型連休は、いままでにない、特殊なものとなりそうです。
我が家でも、本来であれば、この連休時に、実家の飛騨高山に帰省する予定なのですが、
今回は、それもできそうになく、結局、家のなかで、
ウジウジしつつ過ごすことになりそうです。はあ〜(ため息)
おそらく、連休を過ぎでも緊急事態宣言は解除されないでしょうし、
感染拡大も、沈静化することはないかと思います。
ですので、この先も、当ブログではもっとも頻度が高い『お出かけネタ』を、
封印することになってしまうのかなと思っています。
それにしても、ほんとにドーンと遠くに出かけたいものですね。
そんな日が……。ごく普通の日常が、ふたたび帰ってくるのでしょうか。
このコロナを機に、いままでの日常が、もはや取り戻せない過去となるのではないか。
そして、まったく新しいライフスタイルに、否応なく変えられてしまうのではないか。
日々、コロナ一色のテレビ番組を見ていると、そんな心配をしてしまいます。

そんなわけで今回も、オタク趣味系の記事をアップしたいと思います。
今回は、かなり昔に、waveから発売された、1/12機動歩兵のキットを、
ちょこっと取り上げたいと思います。

この機動歩兵というのは、ロバート・A・ハインラインのSF小説『宇宙の戦士』に、
登場するメインメカだそうです。
見た目的にはまったくのロボット状態ですが、ロボットではなく、人間が着用する、
強化服という設定で、人間の筋力を何倍にも増幅し、また、密閉されることで、
人間の生存が困難な環境や宇宙でも活動もでき、かつ、戦車のように装甲もされている、
という設定だそうです。

組みにくいキット

もっとも、小説なので、ビジュアルがないはずなのですが、
スタジオぬえのイラストレーター加藤直之氏が、
挿絵を描いており、キットは、その挿絵をモデル化したもの、というわけなのです。
加藤直之氏は、私の大好きなイラストレーターのひとりであり、氏の画集は、
ほぼすべて持っています。
いちばん最初に出された画集は、貴重な本人のサイン本です。

もっとも、SF好きで加藤直之ファンの私なのですが、じつは、
宇宙の戦士は読んだことがありません。
というのも、ものすごく矛盾したことをいうようですが、小説の文中に、
挿絵が入っているのが、すごくイヤなんです。
挿絵の優劣や好き嫌いではなくて、文中にビジュアルを入れられることが、イヤなんです。
極めて個人的な感覚なんですが、大人の読む本として、
それはいかがなものか、と、思っちゃうんですよね。

なので、宇宙の戦士とよく比較されるジョー・ホールドマンの『終わりなき戦い』は、
二十年以上まえに読みましたが『宇宙の戦士』については、
今後も、読むことはないかな、と、思っています。
(終わりなき戦いは、カバーイラストだけで、文中にイラストはないですからね)

ですが、加藤直之氏が描いたメカはめちゃくちゃかっこいいです。
キットは『機動歩兵』と銘打たれていますが、劇中では『パワードスーツ』という言葉が、
用いられているのではないかと思います。
このパワードスーツは、作画こそ加藤直之氏ですが、
デザインは、同じぬえに所属していた宮武一貴氏が手がけたそうです。

背面から

この製品が発売された当時は、
挿絵のメカがプラキット化されるなんて、なんだか夢のようだなあ、などと、
いたく感動したものでした。

が、このキット。さすがに、バンダイのガンプラのようなハイクオリティなものではなく、
金型を使ったインジェクションキットとはいえ、ガレージキットみたいなノリです。
モールドやエッジは甘く、設計においても、首をかしげる箇所がいくつもあり、
パーツ分割も単純に左右に割ってあるという感じで、
合いもまあ、そこそこというところでしょうか。

とはいえ、加藤直之氏の監修が入っているため、
全体のフォルムについては、もう、文句のつけようがありません。
また、各関節の蛇腹部分がすべて別パーツ化されるなど、
極めてアグレッシブな表現も見られます。
なによりも、あのパワードスーツのイラストが、立体物として購入できる、というだけで、
もう、素晴らしいことです。
(もっとも、その後、千値練の完成模型が発売されたりしたんですけどね)

さて、このキット、じつは、ずっとまえに作りかけていて、そのまま放置していたものです。
(やっぱり、作りやすいものではなかったですから)
それを、このコロナ禍で、ふたたび引っ張り出してきたって感じですね。

こうして、キットという立体物になって、はじめてわかることがあります。
それは、このパワードスーツの基本デザインが、
2001年宇宙の旅に登場する、宇宙服をベースになされている、ということです。
とくに、肩のエアインテイク部分を外した状態だと、2001年に出てくる宇宙服に、
酷似していると思います。

脚パース

いま、サーフェイサーをかけて、ペーパーをかけて、という作業を繰り返していますが、
ここで丁寧な仕事をしておかないと、後々の仕上がりに、影響してくるかなと思います。
まあ、隙間やヒケが多いキットですからね。
このあたりは、地道にシコシコするしかないですね。

頭部には隙間が

頭部なんて、もう、左右にがっつりと大きな隙間ができます。
遠い未来の超絶的な科学技術によって作られた兵器、としては、ありえない展開です。
でもまあ、こんなもんなんでしょうね。
このあたりも、根気よく整形していく必要がありそうです。

あっさりした背嚢

また、このキットは、加藤直之氏のイラストをベースにモデライズされていますので、
ディティールについても、あくまでイラストを踏襲したものになっているようです。
ただ、模型として見た場合は、ちょっとあっさりしているような気がしないでもないですね。
遠い未来のオブジェクトなので、ボルトやナットで固定されていたり、
溶接跡があったりするのは、時代錯誤的でおかしいのでしょうが、
それでも、もうちょっと、なにか密度感のある工夫があってもいいのかな、と思ってます。

ところで、隙間やヒケを埋める作業ですが、
先日買ったタミヤの瞬間接着剤『イージーサンディング』を使うと、とても効率よく、
作業できます。

なにしろ瞬間接着剤ですから、硬化が極めて早い。
しかも、ラッカーパテに付きもののヒケが、ほとんどありません。
盛ってすぐペーパー掛けに入れるというのは、ほんとうに便利です。
ただ、開封してしばらく経つと、硬化時間が少し長くなるようなので、そういう場合には、
瞬間接着剤効果促進スプレーを使うと、作業がスピートアップします。

バルクアーム

waveでは、つい最近、このパワードスーツ(商品名/機動歩兵)を、
1/20にダウンサイジングしたキットを発売したようですが、
大きさとしては、1/12のほうが、適度な迫力と存在感があっていいのではないしょうか。

二体の背後

以前にご紹介したバルクアームと、機動歩兵を並べてみましたが、
大きさ的には、ほぼ同じになります。
このくらいのボリュームが、ちょうどいいかなと個人的には思っています。
それにしても、このパワードスーツ、ほんとにすごくカッコいいのですが、
もし、ほんとうに、人間が『着る』装甲強化服を作るとなったら、
こういうデザインにはならないんじゃないかと思います。
というのも、このデザインだと、関節可動範囲がかなり限定されてしまうんじゃないでしょうか。
なにしろ、両肩にエアーインテイクがあるため、腕は高くあげられません。
また、腰を左右にひねることもできません。蛇腹の関節は装甲はされているのでしょうが、
可動の自由度は低そうです。

また、転倒した時はどうするのでしょうか。自力で起き上がれるでしょうか。
とくに仰向けに転倒した時は、単独での起立は困難だと思ってしまいます。
卵を拾うポーズもできるといいますが、ちょっとムリムリな感じが。
兵士は戦場で柔軟な姿勢をとる必要があると思うのですが……。
装甲されているからもはや低い姿勢をとる必要がない、というのなら、
なにも複雑な機構を持つスーツを採用するのではなく、
いっそ、車両化してしまったほうがよさそうです。

などといいつつも、やっぱり、ぬえのパワードスーツはかっこいいです。
組みにくいキットですが、これからも、チマチマと作業を進めていきたいと思います。


コチラをクリックしてくださるとうれしく思います。
FC2 Blog Ranking

文庫本いろいろ

新型コロナの影響で、相変わらず、外出が思うようにできない日々が続いています。
しかも、お仕事のほうも、いまはもう、極めて……、暇です。
かつてこのブログで、忙しい、忙しい、などと書いていたのが、いまでは嘘のようです。
もっとも、この傾向は、大なり小なりどこも同じようで、
先日、名古屋、大阪にいらっしゃるお仕事関係の方達と、
電話でちょっとお話をさせていただいたんですが、やっぱり、
大幅に仕事が減っているとのことでした。
(企業イベントが相次いで中止されていることも、かなり影響しているみたいです)
私は、もともとテレワークと同じ状態ですし、
また、以前から、ずっとひとりで仕事をしていますので、
家賃を除く支払いがなく、その点は、まあ、ありがたいのですが……。
それにしても、この状況、いつまで続くのでしょうか。
おそらく、GWが過ぎた来月の6日以降も、緊急事態宣言は延長されるんでしょうね。

というわけで、いよいよ気候もよくなってくるというのに、
MINIやプジョーでのお出かけもままならず、いたしかたなく、
インドア趣味に走らざるを得ません。
ここのところは、読書とプラモデルに没頭する感じです。
なにしろうちの実家の物置などには、
以前に買ってそのまま『つんどく』状態になっている文庫やハードカバーが多数あります。
いまでは、買ってきたものは必ず読みますが (だって、もったいないですから) 、
かつて独身だった頃は、本を買ってきても、最初にほんの少しだけ読んで、
そのまま放置してしまうということが、けっこうありました。
それらをいま、発掘しては片付けている感じです。

さて、ここ最近読んだものを、まず、翻訳物から並べると……。
ジョン・ル・カレの『寒い国から帰ってきたスパイ』
ジャック・ヒギンズの『廃墟の東』、
そして同じく、ジャック・ヒギンズの『エグゾセを狙え』といったところでしょうか。
それにしても、これらの作品は、さすがにもうちょっと古いですよね。
実際、紙はかなり黄ばんでました。
とはいえ、良い作品は色あせることがありません。
ル・カレの『寒い国から帰ってきたスパイ』は傑作です。
途中、ちょっと中だるみもあるんですが、終盤の査問会の場面は緊張感があって、
手に汗握りますし、ラストも衝撃的です。
この作品をいままで『つんどく』状態にしていたことを後悔しました。
ですので、これを機に、今後、ル・カレ作品、もっと読んでみようかなと思っています。
(たしか、実家の物置に、パーフェクトスパイのハードカバーがあったはずです)
また、アーサー・C・クラーク『3001年終局への旅』も、この機に読んでみました。
2001年宇宙の旅シリーズも、これで完結なんですね。

古い本をいま読む

和物では、これもまた古いんですが、高村薫の『神の火』も、読破しました。
こちらも、大別すればスパイ小説に入る作品かと思います。
原発にまつわるデータなど、極めて細かく書き込まれていて、執筆においては、
とても綿密な取材がなされているのだと感じます。
ただ、作品としては、ちょっと冗長なのでは、と、思ってしまいました。
しかも、主人公らが原発に潜入する動機が、いまひとつ弱いというか……。
命をかけ、捨て身の行動をするわけですから、もっと強烈でわかりやすい動機がないと、
どうにも、主人公に感情移入しづらいように思いました。

また、小説ではないのですが、ずいぶん昔にベストセラーになった、
岩波新書の『日本語練習帳』も、この機会に読んでみました。

また、つんどく、ではなく、書店で買ったものですが、
宮部みゆきの『誰かーsomebady』『名もなき毒』を読みました。
宮部作品は、レベル7、理由、魔術はささやく、蒲生邸事件、模倣犯、などなど、
好きな作品がとても多いのですが、この杉村三郎シリーズを読むのは、今回がはじめてです。
シリーズは、ペテロの葬列、希望荘などへと続くようなので、
今後は、それらを読んでいきたいです。

それから、柳広司の『パラダイス・ロスト』も、読了しました。
この作品は、魔王と呼ばれる伝説的スパイマスター結城中佐と、
D機関の暗躍を描く一連の短編集のうちのひとつです。
(ジョーカーゲームを筆頭にした短編シリーズものです)
短編は、小気味よくオチがついて楽しめるのですが、
読み応えという点で、いまひとつ満足感が得られない場合があるかと思います。
ですが、最後に収録されている『ケルベロス』という中編は、読み応えもあり、
また、ミステリー要素がふんだんに盛り込まれていて、非常に楽しめました。
できれば、D機関ものの長編が読みたいですね。

図書館からは、コロナが流行する以前から、常に数冊、本を借りてきて読んでいます。
ですので、うちには、常に5~10冊程度、図書館の本がある状態です。
ただいま図書館は閉鎖中で、新しい本は借りられないのですが、そのおかげで、
返却期限が延長され、じっくり読むことができます。
とはいえ、図書館の開館は早く実現されるといいのですが。

というわけで、次回は、インドア生活第二弾の、プラモデル記事を、また、
投稿したいと思います。



コチラをクリックしてくださるとうれしく思います。
FC2 Blog Ranking