
全国に緊急事態宣言が出されたまま、いよいよGWに突入となりました。
そんなわけで、今年の大型連休は、いままでにない、特殊なものとなりそうです。
我が家でも、本来であれば、この連休時に、実家の飛騨高山に帰省する予定なのですが、
今回は、それもできそうになく、結局、家のなかで、
ウジウジしつつ過ごすことになりそうです。はあ〜(ため息)
おそらく、連休を過ぎでも緊急事態宣言は解除されないでしょうし、
感染拡大も、沈静化することはないかと思います。
ですので、この先も、当ブログではもっとも頻度が高い『お出かけネタ』を、
封印することになってしまうのかなと思っています。
それにしても、ほんとにドーンと遠くに出かけたいものですね。
そんな日が……。ごく普通の日常が、ふたたび帰ってくるのでしょうか。
このコロナを機に、いままでの日常が、もはや取り戻せない過去となるのではないか。
そして、まったく新しいライフスタイルに、否応なく変えられてしまうのではないか。
日々、コロナ一色のテレビ番組を見ていると、そんな心配をしてしまいます。
そんなわけで今回も、オタク趣味系の記事をアップしたいと思います。
今回は、かなり昔に、waveから発売された、1/12機動歩兵のキットを、
ちょこっと取り上げたいと思います。
この機動歩兵というのは、ロバート・A・ハインラインのSF小説『宇宙の戦士』に、
登場するメインメカだそうです。
見た目的にはまったくのロボット状態ですが、ロボットではなく、人間が着用する、
強化服という設定で、人間の筋力を何倍にも増幅し、また、密閉されることで、
人間の生存が困難な環境や宇宙でも活動もでき、かつ、戦車のように装甲もされている、
という設定だそうです。

もっとも、小説なので、ビジュアルがないはずなのですが、
スタジオぬえのイラストレーター加藤直之氏が、
挿絵を描いており、キットは、その挿絵をモデル化したもの、というわけなのです。
加藤直之氏は、私の大好きなイラストレーターのひとりであり、氏の画集は、
ほぼすべて持っています。
いちばん最初に出された画集は、貴重な本人のサイン本です。
もっとも、SF好きで加藤直之ファンの私なのですが、じつは、
宇宙の戦士は読んだことがありません。
というのも、ものすごく矛盾したことをいうようですが、小説の文中に、
挿絵が入っているのが、すごくイヤなんです。
挿絵の優劣や好き嫌いではなくて、文中にビジュアルを入れられることが、イヤなんです。
極めて個人的な感覚なんですが、大人の読む本として、
それはいかがなものか、と、思っちゃうんですよね。
なので、宇宙の戦士とよく比較されるジョー・ホールドマンの『終わりなき戦い』は、
二十年以上まえに読みましたが『宇宙の戦士』については、
今後も、読むことはないかな、と、思っています。
(終わりなき戦いは、カバーイラストだけで、文中にイラストはないですからね)
ですが、加藤直之氏が描いたメカはめちゃくちゃかっこいいです。
キットは『機動歩兵』と銘打たれていますが、劇中では『パワードスーツ』という言葉が、
用いられているのではないかと思います。
このパワードスーツは、作画こそ加藤直之氏ですが、
デザインは、同じぬえに所属していた宮武一貴氏が手がけたそうです。

この製品が発売された当時は、
挿絵のメカがプラキット化されるなんて、なんだか夢のようだなあ、などと、
いたく感動したものでした。
が、このキット。さすがに、バンダイのガンプラのようなハイクオリティなものではなく、
金型を使ったインジェクションキットとはいえ、ガレージキットみたいなノリです。
モールドやエッジは甘く、設計においても、首をかしげる箇所がいくつもあり、
パーツ分割も単純に左右に割ってあるという感じで、
合いもまあ、そこそこというところでしょうか。
とはいえ、加藤直之氏の監修が入っているため、
全体のフォルムについては、もう、文句のつけようがありません。
また、各関節の蛇腹部分がすべて別パーツ化されるなど、
極めてアグレッシブな表現も見られます。
なによりも、あのパワードスーツのイラストが、立体物として購入できる、というだけで、
もう、素晴らしいことです。
(もっとも、その後、千値練の完成模型が発売されたりしたんですけどね)
さて、このキット、じつは、ずっとまえに作りかけていて、そのまま放置していたものです。
(やっぱり、作りやすいものではなかったですから)
それを、このコロナ禍で、ふたたび引っ張り出してきたって感じですね。
こうして、キットという立体物になって、はじめてわかることがあります。
それは、このパワードスーツの基本デザインが、
2001年宇宙の旅に登場する、宇宙服をベースになされている、ということです。
とくに、肩のエアインテイク部分を外した状態だと、2001年に出てくる宇宙服に、
酷似していると思います。

いま、サーフェイサーをかけて、ペーパーをかけて、という作業を繰り返していますが、
ここで丁寧な仕事をしておかないと、後々の仕上がりに、影響してくるかなと思います。
まあ、隙間やヒケが多いキットですからね。
このあたりは、地道にシコシコするしかないですね。

頭部なんて、もう、左右にがっつりと大きな隙間ができます。
遠い未来の超絶的な科学技術によって作られた兵器、としては、ありえない展開です。
でもまあ、こんなもんなんでしょうね。
このあたりも、根気よく整形していく必要がありそうです。

また、このキットは、加藤直之氏のイラストをベースにモデライズされていますので、
ディティールについても、あくまでイラストを踏襲したものになっているようです。
ただ、模型として見た場合は、ちょっとあっさりしているような気がしないでもないですね。
遠い未来のオブジェクトなので、ボルトやナットで固定されていたり、
溶接跡があったりするのは、時代錯誤的でおかしいのでしょうが、
それでも、もうちょっと、なにか密度感のある工夫があってもいいのかな、と思ってます。
ところで、隙間やヒケを埋める作業ですが、
先日買ったタミヤの瞬間接着剤『イージーサンディング』を使うと、とても効率よく、
作業できます。
なにしろ瞬間接着剤ですから、硬化が極めて早い。
しかも、ラッカーパテに付きもののヒケが、ほとんどありません。
盛ってすぐペーパー掛けに入れるというのは、ほんとうに便利です。
ただ、開封してしばらく経つと、硬化時間が少し長くなるようなので、そういう場合には、
瞬間接着剤効果促進スプレーを使うと、作業がスピートアップします。

waveでは、つい最近、このパワードスーツ(商品名/機動歩兵)を、
1/20にダウンサイジングしたキットを発売したようですが、
大きさとしては、1/12のほうが、適度な迫力と存在感があっていいのではないしょうか。

以前にご紹介したバルクアームと、機動歩兵を並べてみましたが、
大きさ的には、ほぼ同じになります。
このくらいのボリュームが、ちょうどいいかなと個人的には思っています。
それにしても、このパワードスーツ、ほんとにすごくカッコいいのですが、
もし、ほんとうに、人間が『着る』装甲強化服を作るとなったら、
こういうデザインにはならないんじゃないかと思います。
というのも、このデザインだと、関節可動範囲がかなり限定されてしまうんじゃないでしょうか。
なにしろ、両肩にエアーインテイクがあるため、腕は高くあげられません。
また、腰を左右にひねることもできません。蛇腹の関節は装甲はされているのでしょうが、
可動の自由度は低そうです。
また、転倒した時はどうするのでしょうか。自力で起き上がれるでしょうか。
とくに仰向けに転倒した時は、単独での起立は困難だと思ってしまいます。
卵を拾うポーズもできるといいますが、ちょっとムリムリな感じが。
兵士は戦場で柔軟な姿勢をとる必要があると思うのですが……。
装甲されているからもはや低い姿勢をとる必要がない、というのなら、
なにも複雑な機構を持つスーツを採用するのではなく、
いっそ、車両化してしまったほうがよさそうです。
などといいつつも、やっぱり、ぬえのパワードスーツはかっこいいです。
組みにくいキットですが、これからも、チマチマと作業を進めていきたいと思います。
コチラをクリックしてくださるとうれしく思います。
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