犬の張り子を持つ怪物 表紙

この九月は、大きな台風の発生はあったものの、ここ中部地方をはじめ、
日本には、さほど大きな被害はなかったようで、
(もっとも、九州など、大雨に見舞われて地域もあり、
影響を受けられた方、被災された方には、心よりお見舞い申し上げます)
また、天候も、比較的穏やかな日が多く、お出かけには最適の月だったかな、と思います。
ところが、御多分に洩れず、今月もまた、コロナ渦のせいもあって、
ブログのネタがまったくありません。
先週の四連休も、結局、家から出ずじまいで終わってしまいました。
MIINIに乗ってどこかに行きたかったんですが、なにかと、今月は、
公私ともに忙しくて、仮にコロナの影響がなかったとしても、
話題がなかったかもしれません。
(もっとも、春から夏にかけてが、超ド暇でしたからネ)

それにしても、今年は、ネタがないうえに、毎度、こうして、
冒頭はコロナの話題から入る、という感じで、書いていて、いささか飽きてきました。
街ゆく人もマスクはしているものの、コロナに対する危機感は、
ずいぶん薄れてきているように思います。
(自分も含めてなのですが)
いつになったら、ごく普通の日常に戻るのでしょうか。
それとも、もう、もとには戻らないのでしょうか。

さて、ネタがないので、今回もまた、ブックレビューをすることにします。
当ブログではブックレビューはほんとうにたまにしかなかった書かなかったのですが、
今年はこのネタが、異様に多くなってしまっています。
というわけで、今回ご紹介するのは、このミステリーがすごい!大賞の隠し球を受賞した、
『犬の張り子を持つ怪物』について、ご紹介したいと思います。
本書は、やはり、このミス大賞の隠し球を受賞するだけあって、
スピード感あふれる展開、緊張感の持続、荒唐無稽な設定の中にも、
地に足のついたリアルな法廷ミステリーの要素が盛り込まれていて、まさに、
一気に読ませてしまうパワーに満ちています。

犬の張り子を持つ怪物 本文

まず、冒頭の場面からして、読み手の興味を一気に引き付けます。
物語は、小学校が何者かに襲われ、児童や教師、警察官が惨殺されるシーンから始まります。
被害者たちはほとんど身体を切り裂かれるようにに殺されていくのですが、
通常の人間には、どうしてそのような現象が引き起こされるのか、わかりません。
目には見えない何者かの力によって、噛みちぎられていくようにしか見えなのです。
ところが、事件を担当する夏木刑事には、被害者が、巨大な犬の張り子の怪物によって、
噛みちぎられてかれていくのが見えるのです。
その張り子を操っているのは、美形の少女でした。
少女は口から犬の張り子を何匹も吐き出し、人を襲わせているのです。

少女は夏木によって逮捕されますが、犬の張り子は夏木にしか見えず、
起訴に持ち込むのは極めて難しい案件となります。
しかし、少女は、犯行の再予告をしており、もし、このまま釈放すれば、
ふたたび大量の犠牲者が発生しています。
社会防衛のためにも、なんとか検察に送り、起訴に持ち込みたい、そう夏木は願い、
実際、起訴に持ち込むのですが……。
超能力殺人をいかに立証するか、法廷での戦いが始まります。

物語の視点人物は、張り子が見える体質の警察官、夏木、と、
張り子を使う殺人鬼を起訴する敏腕警察官、弁護士、そして少女本人と、
場面に応じて切り替わり、それぞれの視点で、事件直後から法廷闘争までを、
追っていくかたちとなっています。

冒頭の事件発生の場面からすでに手に汗握る緊張感があり、
読み手は、すぐに作品世界にのめり込んで行きます。
しかも、その緊張感が薄れることなく、起訴へ、法廷での戦いへ、と、
テンポよく話が進んでいきます。

犬の張り子が殺人を行う、というのは、非常に荒唐無稽なのですが、
そのぶん、法律や法廷の知識が綿密に書かれていて、ありえない話に、
強いリアリティーが添えられています。
しかも、ミステリーらしい謎解きや、ホラーらしい呪いなど、読み手を飽きさせない、
さまざまな工夫やアイデアが盛り込まれています。
やっぱり、このミスの隠し玉になる作品はすごいなあ、と、感心させられました。

こうした、ミステリー系の新人賞を獲る作品は、
比較的、荒唐無稽なストーリーが多いように思います。
やっぱり、インパクト重視なんでしょうか。
とにかく、とても面白く、一気読みできてしまう作品なので、
もし、興味がある方は、ぜひ、一度、書店で手に取っていただければと思います。

来月は、ちょっとはお出かけネタの記事がかけるといいな、と、
思っています。

そのまえに、MINIのオイル交換をしなくては……。


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