二見浦

世の中いまだにコロナ禍が収束しませんが、そんななか、
泊まりがけで、お伊勢さん詣でをしてきました。
なにしろ、昨年から、母親の病気のことなど、いろいろと心配事がありますので、
近いうちに、一度、お伊勢さんにお参りに行きたいと、かねてから思っていたのです。

前回、お伊勢さんに行ったのは、2018年の12月。
このときは日帰りでしたが、7年前には、今回と同様、泊りがけで行っています。
もっとも、このときは、秋の込み合う時期だったせいか、伊勢市内に宿をとることができず、
やむなく、伊勢よりも南の志摩市のホテルに泊まったのですが、料金はかなりの高額……。
しかも、お参りした日は、終日、土砂降りの雨に祟られ、
もう、靴の中なんてビチョビチョで、たいへん苦労しました。

愛車のMINIも長い時間、雨に当ててしまい、
それはもう、旅を満喫、というには、程遠いものでした。
もっとも、たとえ雨とはいえ、きちんとお伊勢さん参りができたのですから、
それはそれで、まあ、よかったわけですが……。

というわけで、今回、泊りがけのお伊勢さん詣でに再挑戦することとなりました。
ところが、この冬はとても寒く、ここ岐阜市でも何度も積雪を観測していて、
旅の当日も、予報によるとなんだか怪しい雲行きです。
また雨か……、というわけで、これも私の日頃の行いの悪さによるものかもしれません。

とにもかくにも、気を取り直して出発です。
今回もまた、前回同様、国道23号線をひたすら南下するというコースをとることにしました。
出動車はヨメのプジョーです。
出発のこの日は、比較的天気もよく、スムーズに伊勢まで行くことができました。
それにしても、国道23号線を通るのも久しぶりです。

四日市の工場群

こちらは通りがかった四日市のコンビナート群です。
ここは夜景がとても美しいのですが、昼間に見ても、工場萌え感があって、楽しめます。
というわけで伊勢に到着し、まずはその足で、二見興玉神社に行ってみました。

二見興玉神社へ

二見に来るのは七年ぶり。
しかも、このときにはほぼ快晴となり、まさに胸のすく眺めとなりました。
空の青さ、海の青さ、ともに目に痛いくらいです。
きてよかったなと心底思いました。

青い空と青い海

参拝後、海沿いの参道を通り抜け「伊勢夫婦岩めおと横丁」というところまで、
足を伸ばしてみました。
ここは、伊勢シーパラダイスと繋がった、ショッピングモールのようなところです。
もっとも、コロナの影響もあってか、さほど多くの人はいなかった感じでした。

その後は、伊勢市中心部に戻り、下宮の駐車場に行ってみました。
が、すでに夕刻となってしまい、下宮内の各宮を回るには、
時間的にいくらかきつくなってしまいました。
というわけで、近くにある月夜宮にお参りに行くことにしました。
ここ下宮の駐車場からだと、神路通りを経て、北東方向に2〜300メートルほど歩くと、
月夜宮正面に出ます。

月夜宮へもお参り

前回、ここにお参りに来た時は雨で、水をたっぷり含んだ靴でお参りしたものですが、
この日は、さわやかな夕刻の空のもと、お参りができました。
ああ〜、よかった。

その後は市内のホテルにチェックインしましたが、
時節柄、人混みに行くのはためらわれるので、
旅の風情も何もあったものではないのですが、
夕食は、ホテルの部屋の中で、コンビニ弁当を食べることにしました。
(侘しいですけど、まあ、仕方ないですね)

下宮を参拝

さて、翌日はいよいよ下宮、内宮参拝です。
ですが、この日の天気予報は雨。
もっとも、最新の予報状況を見ると、雨が降り出す時間は、ぐっと後ろ倒しになっており、
午前中のうちは、曇りだとのこと。
ならば、というわけで、急ぎ、ホテルを出て、まずは下宮に行き、参拝。
前回と同様、土宮、風宮、多賀宮、下御井神社の参拝も行いました。
(駐車場も空きが多く、スムーズに車を駐められました)

そのあとはいよいよ内宮へ直行です。
まだ早い時間だったので、こちらの駐車場も比較的空いていました。
時間が早いというよりも、コロナの影響が大きいのかもしれませんが。

とはいっても、おかげ横丁にはすでに多くの人がいましたので、
人混みを避けるため、国道23号線を歩いて、伊勢神宮内宮の宇治橋鳥居まで行きました。
というわけで、いざ、参拝です。

いよいよ内宮へ

お天気がイマイチですが、雨が降らないだけ、まだマシです。

参道を行く

写真では人が少ないように見えますが、
休日ということもあり、実際にはもっと多くの参拝客がいました。
もっても、混んでいるという状態ではなく、かといってすごく空いているわけでもなく、
ちょうどいい感じでした。
ふたたびこうして、この地にくることができて、もう感無量です。

その後、手水舎で手を清め、瀧祭宮を参拝し、内宮、荒祭宮、とお参りして、
橋を渡り、風日祈宮にも参拝してきました。

そして帰る頃になると、どっと参拝客が増えてきました。
おかげ横丁方面まで戻ると、もう、人が群れになって歩いています。
これはかなりの三密だ、と思い、帰りもまた、おかげ横丁を通らず、
国道23号線を歩いて帰りました。

伊勢うどんを食べたり、赤福本店の奥で赤福を食べたり、といった、
伊勢詣でならでは食を楽しむのは、今回、断腸の思いで断念しました。

さて、そのあとは、倭姫宮、月讀宮、両宮に、お参り。
このふたつの神社は、下宮から内宮に行く途中に通りかかるのですが、
以前から、とても気になっていました。

月読宮参拝

といっても、車をどこに止めるのかがわからなかったため、
ずっとスルー状態になっていたのですが、
今回、駐車場の場所が判明したので、ようやく、参拝することができました。

いままで知らなかったのですが、どちらにも専用の駐車場がありました。
(写真は、月讀宮の専用駐車場です)

このお宮さんを参拝し終わる頃、雨が降ってきました。
なんとか、当初の予定の神社をお参りすることができ、ほっとしました。

さて、その後のことは、また、次回、書きたいと思います。


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その女アレックス

さて、悲しみのイレーヌの続編にあたる「その女アレックス」を、
先々週 (くらいだったでしょうか?) 、読了いたしました。

もともと私は、この「その女アレックス」のみを読むつもりだったのですが、
Amazonのレビューに、
この小説はカミーユ・ヴェルーヴェン警部の登場するシリーズものであるため、
本作を正しく楽しむためには、前作「悲しみのイレーヌ」から目を通したほうがいい、
と書かれていました。
というわけで、イレーヌを読み終えたいま、
いよいよ本命の「その女アレックス」のページを開くことなった、という次第です。

もっとも、邦訳の順番は「その女アレックス」が先だそうで、
となると、多くの方が、二作目から先に読んでしまう、
という状況になったのではないでしょうか。

たしかに、この「~アレックス」から読んでも、充分楽しめると思いますが、
当然のことながら、二作目である本作には、一作目のオチが出てきてしまうんですよね。
ですので、この「ヴェルーヴェン警部シリーズ」を読んでみたいとお思いの方は、
Amazonのレビューの通り、ぜひとも、悲しみのイレーヌから、
手に取っていただきたいと思っています。
そのほうが、その女アレックスを、目一杯楽しめますから。

じつは、三作目にあたる「傷らだけのカミーユ」も、先週、読了したのですが、
そちらについては、また、次回以降に、当ブログでご紹介したいと思います。

というわけで、その女アレックスのサワリを少し……。

本文

この物語は、一作目の「悲しみのイレーヌ」から、
一年以上の時間が経過したところから始まります。
無事、職場復帰を果たしたヴェルーヴェン警部は、新たな難事件に挑むことになります。
それは、誘拐です。
パリのファルギール通りを歩いていた若い女性が、ヴァンで乗りつけた男にいきなり殴られ、
荷台に押し込められたというのです。
ヴァンはそのまま夜のパリに消え、行方知れずとなります。
急報を受けたヴェルーヴェンは、部下のルイと共に、
すぐさま捜査に乗り出しますが、犯人はおろか、被害者が誰なのかが特定できません。
目撃者から事情を訊いても、被害者が「美人だった」ということしかわからず、
また、被害者の友人知人も、彼女がいなくなったことに気づかないのか、
誰一人警察に連絡してこないのです。

一方、誘拐された女性「アレックス」は、巨大な廃墟の一室に連れ込まれていました。
さらに、犯人から、裸になるよう強要され、
身動きすらままならない狭い木箱に押し込められてしまいます。
犯人は単独犯です。体格のいい五十代の男ですが、アレックスにとって、
見知った人物ではありませんでした。
男はアレックスを入れた木箱をロープで吊り上げるのですが、
それだけでなにをするわけでもありません。
男は、アレックスが緩慢な死を迎えるところを見ることが目的なのだといいます。

食糧もなく、また不自然な姿勢をとり続けているせいで、
アレックスは発狂しそうになり、その後はしだいに弱っていきます。
やがて、木箱を吊るすロープの上に、巨大なネズミたちが現れます。
ネズミはアレックスに対して、執拗な威嚇を繰り返すようになります。

一方、ヴェルーヴェンは、走り去ったヴァンの映像を手掛かりに持ち主を特定します。
ヴァンの所有者は『トラリユー』といい、
再開発地区の廃病院に管理人として住み込んでいることがわかりました。
ヴェルーヴェンは、件の廃病院を包囲するのですが……。

文庫の背 裏側

今回も、前作の「悲しみのイレーヌ」同様、冒頭からキツい展開です。
しかも、描写が綿密で、ハラハラすると同時に、しっかりと映像が目に浮かんできます。
若い女性が誘拐され、ひどい目に遭わされるのですから、
もう、早く助けてあげて、と思いつつ読み進めることになります。
ですが、助けはきません。
狭い木箱に閉じ込められたアレックスの、肉体的、精神的苦痛が綿密に書かれていて、
はっきりいって、もう、読むのがイヤになってしまいます。
なのに、次々にページを繰ってしまい、読むのがやめられないという感じです。

おそらく、読者は、被害者の救出を願いつつ、先を読み進めることになるでしょう。
ですが、その先は、その被害者に対して、別の感情を持つことになります。
そして終盤には、またさらに違った感情を被害者アレックスに抱くに至ります。

読み手は、著者ピエール・ルメートルの導くままに、感情を揺さぶられてしまいます。
ほんとうによくできている。
読み応えもたっぷりです。
また、一作目の悲しみのイレーヌで、
ヴェルーヴェン以下主要なキャラクターに接しているので、
即座に物語に没入できます。

新帯のもの

ほかにも、いろいろと書きたいことがいっぱいあるのですが、
ネタバレになってしまうので、このへんで。

○ 文春文庫「その女アレックス」の情報はコチラ~

それにしても、海外翻訳もののミステリーって、本当によくできていますよね。
ぜひ、一読をお勧めいたします。
(ただ、やはり一作目から読むことをお勧めいたします)


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