舞鶴引揚公園記念碑

これから本格的に夏の行楽シーズン到来という時に、またしても、
コロナの蔓延が叫ばれています。
しかも、今回は、過去にないペースで感染が広がっているようで、毎日、
感染者の人数が過去最高を記録するような事態になっています。
ワクチンを三回摂取しているからといっても、感染はしてしまうようですので、
とはいえ、政府は今後も、行動制限をする予定はないとのことですので、
これからは、以前にも増して、各個人で、感染対策に留意しなければならないようです。
それにしても、なかなか治りませんね。このコロナというのは……。
と、そんな話ばかりしていてもいけませんので、今回は、先日行ってきた、
高浜、おおい町、舞鶴、について、ご紹介したいと思います。

行って来たのは17日なので、すでにもう一週間以上が経過していますが、
(なかなか迅速なアップができません。すみません)
とても天気がよく、気持ちのいいドライブとなりましたので、
今回、取り上げることにしました。

なにしろこの日は、事前の予報では雨または曇り。
折しも三連休だとのことでしたが、家にいるのもつまらないとヨメさんがいうので、
どこかにちょっと出かけることにしました。
今回の出動車もまた、ヨメのプジョーです。
ところが、実際に出かけてみると、しだいに雲が取れ、青空が覗くようになりました。
今回は、まず西の滋賀県方面に出て、琵琶湖の北端を周り、高島方面に向かったのですが、
天候はどんどん回復していきます。
というわけで、さらに西へ西へと進み、日本海側の小浜市に出ました。
ここまでくると、もう絶好の好天で、しかも、さほどに湿度は高くなく、
太陽が照りつける夏とはいえ、比較的過ごしやすい日になりました。
こうなると、ますます先へ進みたくなるのが人情というもので、
おおい町、高浜町、ついには京都府の舞鶴まで行ってみました。
(舞鶴まで行く予定はなかったのですが、好天に誘われて行ってしまいました)

引揚公園駐車場

舞鶴では、引揚記念公園に行ってみたかったので、まずはそちらに向かってみます。

嫁のプジョー

引揚記念館の駐車場にまずプジョーを入れ、
そのあと、すぐ北側にある公園へと登ってみます。

ここ舞鶴は、満州からの引揚者や、シベリア抑留者の引揚場所となっていたため、
こうした記念館が設けられています。
もっとも、展示は、シベリア抑留に関するものがメインで、
開拓団等の満州からの引揚に関するものは、ほとんどなかったように思います。
もっとも、引揚記念館は、以前に見学をしているので、今回はパスすることにしました。

引揚公園展望台への道

駐車場から公園展望台に向かうには、この小径を登ることになります。

記念植樹

道の途中には無数の記念植樹があるのですが、その根本には、
関東軍部隊の名前や、ラーゲリの名前が入っています。
戦友会や、同じラーゲリにいた同志で記念植樹をしたのではないかと思われますが、
すでに戦後から77年も経っており、こうした植樹をした人たちも、
ほとんどが鬼籍に入っているのではないかと思います。

満州からの引揚者は、まだ存命していますが、シベリアからの引揚者となると、
存命している方は、いまではかなり少数かと思われます。
実際の体験者がいずれいなくなってしまえば、
引揚やシベリア抑留は、単なる歴史の一コマになってしまうのではないかと思います。

引揚公園展望台

こちらが、引揚記念公園の展望台がある頂上部分です。
岸壁の母の歌碑をはじめとして、さまざまな記念碑などが建てられています。

復元桟橋

また、ここからは、復元された引揚桟橋を見ることができます。
シベリアの抑留者が最初に踏んだ日本の地です。
展望台には、引揚時の模様を描いた図なども看板として展示されていました。

エルドランド

こうして、公園の各所を見学し、ふたたびおおい町方面に取って返します。
その途中、ガラスの三角ドームを持つ、エルドランドという施設に、
ちょっとだけ立ち寄ってみました。

この施設は、おそらく原発マネーで作られたものではないかと思います。
アトラクションを行うと有料になるとのことですが、そのほかは無料で見学できます。
(とはいっても、子供の遊戯施設という感じなので、見学できるところは、
さほどに多くはない感じです)

エルドランド内部

やはりというべきか、家族連れが多い印象でした。
あちこちで子供の歓声が飛んでいました。
そんななかを散策する五十過ぎの私たち。かなり場違いな感がしないわけでもないです。
そrでも、ガラス張りの館内を見学するとは、なかなか楽しかったです。

オープンした施設

次におおい町のうみんぴあ大飯というところへ、買い物に立ち寄りました。
すると、この施設のすぐそばに、いままで見たこともなかった、
新施設が建っていることに気づきました。

施設の内部

こちらがその施設。トラスフレーム丸出しのアヴァンギャルドな建築物です。
なんでも、オープン記念イベントをやっているとのことで、
周辺や施設内はかなりの賑わいでした。

巨大キッチンカー

アメリカンな大型スクールバスのキッチンカーも出ていました。
なにしろかなりの大きさなので、バス内で飲食ができるようです。
施設では、フリーマーケットが行われて、奥のスペースではライブも行われていました。
とにかく、天気がいいので、最高です。

その後、帰路についたのですが、途中で事故渋滞に見舞われ、
車列がまったく動かなくなりました。
運転手のヨメさんが機転を効かせて脇道に入り、
無事、事故渋滞を回避することができましたが、
この脇道がけっこう不安で、はたして元の道に復帰できるのか、
とても気を揉みました。

とはいえ、無事、国道に復帰でき、その後もスムーズに帰ってくることができました。
福井県南部から京都にかけてのこのあたりは、景色も良く、
絶好のドライブコースかと思います。

なにかとたいへんな今日この頃ですが、また、機会を見て、
出かけて見たいと思います。


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文春文庫「監禁面接」

今年は異様に梅雨明け宣言が早かったのですが、
どういうわけか、ここのところずっと雨で、なんだかまた梅雨に入ったような感じです。
しかも、この時期、またしても、コロナが蔓延し始ているようで、
ワクチンを三回摂取した身でありながらも、なんだか心配になってしまいます。
ちなみに、このワクチンについてですが、私は、前二回はファイザーを、
最後の一回をモデルナにしたのですが、
(なにしろ、モデルナを選択するととても早く接種が受けられるので)
そうしたら、もう、身体がだるいし寒気はするしで、たいへんでした。
ファイザーの時はなんの副反応もなかったんですけど。
ですので、この先おそらく、四回目の接種という話も出てくるのではないかと思いますが、
また副反応が出たらどうしよう、と怖気をふるっています。
それにしても、コロナって、なかなか収束しませんね。
この調子だと、完全にもとの生活に戻れるのは、2025年くらいかな、などと、
勝手に想定したりします。

監禁面接

さて、今回は、ふたたび本のレビューをいってみたいと思います。
今回取り上げるのは、ピエール・ルメートルの「監禁面接」です。
じつは、この作品を読了したのは、すでに二ヶ月くらい前のことなのですが、
非常に面白かったので、今回、レビューとして、取り上げることとなりました。

ピエール・ルメートルの作品を読むのは、今回で6冊目です。
いままで、悲しみのイレーヌ、その女アレックス、傷だらけのカミーユ、
の、ヴェルーヴェン警部三部作と、
我が母なるロージー(これもヴェルーヴェン警部がでてきますが、番外編的な感じです)
そして、死のドレスに花婿に、と、読み進めてきました。
このなかで、いちばん出来がよかったのは、やはりその女アレックスでしょうか。
しかし、今回の監禁面接も、その女~に匹敵するほどの、おもしろさでした。
(今回もまた、キャラクターの妙味が効いています)

物語は、一人称形式で語られます。
そのまえ、そのとき、そのあと、という三部構成になっていて、
そのまえ、の語り部が、俺ことアラン・デランブルです。
そのとき、の語り部は、ダヴィッド・フォンタナという男の目を通して書かれています。
そして最後の、そのあと、は、ふたたびアラン・デランブルが語り部を務めます。

文庫裏側

その物語ですが……。
主人公は57歳のアラン・デランブルという男です。
失業して四年目となり、
現在、医薬品の発送を行うサージュリーという会社で働いていますが、
トルコ人上司のペリヴァンとトラブルになり、カッとなって暴力を振るってしまいます。
アランは、サージュリーを追われ、さらには訴えられることになってしまいます。
ところが、57歳のアランには再就職先などありません。
訴えられても、払える金もありません。

そんな折、著名な人事コンサルティング会社BLCから、アランのもとに手紙が届きます。
じつは、アランは、BLCが募集したトップ企業の人事副部長募集に、応募していたのです。
しかし、いったいどんな企業が、BLCのクライアントなのかわからないため、
トップ企業の人事副部長というのも、どこの会社なのかはわかりません。
ただ、試験にパスすれば、このトップ企業に高待遇で再就職できるのです。
アランは筆記試験に挑み、この試験に人生を賭けようとします。

が、BLCは、恐ろしい構想を持っていました。
クライアント企業は、サルクヴィルという場所にある大型工場の閉鎖と、
それにともなう大量馘首を計画していました。
その難しい仕事を任せるため、社内の誰に選んだらいいか、BLCに相談していたのです。
BLCのラコステ社長は、候補となる重役を一箇所に集め、そこに偽のテロリストを送り込んで、
全員を拘束し、この特殊なストレス下のもと、それぞれの重役の資質を図ろうという、
仰天アイデアをクライアント企業に提案します。
その資質を図るための要員を選抜し、すぐれた功績を残した者を、クライアント企業は、
人事副部長として雇う、というのです。
そんなことなどつゆ知らないアランは、並み居るライバルを抑え、面接試験へと進みます。
その会場で、アランは、BLCがテロリストを使った重役監禁テストと、
テストの進行役から、人事副部長が選出されることを知らされます。

アランは、とんでもないテストだと思いつつも、愛する妻の娘のため、
この、テロリストを使った監禁面接の進行役に、挑むのですが……。

梗概部分

とにかく、奇想天外なストーリーなのですが、なによりも読者を引き込ませるのは、
アランのキャラクターです。
アランはどこかユーモラスで、憎めません。
妻ニコルをとても愛していることも、読者の共感を大いに呼ぶところです。
このアランの行動に、読む側は、ハラハラさせられます。
アラン!、なにをやらかすんだ、と、思ってしまいます。

監禁面接の中面

また、ニコルや、二人の娘のキャラクターの書き分けも秀逸です。
マチルドとリュシーのふたりの娘の性格の違いなども、うまく描かれているなと感心します。
その女アレックスよりもボリュームがありますが、あっという間に読んでしまえます。

○ 文春文庫 ピエール・ルメートル『監禁面接』の情報はコチラ ~

それにしても、海外翻訳の秀逸なミステリーを読むと、
ほんとうに、打ちのめされる思いがします。

ピエール・ルメートルは、デビューが遅かった作家ですので、
それほど作品数が多いわけではありません。
ミステリーは、残すところ、僕が死んだあの森、しかありません。
ですが、そのほかに、第一次大戦から第二次大戦に至るまでの期間を描いた、
時代小説がありますので、今後は、そちらを読み進めてみたいと思います。

監禁面接背表紙

ルメートルのことなので、きっと一筋縄ではないかない物語なのでは、と思いますが、
読了したら、いずれまた、このブログで、ご紹介したいと思います。



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