ボックスアート展チラシ-1

というわけで、昨日の続きです。

ボックスアート(プラモデルパッケージ原画と戦後の日本文化)展は、
福井市美術館の2階で行われていました。

会場は、年代別のカテゴリーに仕切られていて、最初のコーナーは、
戦前の模型や、少年誌のイラスト、当時の紙芝居、といったものなどが、
展示されていました。
(会場は撮影禁止のため、画像はありません。すみません)

最初からパッケージ用のイラストが展示されているものと思っていた私にとって、
この「時代を辿る」展示方法は、ちょっと意外なものでした。

戦前には、当然のことながら、プラモデルなどというものは存在しないのですが、
そのかわり、少年誌などには、ペーパークラフト模型が付録として付けられており、
これらが、模型好きな少年たちの心を満たしていたようです。

戦前のものとはいえ、これらのペーパークラフトは、とてもよくできており、
戦艦三笠などの、スケールモデルもありました。
(しかも、かなり巨大です)

また、同じコーナーには、戦争絵画と呼ばれるものの展示もありました。

戦時中には、
軍部や大手新聞社主催の戦争絵画美術展がいくつも開催されていたといいます。
こうした絵画展に出展された作品のモチーフとして、
勇壮な姿の、艦船、戦車、飛行機などが、さかんに描かれていました。

加えて、戦意発揚の印刷物も、数多く出版されていました。

当時は、画家も、イラストレーターも、デザイナーも、
プロパガンダの一翼を担わされていたわけです。

戦後になると、こうした、戦争賛美的な絵画やイラストは否定されましたが、
こと、プラモデルパッケージの中でだけ、そのスピリッツが、
生き続けることとなります。

初期のプラモデルパッケージには、戦争絵画を連想させるような、
ドラマ性を盛り込んだものが多くありました。
ですが、その後、メカニックだけを対象とした、
切り抜き状態の高精細なリアルイラストレーションが、数多く登場してきます。

1970年代、80年代。日本の高度経済成長に伴い、プラモデル産業も、
円熟期を迎えます。同時に、パッケージイラストも、ひとつの到達点に、
達していったように思えます。

高荷義之氏、大西将美氏、が描く原画は、白眉で、
ハンドメイドイラストレーションの感動がありました。

時代はやがて、デジタル時代に移行し、パッケージイラストにも、
デジタル化の波が押し寄せるのですが、それでもなお、
ハンドメイドのイラストレーションには、デジタルを寄せ付けない、
圧倒的な迫力と、血の通った暖かみがあります。

飛行機イラストレーターとして有名な、小池繁雄氏の作品は、
緻密なディティールと、清潔感のある淡い色調を使いながらも、
機体の硬質な金属感が表現されており、まさに、極められた技を感じました。

ボックスアート展チラシ-2

プラモデルが、今後も、ファンやマニアに支えられて、
インドアホビーのなかで、揺るぎない地位を築くであろうことと同様に、
ハンドメイドによるイラストレーションも、また、
生きながらえていくのだろうということを、強く感じました。

とても、興味深く、有意義な企画展でした。

金沢への道

そして、次に、金沢の21世紀美術館を目指し、出発です。
国道8号線に乗り、北を目指して、プジョーは走ります。

その模様は、また次回に。



コチラをクリックしてくださるとうれしく思います。
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