
いよいよ12月も下旬となり、
2012年も、ほんとうにあとわずかとなってきました。
すでに本ブログで何度も申し上げていることですが、
今年はほんとうにいそがしく、お休みがとれないこともあったのですが、
なんとか、去年と同じように、この年末も、
クリスマスイブに名古屋に行くことができました。
とはいえ、去年同様、クリスマス寒波に見舞われ、
雪国であるこちらでは、道路状況が危ぶまれることとなったのですが、
思いのほか、天候もよく、難無く、出発することができました。
今回の出動車はヨメのプジョーで、運転もヨメです。
また、今年は、クリスマスイブは三連休の最終日にかかっていて、
名古屋はなおのこと賑やかそうです。
というわけで、朝10時半少し前に自宅を出発。
時折、青空の覗く空のもと、スムースに名古屋に入ることができました。
今回は、翌日の25日に名古屋で所用があるので、
市の中心部である栄にあるホテルに泊まることにしました。

今回の名古屋での目的のひとつは、ロフト名古屋で開かれている、
ポーランドポスター展にいってみることでした。
このポスター展は、
第二次大戦後の1950年代から60年代に制作された作品を集めたもので、
年代的には、アンジェイ・ワイダ監督の「灰とダイヤモンド」と重なるものがあり、
個人的には、とても興味深いものです。
(もっとも、灰とダイヤモンドの舞台設定は、終戦直後と思われるので、
正確には、1950〜60年代という時代区分には入らないかもしれませんが…)
展示会場は、ロフトの4階にあるコレクションギャラリーです。
もっとも、会場には、今回のポスター展とは関係のない常設展示らしきものがあり、
アールデコデザインの電化製品や、
未来の乗り物の模型などが展示されていました。

ドルニエの水上機を彷彿とさせるような巨大飛行機や、
南満州鉄道のあじあ号のような、パシナ型蒸気機関車の模型が展示されていました。
どれも、大好きな造形ラインですので、もう、写真を撮りまくりです。
レトロフューチャー系メカを生み出すさいの、格好の資料になりそうです。
(この模型もほしいです)

が、この展示ケースは、パーキングビルのような巨大な構造部になっており、
個々の展示品を納めたケースが、モーターで駆動して、
次々に入れ替わるようになっています。
ですから、好みの展示品が降りてくるまで、じっと待っていなくてはならず、
ちょっともどかしいものでした。

さて、こちらが肝心のポスター展なのですが、
社会主義リアリズム系の作品とでもいうのか、
独特の雰囲気とスタイルを持っています。
ポーランドは第二次大戦のさいに、ナチスとソ連から侵攻を受け、
国土のすべてを占領されてしまいました。
その後、シコルスキ将軍の亡命政府がロンドンに作られ、
1944年には国内の亡命政府支持者が蜂起を起こします。
が、この試みは結局ナチスによって鎮圧され、
シコルスキもイランで飛行機事故にあい、亡くなってしまいます。
その後、ソ連軍がナチスを駆逐してポーランドを解放しますが、
新たに作られた親ソ政権のもとでは、国民に真の自由は訪れませんでした。
灰とダイヤモンドもそうですが、近代ポーランドの文化は、
巨大な抑圧にあらがう力とでもいうべきものから、
発祥しているようにも思えます。

居並ぶポスターには、西側にはない独自のカラーとセンス、
ビジュアルに満ちています。
そのなかには、体制に対するそこはかとないメッセージや、
レイアウトの妙を垣間見ることができます。
ポーランド語のタイポグラフィも、いまの私たちにとっては、
ストイックな新鮮さを感じさせるものです。

クリスマスイブのひととき、華やぐ喧噪の中で、思う存分、
これらの作品を堪能してきました。
ちなみにこのエキシビションは無料で、しかも、
フラッシュさえ炊かなければ、撮影もOKです。
Polish Poster '50/'60 ポーランドポスター展
会期は来年1月6日までというこなので、お近くの方は、
ぜひ、見に行っていただきたいと思っています。
さて、その後は、名古屋の街をブラブラ。
やっぱり都会のクリスマスは華やかで、気分も盛り上がります。

と、そのとき、路上からけたたましい爆音が…。
ふと、そちらに目をやると、バイクにまたがったサンタの軍団がいました。
新手の族の集会か、とも思ったのですが、みなさん陽気に、
歩道を行く人に手を振っていました。
それにこたえて、街行くカップルなどはカメラでサンタ軍団の姿を、
納めていました。
クリスマスイブらしい、なんとも微笑ましい光景でした。

こちらは、去年も訪れたアカリナイトの会場です。
今年も多くの作品が展示されていました。
夜の久屋大通公園をぼんやりと照らす無数の灯り…。
いい雰囲気ですネ。

こうして、今年もクリスマスイブを大満喫してきました。
ただ、寒波のせいか、名古屋にしては、冷え込みはきびしく、
また、少し風もあったため、なおさら寒く感じられました。
とはいえ、雪が降ることもなく、終日おだやかな天候で、
とてもありがたかったです。
来年もまた、こうしてイブを過ごせたらいいなと、
まだ一年も先のことを、ふと思ってしまいました。
コチラをクリックしてくださるとうれしく思います。
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