越前大仏/大仏殿

いよいよ12月に入ってしまいました。
これから長い長い雪の季節に入っていくのかと思うと、
気が重くなる思いです。
毎年のことですが、この時期になると、今後降り積もるであろう雪が、
できるだけ少ないことを、祈るばかりです。

などといった前置きはこれくらいにして、本題に入りたいと思います。
(ここ最近、前置きがちょっと長いですネ)
本格的に雪が降り出してしまう前に、かねてから興味津々だった、
福井県勝山市の「越前大仏」を見学に行ってきました。
この大仏を収めた巨大な建物は、
勝山市の東を南北に伸びる国道157号線から臨むことができ、
ずっと前から、この内部がどうなっているのか、気になってました。
また、テレビ朝日の朝の情報番組で、この施設の一部が、
売りに出されている、といったようなことも、
記憶は定かではないのですが、報道されていたように思います。

そうであるならば、越前大仏を含む諸施設は、
今後、閉鎖の憂き目にあうことも、ないとはいえないわけで、
いまのうちに見学しておきたいという思いが、より強くなっていました。

予報では雨だったものの、比較的好天に恵まれた先週の日曜、
ヨメさんのプジョーで、一路、福井県へと向かってみることにしました。
いつものように、下道ばかりを通ってのドライブとなりましたが、
目的地までそれほど遠くは感じませんでした。

広い駐車場

こちらが、越前大仏の駐車場です。
かなり広大な駐車場ですが、止められたクルマの数はさほど多くなく、
駐車は楽々とできました。
車外に出てあたりを見渡すと、さらに奥にも広々とした駐車場があり、
かなりの入場客を見込んだ、大掛かりな施設なのだということが推察できました。

越前大仏は正式名称を「大師山清大寺」というそうで、
なんでも、地元出身の資産家の方が個人で建てたもののようです。
ですので、由緒や歴史のある古刹の類いではなく、どちらかというと、
テーマパークのようなテイストを感じます。

人気のない門前町

というわけで、さっそく、越前大仏を見学にいってみます。
まず足を踏み入れるのは、大仏前の門前町ともいうべき商店街なのですが、
まったく人気がなく、まるで廃墟のような雰囲気です。
(といっても、廃墟のように荒れているわけではないのですが…)

そのまま先に進むと、チケット売り場に行き当りました。
ちゃんと営業しているんだと思い、ちょっとホッとしました。
拝観料はひとり500円ということで、
まあ、妥当な値段というところでしょうか…。

そしていよいよ、大師山清大寺へと足を踏み入れるわけですが、
最初の門からして、もう、とにかく巨大です。

ここ清大寺の近傍には、
曹洞宗の総本山で、道元禅師が開いたとされる「永平寺」があるのですが、
永平寺のような趣も、賑わいも、残念ながらこの施設にはなく、
ただ、鉄筋コンクリートの無機質な物体が、我が物顔であたりを睥睨している、
という感があるだけです。

すぐ近くの石塔には、この施設が昭和62年に建造されたと記されており、
その年代からも、ここには『歴史』と呼べるようなものは、
なにもないのだと、あらためて思い知らされました。

昭和62年頃といえば、円高不況と呼ばれた時代を脱し、
いよいよバブルに入る時代ではないかと思います。
そんな時代の名残を感じさせるこの門は、
栄華の時代の遺物ともいえるのかもしれません。

巨大な門

最初の門を抜けると、すぐにまた、もうひとつの門が現れますが、
こちらもとにかく巨大で、周囲の自然に馴染まない、特異な存在感を
醸し出しています。

その奥にはさらに巨大な大仏殿

そしてこちらが大仏を収めた大仏殿なのですが、
こちらも、くどいようですが、とにかく巨大。しかも独特の雰囲気。
日本の寺社というより、どことなく中国的で、
それでいて、この無機質感と巨大感が、
スターリン時代の建築物を思わせる気がします。
(これが山の斜面にあったならば、ポタラ宮のように見えるかもしれません)

大仏殿の前で

といっても、写真では巨大感が伝わりづらいと思いますので、
私もいっしょに、フレームの中に収まってみましたが、
それでも、この建物の大きさは、ちょっとわかりづらいと思います。

そして、建物の入口に近づいてみたのですが、そこから、
大仏のお顔が垣間見えて、またしてもその非常識な巨大さに、
驚愕してしまいました。

あまりの巨大さにびっくり

こちらがその大仏なのですが、ほんとうに、息を呑む巨大さです。
ものすごい迫力なのですが、写真ではその実感が伝わらないのがくやしいです。
しかも、大仏の左右にも、それぞれ二体ずつ、直立する巨大な仏像があり、
ただただ圧倒されるばかりでした。

壁面を埋める仏像

そのうえ、大仏殿の壁面は、まるでビルの窓のように、
小部屋状の空間に仕切られていて、
そのすべてに、仏像がびっしりと収められていました。
このただならぬ景観には、ただただ眼を見張るばかりです。

広い室内には読経のテープが流され、
それが室内にこだまし、荘厳な雰囲気を醸し出していました。
朗々とした読経の響きは、歴史の浅いテーマパーク的建物にも、
宗教施設らしい印象と質感を与えているようでした。

五十塔

次に行ってみたのは、同じ敷地内にある五重塔です。
こちらも巨大さでは大仏にひけをとりません。
この施設では、とにかく大きく作る、ということが、
共通の目的になっているかのようです。

もっとも建物は鉄筋コンクリート製なので、安直な印象は否めません。
しかも、屋根のしたの垂木にあたる部分は、
茶色にこそ塗装されているものの、鉄骨そのもので、
風情などはほとんど感じられないものとなっています。

内部は螺旋階段状になっていて、各階に仏像が祀ってありましたが、
それ以外には、とりたてて展示物などはありませんでした。

五十塔から大仏殿を臨む

ただ、さすがに巨大な建築物ですので、最上階からの眺めは、
かなり壮観です。
ここからは、施設内の各建物とともに、勝山の街が一望できました。
さらに眼をこらすと、勝山城の姿も垣間見えます。

あとで知ったことなのですが、この勝山城も、
同じ資産家の方が建造したとのことで、たいへん驚きました。
大規模で壮麗なお城ですが、かつての城の姿を復元、踏襲したものではなく、
まったくの創作らしいです。
しかも、城の位置も本来のものとは違っているとのことです。
もし、そうであるならば、なんだか、この清大寺と、
コンセプト的に、どこか相通じるものを感じてしまいます。

廃墟のような門前町

その後は、日本庭園などを見つつ、各所を回ってみました。
帰り際、ふたたび門前町を通ったのですが、あいかわらず人気はなく、
大げさな言い方をすれば、人類絶滅後の街に迷い込んだ感じです。

…と、いろいろ書いてきましたが、私たちにとっては、充分楽しめるスポットでしたし、
500円の拝観料はまったく惜しくありませんでした。
歴史や風情はなくとも「単に巨大」というそれ一点だけで、見応えはあるものです。
ほとんど人気のないところも、見方を変えれば、不思議な魅力のようにも感じられます。

すべての遺跡は、繁栄を極めた時代の遺物であるわけですが、
その意味では、この施設も、遺跡の雰囲気を帯びているように思います。

興味がおありの方は、ぜひ、一度、足を運んでみてください。



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