立哨台

関ヶ原という地名を聞いて、まっさきに思い浮かぶのが、
徳川家康、石田三成、双方の軍勢が激突した、
天下分け目の戦ではないかと思いますが、
じつは、この関ヶ原には、古戦場だけではなく、
旧陸軍の大規模な弾薬庫施設もあったそうで、
それらのいくつかは、現在でもそのまま残っているといいます。

今年は戦後70年にあたるということで、
これら弾薬庫の一部を見学できるようにしているといいます。
というわけで、先日、ヨメのプジョーに乗せてもらって、
この弾薬庫跡を見学に行ってきました。

場所は、石田三成が陣を敷いた「笹尾山」よりもさらに東で、
かつて、メナードランドというスケート場があったあたりになります。

この弾薬庫施設は、玉の火薬庫と呼ばれていたということで、
東洋一の規模を誇ったともいいます。
正式な名は、名古屋陸軍兵器補給廠関ヶ原分廠といい、
第一次世界大戦が勃発した1914年(大正三年)から、
終戦の1945年(昭和20年)まで、使われていたといいます。

なぜ、この地に、このような大規模な弾薬庫施設ができたかというと、
交通の要衝ということで、弾薬の運び出しが比較的容易であったことと、
かつまた、近くに民家もほとんどないことから、万が一、誘爆事故が起こっても、
周辺に及ぼす影響が小さいと考えられたため、とのことです。

○ 玉の火薬庫の詳しい情報はコチラへ

以前住んでいた飛騨高山から関ヶ原までは、かなりの距離がありましたが、
新事務所の岐阜からは、関ヶ原はそれほど遠くはなく、
小一時間ほどのドライブで、すぐ着いてしまいます。

半地下式火薬庫

こちらが、残された半地下式の弾薬庫 (火薬庫) です。
正式には洞窟式火薬庫というそうで、現在、第一から第五まで現存しています。
火薬は危険物ゆえ、こうした地下施設が保存には適していましたし、
また、山腹にカモフラージュするという意味合いもあったそうです。

弾薬庫は経年劣化によりかなり古びて見えますが、
外観はまったく無傷のように見受けられます。
このような施設は、戦時下では爆撃の対象となりそうですが、
そうしたことはなかったのでしょうか。

火薬庫内の展示物

この弾薬庫は内部見学が可能となるよう、
照明が付けられ、また、展示パネルもありました。
坑内の作りは、弾薬庫らしく、見るからに堅牢という感じがします。

火薬庫の内部

こちらはその奥にある弾薬庫のメインスペースです。
かなりの広さがあり、戦闘機でも格納できそうです。
が、入口が狭いため、そんなことはできないでしょうが…。

歩哨が立つ建物

こちらは、歩哨用の立哨台というものだそうです。
誘爆事故のさいに兵士を守るためなのか、
すべてコンクリートで作られています。

山あいのなかに佇む朽ちたコンクリートの建造物は、
どことなく、悲哀と郷愁を誘います。
この立哨台は、各所に設置されています。

複数残る火薬庫

こちらも、半地下式の弾薬庫 (洞窟式火薬庫) です。
ただ、見学できるのは第五火薬庫のみで、他の施設は、
立ち入り禁止となっています。

内部に照明はなく真っ暗ですし、得体の知れない虫も出そうなので、
入るのは勇気が入りそうです。

メナードランド廃墟

また、こちらは、
関ヶ原メナードランドというスケート場の施設の廃墟なのですが、
よくよく見ると、これらも、
弾薬庫施設をそのまま利用していたように思われます。
ブルーのペンキこそ塗られているものの、
内部は他の弾薬庫と同じ構造になっていました。

これらも陸軍施設だと思われます

旧陸軍の軍事遺跡を転用した民間施設というのも、珍しいと思いますが、
こちらもいまでは廃墟となってしまっており、
独特の雰囲気を放っていました。

トンネルもありました

こちらは、火薬倉庫土塁と呼ばれるもので、
トンネルはその土塁を通り抜けるための通路だったようです。

土塁の向こうには、通常の建物と同じような、清涼火薬庫という施設があり、
万一の誘爆事故に備えて周囲を土塁で囲んでいたようです。
清涼火薬庫はすべて朽ちたか撤去されており、
現在、その姿を見ることはできません。

それにしても、このような、大規模な戦時遺跡が残っているのは、
全国的にも、かなり珍しいのではないでしょうか…。

この山奥に、これだけの施設を作り、
おそらくは大量の弾薬を備蓄していたとは、なんとも驚く限りですが、
この遺跡群は、よくも悪くも、明治から昭和にかけ、
この国の歩んできた道を示す、貴重な資料のひとつではないかと思います。

今後も末永く、保存されることを望むばかりです。




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