組み立て中のアッシュ

さて、今回は、私の趣味である模型製作 (プラスチックモデル) について、
ひさしぶりに、少しばかりご紹介したいと思います。
とはいえ、私の場合、模型はここ10年以上、チマチマと時に作ったりはするものの、
まったく完成させたことがなく、延々と、先の見えない作業だけをしています。
ですので今回も、製作途中にあるもののご紹介ということになります。

もっとも、そこまで完全なものを求めようとせず、
妥協してどんどん製作を進めていけば、完成品も数多くできるのではないかと思います。
ですが、もともとのマニア癖のためか、なかなか安易に妥協もできず、
かといって、まとまった時間もなかなかとれず、
そのうえ、時間があれば本も読みたい、などと、ほかにもやりたいことがあって、
模型製作はいつも足踏みばかりです。

中学生、高校生のころは、それこそたくさんの完成品を量産していましたが、
いまでは、そんなことは夢のまた夢になってしまいました。

それでも、プラモデルをまったくやめてしまうことは今もなく、
ときどき、思い出したように、手を動かしたりしています。
まあ、中学、高校の当時は、MINIをいじることも、ドライブすることも、
読書することもあまりなかったわけで、いまとは状況が違うのですが…。
いずれにしろ、この模型趣味は、どうやら一生涯続きそうです。

エレールのキット

というわけで、いま、手がけているのはコチラ。
フランスのプラモデルメーカーである『エレール』社が発売した、
シトロエンのタイプH、いわゆる『アッシュ』と呼ばれるクルマのキットです。
(巷では、Hバン、Hトラックとも呼ばれたりしています)

シトロエンHバンは、日本でも、キッチンカーに改造されるなどして、
広く使用されており、いわば、とても有名な車両かと思います。
車名はわからなくとも、誰もが、このレトロでオシャレなデザインのフランス車を、
一度は見たことがあるのではないかと思います。

アッシュのイラスト

私も、この箱型のシンプルで実用的なデザインが好きで、
いつかプラモデルとして発売されないものか、と待っていたのですが、
その念願叶い、ついにエレール社がキット化してくれました。

というわけで、発売を聞くやいなや、すぐさま購入したのですが、
この直後に、日本のメーカー (エブロ社) からも、
同じシトロエンHバンのキットが発売されるというアナウンスがあり、
ちょっと勇み足で買っちゃったかなあ、という思いもありました。
なにしろ、日本製のほうが、品質には信頼感がありますから…。

とはいっても、すでに買ってしまったものは、もはや仕方がない…、
などといったらエレールに失礼ですが、とにかく、さっそく製作を開始しました。
(ちなみに、キットの購入も、製作をはじめたのも、去年の話です)

箱組みはたいへん

ボディは、底面や左右が別パーツとして分かれており、
それを箱組みするよう指示されています。
ところが、私が買った個体がそうだったのか、もともとの品質がそうなのか、
そのあたりはよくわかりませんが、とにかく、部品の変形が多数あり、
箱組みをきちんと行って、クルマのかたちにするのがたいへんでした。

強制的に歪みを修正

瞬間接着剤を使って強制的に変形を矯正しつつ強引に接着していく、
という方法をとったのですが、なかなか歪みがとれず、難儀しました。
ところが、それでいて、最終的には、4つのタイヤがきちんと地面に接地するようになり、
なんとか、ことなきをえました。
日本製のキットを買えば、きっとこのようなことはなかったのかもしれません。
やはり、エレールのキットは難物です。
とはいえ、このキットが、合いが悪いキットだとは、一概に決めつけられないと思います。
変形さえ強制してしまえば、パーツの合いは、スムーズだったといえるかもしれません。

なんにせよ、ただ組むのさえ難儀するキットなのに、
今回私は、このシトロエンHをキッチンカーにするべく、改造もはじめました。
ただでさけ、プラモデルをなかなか完成させらないにもかかわらず、
改造を始めるなんて、かなり無謀ですが、
このシトロエンHバンは、お店になってこそ見栄えするクルマ、と、
私は思っているので、キッチンカーへの改造は、避けて通れないところでした。

ところが、同じシトロエンHを後発でキット化したエブロ社が、
今度は、シトロエンHをお店にした『モバイルキッチン』という製品を発表し、
またしてもショックを受けることに……。
モバイルキッチンには、コーヒーメーカーやガス台、レジやパンまでも入っていて、
もう至れり尽くせりのオールインワンです。
私も、そのすばらしい内容に魅了されてしまい、
もはやこのエレールのシトロエンは放置して、
エブロのモバイルキッチンを買っちゃおうか、とも思いましたが、
すでにエレールのシトロエンHをお店に改造すると決心していたので、
このまま、茨の道を行くことにしました。

というわけで、ちょっと脱線しましたが、エレールの製作のお話に戻ります。
さいわいにも、後部パネルとドアは開閉選択式で組むようになっているので、
まずは側面パネルをカッターで切り離し、こちらをお店のメインウインドウにします。

透明パーツ

このキットは、なんと、ドアやフロント部分が透明パーツで成型されており、
これを、窓の部分をマスキングして塗り分けてガラス部分を表現することになっています。
普通は、窓やウインドウグラスは、別パーツ化されているものですが、
このフランス製キットは、ちょっと常識では考えられないパーツ割りになっています。

マスキングして塗装

というわけで、マスキングして塗り分けるわけですが、
窓の周囲には雨水混入防止用のウェザーストリップもあり、これも塗り分けねばなりません。
マスキングがとても重要視されるキットです。

円形マスキングシート

さいわいにもいまは、あらかじめ丸く撃ち抜かれたマスキングシートが発売されており、
これを使えば、比較的きれいに、窓部分やウェザーストリップ部分をマスキングできます。
この商品は本当にすぐれものです。

木目の表現

また、なにしろショップに改造するわけですから、
キットにない細々としたパーツも自作する必要があります。
まずは、側面開口部分と後部開口部分にとりつけられるテーブル状の板ですが、
切り出しそのものは簡単なものの、板に見えるように塗装するのがなかなかたいへんです。

塗装された板部分

ですが、ウェザリングカラー や色鉛筆、パステルを使って、それらしく塗りました。
かなりうまくいったのではないかと、自分では思っていますし、
実際、目を凝らして見ても、板に見えます。

また、新品ピカピカのシトロエンHでは、なんとなく魅力が薄い、ということで、
使い込まれた年代物の車両にすることにしました。
ボディの塗装は色あせ、ところどころが剥げ、錆びている感じにしてみます。

とはいっても、放置されボロボロに錆びているクルマ、
という状態には、したくはありません。
使い込まれてはいても、あくまで『生きているクルマ』という雰囲気を、
目指したいと思っています。
ですので、サビの状態も、過度に行うことはできません。
そのあたりは、状況を見つつ、慎重に行っていかなければなりません。

というわけで、まずはサビの色である赤茶色でボディ全体を塗装。
そのあとに『シリコンバリアー』という、型取り用の離型剤 (無色透明の薬品) を塗り、
最後に、ボディカラーであるグレーをエアブラシで塗装しました。

車体部分

このような、いわゆる三層の塗装をしたあとで、
爪楊枝などを使って、ボディをつついたりこすったりすると、
シリコンバリアーのうえに載ったボディカラーの塗膜が剥げ、
そのしたの赤茶色が顔を出します。
シリコンバリアーは無色透明なので、最下層の赤茶色が見えるというわけです。

このような塗装法を『シリコンバリアー塗装法』と呼び、
模型雑誌などでもよく紹介されていますが、実際にやってみると、
思ったようには剥げてくれず、なかなか難しいものですね。
シリコンバリアーの代わりに、ヘアスプレーを用いるという方法もあるようですので、
今度、機会があれば、そちらを試してみたいと思います。

サビ表現

また、ボディのうえに浮いた、いわゆる浮きサビについては、
面相筆や爪楊枝などで丁寧に描き込んで表現しています。
このあたりも、実車や、錆びた鉄板などを参考に、それらしく塗装していきます。
使った道具は、パステル、色鉛筆、グンゼ産業の塗料などです。

自分のMINIは常にサビをとってピカピカにしておきたいのに、
模型は錆びた状態にするという、なんとも不可解な行動をしている自分に、
ふと、笑いがこみ上げてきます。

まあ、クルマがどのように錆びるのかは、愛車MINIを見て、
はからずも知っているともいえます。
悲しいことですが…。

それにしても、このエレールのキットは、難物なところはあるものの、
日本のエブロ社のものと比べても、劣らない点が多々あります。
まず、ラジエーターグリルや、フロントウインドウ、後方のドアパネルなどについて、
前期型、後期型の二種を入れており、形式を選んで組み立てることができます。
(エブロ社のものは、このあたりが混同しているのではないかと思います)
全体のフォルムや雰囲気も、とてもよく実車を再現しており、好感がもてます。
ただ、後期型のフロントウインドウに、窓枠のモールド(彫刻)が、
まったく入っていなかったり、説明書にも間違いが散見されるなど、
そのあたりは、日本製プラモデルのようにはいきません。
そうした欠点はあるものの、優れたキットであると私は思っています。

さてさて、キットには軟質樹脂製のタイヤが同梱されています。
ただ、海外プラモデルメーカーの軟質樹脂は、非常にくせ者だと私は思っています。
とても使う気にはなれません。

というのも、以前、イタリアのプラモデルメーカーであるイタレリ社が、
オペルのトラックを発売していたのですが、このなかに入っている軟質樹脂製のタイヤが、
たいへんなくせ者で、経年によってプラスチックを溶かすという、
世にもおそろしいものでした。

このオペルを作ったみなさんは、
数年後、見事にホイルが溶けてしまう、という、惨事に見舞われたのです。

もちろん、エレール社のタイヤが、イタレリと同じ材かどうかはわかりませんが、
あの老舗のタミヤ模型ですら、デザートシボレーという商品に入っていたタイヤが、
数年後にひび割れる、という事態を引き起こしており、
おしなべて、軟質樹脂というものは、信頼性にかけるものだと私は思っています。
(軟質樹脂は可塑剤というものを混入しており、これが、経年によって移動し、
樹脂を劣化させたり、また、別の樹脂に悪影響を及ぼすらしいです)

Shade 3Dでモデリング

というわけで、以前にも使った3Dプリントサービスを使って、
タイヤを3Dプリントしてもらうことにしました。
モデリングに使ったソフトは、Shade 3Dです。
プリントをお願いしたのは、DMM.comで、素材はナイロンにしました。

3Dプリント

というわけで、プリント完成。
キット付属のものよりも、接地面の幅を少し広くして、迫力を出して見ました。

ナイロン出力は表面がザラザラになり、細かいモールドはできませんが、
プリント料金は他の材質に比べて格段に安く、大きな魅力ですし、
ザラザラな表面も、サーフェイサーをかけることで、
平滑にすることができます。

また、ナイロンは、たいへん強い強度を持っているともいいいます。
質感はカチカチという感じで、軟質樹脂のような経年劣化の心配はなさそうです。

3Dプリントのタイヤを塗装

3Dプリントは、レジンを使った複製と違って収縮がなく、
寸法がぴったり出力されるので、キットのホイルに、ぴったりと収まります。

それにしても、こんなふうに自作するんだったら、いっそのこと、
車体の重みでタイヤの接地面が微妙に潰れいてる、
いわゆる自重変形タイヤにすればよかったと、ちょっと後悔しています。

と、書き始めたら意外に長くなってしまいましたので、今回はこのへんで。
次回は、小物制作などについて、書いてみたいと思います。



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